声優で歌手・俳優とマルチに活動している入野自由が29日、都内ホテルでブロードウェイミュージカル『キャメロット』（演出：宮田慶子）製作発表記者会見を俳優・坂本昌行、アイドルグループ『ジャニーズWEST』桐山照史、唯月ふうか、今井清隆、演出の宮田氏らとともに開いた。
本作は着眼点を変えてアーサー王伝説を描いた作家・T.H.ホワイト『永遠の王』を原作に作り上げられたミュージカル。1960 年にブロードウェイのマジェスティック劇場で初演され、67年には同名映画で、以来3月からもニューヨークのリンカーン・センターの劇場で開幕するなど、世界中で長きにわたって上演が重ねられている人気の正統派古典ミュージカル。理想と現実の間で苦悩するアーサー王、そしてグィネヴィア王妃や円卓の騎士ランスロットなど、多彩なキャラクターたちが魅せる物語となっている。
入野は坂本演じるアーサー王の隠し子・モルドレッド役ということで「（坂本が）初めての王役、（唯月が）初めての王妃役ということで、僕も初めての隠し子役ということで」と、切り出して会見場を笑いに包み込む。
モルドレッドを演じるにあたり、「後半に登場して、みなさんが作り上げたものをぶち壊していくという役目なので、とにかくかき回すだけかき回して、最終的にキャストのみなさんにも、オーディエンスのみなさんにも、嫌な気持ちになって帰ってもらえたらと思っています」と、意気込みとともに「こうした1人嫌な奴の立ち回りをする役をやったことがなくて、これは面白い挑戦だなって思って」と、心境を。
さらに、自身が心が動かされた部分として、「あとはコスチュームというか衣装を着てビジュアル撮影をして、なおさら初めてだとなって、そのときに見たことのない自分がいたんです。古典ですけど新しめな部分もあって、そういう部分も面白そうだと思ってワクワクしました」や「台本読みを重ねるうちにファンタジー要素や、フィクションの伝説であるというのも感じながら、今の世界につながる部分があったり、今を感じることが多いんです。アーサーの考え続けろ、考えろ、考えろという姿勢は、今の僕にビビッと来た言葉でした。そういう言葉が多く散りばめられているので自分がどういう状態にいるかで見え方も違うだろうなって感じています」と、魅力を熱弁していた。
本作で共演する坂本の印象については「王の風格というか、カリスマ性を感じて」という。実は入野が以前した作品でもかかわりがあるそうだが、「さっき楽屋で話しかけて頂いて、ちょこっとお話できたくらいなんです。だからやっとお話できたと浮かれてました。話せた！と思って」と、感激していたそうだが、坂本は以前の作品で話せなかったことに「ごめんね」と言って、入野を恐縮させていた。
「キャストみんなと仲良くなりたいです。嫌われるのは役柄だけにしたいと思います」と、楽しげに話し、桐山も「絶対大丈夫ですよ」と、うなずいていた。
ブロードウェイミュージカル『キャメロット』東京公演は10月7日から同28日まで日生劇場にて、大阪公演は11月4日から同20日まで大阪松竹座にて上演予定。なお、チケットは9月3日午前10時より一般発売予定となっている。
■あらすじ
中世イングランドの都キャメロット。
アーサー王(坂本昌行)は政略結婚を嫌がり逃げ出したグィネヴィア(唯月ふうか)と森の中で出会い、互いの素性を明かさないまま、二人は恋に落ちる。
グィネヴィアを王妃として迎えたアーサー王は、戦いが絶えない時世の中でも正義と公正さを信じ、武力ではなく法による統治を目指す。そして、皆が対等に話し合える円卓会議を発案し、イングランド全土から気高き騎士の招聘を試みる。辺境の騎士ペリノア(今井清隆)は図らずもキャメロットへ流れ着いた一人だが、そんなアーサー王の噂を聞きつけたフランス人騎士ランスロット(桐山照史)も一路キャメロットへ向かい、王に直談判で志願、「円卓の騎士」の一員となる。アーサー王は極めて優れた騎士道精神を持つランスロットに惚れ込み、全幅の信頼を置くようになるが、その裏でランスロットと最愛の妻グィネヴィアが密かに愛し合っていることを知る。二人の幸せを願うものの、自身への裏切りを許すことができず、苦悩するアーサー王。そこに追い打ちをかけるように隠し子のモルドレッド(入野自由)が現れ……。
※入野自由過去記事
・坂本昌行「キャメロット」ビジュアル解禁！桐山照史、入野自由らの扮装も
・神谷浩史「おそ松さん」は“社会派”！？入野自由 キャストら納得ポイント
・勝地涼 夜叉ヶ池「妖怪パート」アピ！入野自由「心地いい」
衣装とカツラをつけて感じたこともあるという
