グローバルボーイズグループ『INI』髙塚大夢、声優・高橋李依、岡本信彦、お笑いコンビ『NON STYLE』井上裕介、俳優・工藤ディマが6日、アニメーション映画『ストールンプリンセス:キーウの王女とルスラン』(監督:オレ・マラムシュ/配給:KADOKAWA)完成披露上映会を開催した。
騎士に憧れる青年・ルスランと王女・ミラがひょんなことから出会い恋に落ちる。しかし、魔法使い・チェルノモールがルスランの目の前でミラを連れ去ってしまうことに。ミラを取り戻すため、ルスランはさまざまな困難に立ち向かっていくという物語。ウクライナ制作のアニメーション映画として、日本初の映画館での上映作品にもなっている。
以下、公式レポート部分。
ウクライナ制作のアニメーション映画として、日本で初めて正式に劇場公開される作品となる本作。そんな本作に出演した想いを問われ、主演の吹替を務めた髙塚は「この映画と向き合ってみて、ウクライナという国の文化の素晴らしさや魅力をすごく感じました。この映画が日本で上映されることにとても意義があると思いますし、少しでも多くの方に届けば良いなと思っております」とコメント。さらに、声優初挑戦であることについて、実はとても緊張していたとのことで、「収録の当日ギリギリまで台本を離せず、心臓がドキドキしていて大変でした。でも良いものになったのではないかと思います」と振り返り、会場では拍手が湧き上がった。
ヒロイン役を務めた高橋も「ウクライナのアニメーションに触れるのが初めてで、構えていた自分が勿体無いと思うぐらいシンプルに楽しめる物語が詰まっていました。ウクライナの皆さんがどれだけアニメが好きか伝わってくる映像表現ばかりで、それを届けるお手伝いができたらと思った」と振り返った。さらに、ウクライナのキーウ出身で、本作で映像デビューとなる俳優・工藤ディマも、収録時も今も緊張を隠せなかったと明かし、「日本語をまだまだ磨かないといけない部分がたくさんある中で、初めてのこのような機会をいただけてとても嬉しかったです」と素直な気持ちを明かした。
そんな声優初挑戦の髙塚と工藤の声の演技を受けて、劇中で髙塚演じる主人公の親友を演じた岡本は「おふたりに共通しているのはピュアな部分ですよね」とコメント。声優初挑戦でたくさんのセリフがあるキャラクターを演じ切った髙塚を労いつつ、「ピュアで全力な姿勢って、その時にしか出ない輝きがあると思うので、そこがルスランにも象徴的に映し出されていた気がしました」と髙塚の演技を絶賛。さらに、NON STYLE井上が、収録の後半に髙塚の演技がだんだん良くなってきたことから、一度収録した前半パートも撮り直したという髙塚の熱量を表すエピソードを披露。また、「NON STYLEのシーンはピッタリ1時間で終わったよ!」と会場の笑いを誘った。
作品のテーマに掛けて、「命を懸けて守りたいもの」を問われると、まずは岡本が、ブリーチヘアで自身の髪の毛を心配していると明かし、「髪の毛」を守りたいと笑顔で回答。次に、高橋は、「仕事をする上で、作品への愛情を失ったらいけないと思っているので、命を賭けて守りたいです」と仕事への情熱を語った。そして髙塚は、INIというグローバルボーイズグループで活動していることも含めて、「ファンの皆さんの存在はすごく大切だと思っています」とコメントした。
主演の髙塚は、本作の主題歌であるINI「My Story」にて作詞にも初挑戦。「ルスランの心情の変化を言葉にできたらいいなと思い作詞しました。ルスランにとってミラの存在がすごく大きいので、夢を叶える上での大切な人の存在を言葉にできたらと。INIもファンの皆さんの存在が大きいので、重なる部分があると感じていました」と歌詞に込めた想いを明かす。井上が、収録と作詞どちらが先だったのか質問すると、収録を全て終えた後に作詞したとのことで、「その分、ルスランのセリフも全てわかっているからこそ歌詞の言葉を作ることができたのではないかと思います」と振り返った。
ウクライナから戦争を機に日本へ避難してきた工藤ディマは、今もなお首都・キーウに住んでいる家族や友人より激励の言葉を貰ったといい、「ウクライナ版と日本語版の吹替をぜひ聴き比べしたい」と言ってくれたとのことで、「家族にとっても私にとっても嬉しかったです」という素直な喜びの気持ちと、「日本とウクライナのアニメ文化が繋がることが望みです」と、日本とウクライナへの強い想いを語った。
クラウドファンディングを行い、多くの人々の応援によって公開が実現した本作。そんな本作について問われると、髙塚は、「ウクライナの背景を知りながら、少しでも何か力になれたらと思っていた方々が参加してくれたクラウドファンディングだったと思いますが、たくさんの人の思いが詰まった作品ということを知って責任感もありましたし、僕自身も声優として参加できたことに嬉しく思いました」と答えた。
ここで、会場では、オレ・マラムシュ監督からのメッセージ動画が流れ、「日本でのクラウドファンディングの成功は、今のウクライナの状況下で、日本の方から大きな勇気をもらいました」と監督。協力してくださった方々に感謝しつつ、日本語吹替版を観た監督は「日本語版のキャラクター等に命を吹き込んでくれてありがとうございました」と日本語吹替版のキャスト陣にもお礼の言葉を伝えた。さらに、「音楽はユニバーサルな言語です。今作の主題歌が国境を超えた繋がりを生むことは願っています」と、本作の主題歌やアニメーションをとして芸術の喜びを感じてほしいという想いを語った。
監督からのメッセージ動画を受けて、高橋は「(日本語吹替版が)完成して監督の元まで届いて、やり切ったというような気持ちを今感じました」、井上も「音楽とかアニメーションは世界共通で伝わるエンターテイメント。たくさんの人の想いが形になったこの作品に参加できたことも光栄ですし、このような輪がもっと広がってウクライナへ届けば良いなと思います」とコメントした。
最後に、高橋が「今日一番最初に観ていただいたみなさんを皮切りに、これからこの作品と一緒に歩んでいけたら嬉しいです」、髙塚は「元々声のお仕事はしたいと思っていたので、本作のお話をいただいて嬉しいと思うと同時にプレッシャーがありました。そんな中で一から支えてくださった皆さんにこの場を借りて感謝の気持ちを伝えたいです」と感謝の気持ちを伝え、温かい拍手と共に舞台挨拶は幕を閉じた。ウクライナ発のアニメーション映画『ストールンプリンセス:キーウの王女とルスラン』は9月22日(金)より全国公開。
※記事内画像は(c) 2018, SSVG EAST FUND INVESTMENT LIMITED (c) 2018, “ANIMAGRAD” LTD (c) 2018, Ukrainian State Film Agency (c) 『ストールンプリンセス:キーウの王女とルスラン』製作委員会