『新しい地図』稲垣吾郎、“ガッキー”の愛称で親しまれる俳優・新垣結衣が出演し11月10日に公開予定の映画『正欲』(監督:岸善幸/配給:ビターズ・エンド)。本作の新場面写真と、10月23日より開催される第36回東京国際映画祭(通称:TIFF)コンペティション部門への正式出品が決定したことが27日、発表となった。
作家・朝井リョウ氏の同名小説が原作。不登校の息子が世間から断絶されることを恐れる検事の啓喜(稲垣)。ひとつの秘密を抱え、自ら世間との断絶を望む寝具販売員の夏月(新垣)。夏月の中学の同級生で、夏月と秘密を共有する佳道(磯村勇斗)。心を誰にも開かずに日々を過ごす大学生・大也(佐藤寛太)。自分の気持ちに戸惑いながらも心に従おうと邁進する、大也と同じ大学に通う八重子(東野絢香)。無関係に見えたそれぞれの人生が、ある事件をきっかけに交差するという物語。
今回の出品へ、キャスト陣からコメントが寄せられた。以下、コメント。
●稲垣吾郎
観た後、それぞれ違った感じ方をしていただきたい映画になっていると思います。
全てに疑問を持ちながら、純粋な気持ちで演技に向き合うことができました。
●新垣結衣
問われている感覚が、原作を読んだ時から、映画が完成した後もずっとそばにあります。
自分が想像しえない世界は確実にあって、そこにいまも生きている人がいる。
それがどういうことなのかを常に考えながら撮影した作品でした。
●磯村勇斗
観終わった後、温かい気持ちになり、自分を大切にしようと思いました。
この『正欲』を通して、我々と観て下さった方が「何か」を共有し育み、互いに勇気を持って、一歩でも半歩でも自分の人生を進め
ていけるようなれたら嬉しいです。
●佐藤寛太
善く生きるということ。人と共存するということ。人生の意義を考えること。
暮らしのなかでは保留することができる答えのない問いが、映画という実態を伴って眼の前に現れました。
僕はこの作品を引きずって大人になっていこうと思います。
●東野絢香
完成された『正欲』は、人間の命がとても美しく描かれた映画でした。
上手に息が吸えない私たちに、今を生きるための酸素を送り届けてくれる作品です。
この映画が、少しでも多くの方に届く事を、心から願っております。
一方、公開となった新場面写真は、家族団らん中のはずが、啓喜(稲垣)を見る妻・由美(山田真歩)と息子・泰希(潤浩)の表情は穏やかではない様子で─?ショッピングモールでの接客中の夏月(新垣)は何かをこらえるようにうつむき、佳道は何とも言えない表情で一心に誰かを見つめているようだ。ダンスサークルのリーダー・高見優芽(坂東希)が同席する中、学祭実行委員として大也(佐藤)にイベント出演依頼をする神戸(東野)や、啓喜にある事件の資料を渡す検察事務官の越川秀己(宇野祥平)、パソコン画面をのぞき込む子供たちと由美、右近(鈴木康介)、目を閉じて一心不乱に水を浴びる中学生時代の夏月(滝口芽里衣)と佳道(齋藤潤)など、物語を彩るさまざまな登場人物たちの姿が窺えるものとなっている。
なお、第36回東京国際映画祭の期間中には3度上映を予定しており、10月25日午後8時45分からTOHO シネマズ日比谷 スクリーン 12、同27日午後6時からヒューマントラストシネマ有楽町スクリーン1、同31日午前10時20分からTOHO シネマズ日比谷スクリーン12にて上映予定。このチケットの先行抽選販売は、9月27日から9月29日午後11時59分までとなっており、受付は東京国際映画祭公式サイトにて。
※記事内画像は(C) 2021 朝井リョウ/新潮社 (C) 2023「正欲」製作委員会