“キンプリ”の愛称で親しまれているアイドルグループ『King & Prince』永瀬廉が3日、東京・後楽園のシビックホールで主演映画『法廷遊戯』(監督:深川栄洋/配給:東映)完成披露試写会イベントを杉咲花、北村匠海、大森南朋、戸塚純貴、深川栄洋監督とともに開いた。
作家・五十嵐律人氏が現役司法修習生時代に刊行した同名法廷ミステリー小説が原作。永瀬は、ロースクールに通い、法曹の道を目指す主人公の「セイギ」こと久我清義(きよよし)役を演じ、ほか、美鈴役に杉咲花、馨役に北村匠海らが出演。「無辜(むこ)ゲーム」と呼ばれる裁判ゲームで実際に起こった殺人事件をきっかけに、3人の仮面の裏に隠された真実が暴かれてゆく。
作品にちなんだ薄暗闇から、CO2を噴出してのスモーク演出がされステージ上の大階段を降りながら派手な登場を見せたキャスト陣。永瀬はこの演出に、「ライブなんすよ。CO2があったり、ダンスボーカルユニットみたいと思って、踊りかけたもん」というと黄色い歓声が場内を包むことに。
そこで北村が「踊ったら?」と声をかけたが「踊らん、踊らん」とそこは絶対に譲らず、場内には笑いがあふれた。しかし戸塚が、「盛り上がってるかーい?」と客席に向かってマイクを向け永瀬は「それライブなのよ」と、再びツッコんでいた。
ついに一般の方にも目が振れる機会が訪れたが永瀬は「こんな規模感での完成披露試写会となるというはさっき知ったんで」と、まずはびっくりしたという話とともに、「この場に立って、みなさんの雰囲気を感じて、やっとこの日が来たという気持ちです。1年前から撮影をはじめてきょう、こうして出来上がったものをお届けできるのはありがたいし、嬉しい気持ちでいっぱいです」と、万感といった様子を見せた。
オファーを受けた時の印象としては、セイギのことへ「優しさもあって、真面目やし、でも大胆で、自分の中に1つ大きな信念があって。物語の中で経験して、最後に下す選択が一貫しているなってそれがいい意味で映画になって、自分の信念というか正義感を見せられるなと思っています」と、話していた。
撮影中、洞窟でもロケしたそうだが、「洞窟寒かったよね。サバイバルしているような気分やった。ヒートテック5、6枚重ね着してて」と寒かった思い出を披露したり、永瀬は北村と杉咲が以前から共演が多いこともあってか、「俺もその間に入りたかったけど、2人の空気感にひたってたから」と入りづらかったと証言。北村も杉咲も“そんなことないでしょ”と詰め寄ったが永瀬は「そんなことない」と近寄れなかったとかたくなだったが北村は「そう言いながら話してたでしょ」と、ツッコまれて、これには心当たりがあるのか苦笑いしていた。
さらに、その洞窟の撮影で戸塚と仲良くなったという永瀬は「めちゃめちゃイジりやすいんです。僕がイジっても優しく返してくれるから楽しくなっちゃって」と2人で笑い合うこともあった。
作品にちなんでキャストそれぞれが個人的に「許せること」「許せないこと」を『有罪』『無罪』のカードを使ってジャッジしていくコーナーが展開。永瀬は1日に最高6、7回してしまうほど「歯磨きがめっちゃ好きで。コンビニで買うトラベル用の歯ブラシあるやん。あれの歯磨き粉も使い切るくらい。それで、番組収録前に歯ブラシを、あててはじめちゃったら長いんです。上の歯、下の歯と。気づいたら移動時間ギリギリで、もちろん遅れたことはないんです。けど、マネージャーに『もうちょっと余裕を持って』といわれて」と告白。すると北村は「時間に余裕を持ちなさいよ」と有罪の札を挙げていたが、その後、全員にあらためて有罪か無罪かを問うと、北村は「歯がかわいそうだよ」と言いつつも無罪に変更。なぜ心変わりしたのかへ、「勝手にしてくれと思って」と理由を話し、永瀬が脱力する結果となっていた。
続く杉咲は「髪を切りすぎてしまう」ということをジャッジしてほしいという。これは「1つの役が終わるとさよならしようということで、切りたくなるんです。それでどんどん短くなるんです。うっかり刈り上げてしまうくらい」と説明。永瀬はこの第一印象として有罪を挙げ「短いって伸びひんからさ。伸ばしてほしい役が来たらさ、バーって伸びるわけじゃないからさ。もしかしたら今後、切り続けることによって……ってこともあるからさ」と、理由を話していたが、杉咲は「でもウイッグもあるからさ」と、“抵抗”を見せる。結果、あらためて判決を問うと、永瀬は無罪に変わっており「ウィッグってすごいからさ」と、あっさりウィッグの効果を認めて場内爆笑の展開に。
北村は「15時間ほどゲームをしてしまう」と自身のことを話していたが、永瀬は「1番勝手にしてほしい」と、先程言われたことをそのまま返していた。
そして永瀬から「3人それぞれが抱えているものもありつつ、各々の信念、正義感を貫き通すことの難しさであったり、大切さが色濃く描かれていると思います。どの視点からみても、違った考えが生まれると思います。何回見ても、正義感は何かと見つめ直させてくれる映画になっていると思います」と、メッセージを寄せるとともに、客席に向かって「法廷遊戯!」とコールすると観客たちが「開廷!」とレスポンスして華やかにイベントを終えていた。
映画『法廷遊戯』は11月10日より全国公開予定!
撮影・文:水華舞