“キンプリ”の愛称で親しまれているアイドルグループ『King & Prince』永瀬廉が5日、東京・丸の内TOEIで主演映画『法廷遊戯』(監督:深川栄洋/配給:東映)先行上映舞台あいさつに登場した。撮影の裏話が続々と語られ、集まった観客たちも聴き入るものとなった。
作家・五十嵐律人氏が現役司法修習生時代に刊行した同名法廷ミステリー小説が原作。永瀬は、ロースクールに通い、法曹の道を目指す主人公の「セイギ」こと久我清義(きよよし)役を演じ、ほか、美鈴役に杉咲花、馨役に北村匠海らが出演。「無辜(むこ)ゲーム」と呼ばれる裁判ゲームで実際に起こった殺人事件をきっかけに、3人の仮面の裏に隠された真実が暴かれてゆく。
上映後、拍手に迎えられるなか現れた永瀬。司会から三連休の最終日の舞台あいさつと伝えられ、「三連休だったんすか、世の中?いい締めになるんじゃないかなって思います」と、調子良く返したり、本イベントが全国119館に同時生中継されていることが伝えられると「しかも全国で流れているんですよね!?やば!すご!」と、カメラを指さして楽しげに話した。
上映後、拍手に迎えられるなか、マイクが音が出るかぽんぽんと叩きながら現れた永瀬。司会から三連休の最終日の舞台あいさつと伝えられ、「三連休だったんですね、世の中?三連休で最後に意識したの山の日ですよ。どういう日なんやろうって。もしかしたら、三連休いい締めになるんじゃないかなって思います」と、調子良く返したり、本イベントが全国119館に同時生中継されていることが伝えられると「しかも全国で流れているんですよね!?119館×200人くらいって、やば!すご!嬉しいです。きょうは楽しんでもらえたら」と、カメラを指さす姿が。
セイギを演じるにあたり、「過去にすごいいろいろなことを抱えてて、いろいろ紐解かれていくじゃないですか、流れとか原作を読んでみて、美玲とか馨との距離感が大事だと感じたことを覚えています。弁護士だから、セリフもどうなんやろ、難しそうというのもありました。役作りのうえで、裁判の傍聴も行きたいなと思っていましたね」と、気合の入ったものだったそう。
撮影のことに話題が移り、クランクインは、「僕が一番最初でした。僕だけのシーンで、お墓参りのシーンでしたね。たしか」と、振り返る。「スーツ着てたんですけど、いま思い出したんですけど、チャックが開いていたんです(苦笑)。現地につく前ですよ。あれっ!?って、危なかったです(笑)。『クランクインでーす』と迎えてもらった瞬間チャック開いているところでしたよ(笑)。それは避けられてよかったです。でも、スーツは(チャック閉めるの)忘れますよね。忘れがちです」とのエピソードが。
なぜチャックを閉めるのを忘れがちなのかへは、「私服でチャックのあるパンツじゃなくて、俺、いつもボタンタイプなんです。(チャックを)閉めるの大変やから。チャックの部分になっているところを、外さずに脱いだり着たりとかしてるんですよ。もちろん、抜きづらいですけど(笑)。ボタンをわざわざチャックのために外してつけてっていうのがちょっとめんどくさいので」と、私服が普段チャックのあるものではなくボタン式のものだからだそうで、チャックの「上げグセと下げグセがないので」というものだそうだ。
今度はクランクアップ。クランクアップは高校生時代(※編集部脚注・イベントで永瀬さんは「中学生のシーン」と言っていましたが、本編では高校時代)を演じたシーンだったといい、「電車のシーンで、車両を貸し切ってやらせてもらって、ほかの電車の兼ね合いもあって、ミスれない状況で。時間がなくなっちゃうから、クランクアップが伸びるか、撮り切って行くしかないかというシーンで結構ヒリヒリしていて。もう1回やり直してみたら、すべてのみなさんのスケジュールとか合わせなきゃいけないから、大変ですもん」と、追い込まれていたのだそうだ。
印象的な撮影シーンへは「無辜(むこ)ゲーム」の行われる洞窟を挙げる永瀬。「太陽とか見えないから、今が昼なのか夜なのかわからんかったり、めちゃめちゃ寒かったですし、息が白かったり。どこを歩いてても同じような景色なんで、精神的にウッとなるところがあって。でも、そこはキャストのみなさんと乗り切れたなっていうのはありますね」と、肉体的にも精神的にもつらいものが合ったそう。
しかし、その洞窟での撮影はつらいものだけではなかったようで、「僕がまだ出てないシーンの撮影が押してて、支度部屋で待ってたんですけど、その時の待ってる間に見た夜空の星の綺麗さを忘れられなかったです。めっちゃ綺麗だった。感動しましたね。写真撮りました。 なんか芝生の坂道があったので、そこに寝転びながらおにぎり食べて、星見てました。みんな緊迫したセリフを言っているなか癒やされていましたね」と、いい思い出になったようだ。
共演の杉咲と北村の話題に。「花ちゃんは“初めまして”でしたけど、いろんな作品とか観させて頂いて、ちゃんとお芝居できるの嬉しいって。匠海くんって3、4年ぶりの共演でした。あんまり再共演っていう経験がなかったので、そのときもがっつり作品を一緒に作ったことなくて。会った時に、全然昔と変わってなくて、昔の関係性にすぐ戻れましたし、何も変わってなくてすごい安心しましたね」と、振り返る。
さらに杉咲へは、「和気あいあいと喋ってるんですけど、それこそ美鈴との接見室でのシーンは、美鈴が感情をぶつけてくるシーンなんで、ま、そこは何も言わず、もうお互いの空気感を感じて。待ち時間はずっとお互い距離を取りながら、いいバランスを見ながらやったりとかしてましたね。結構日を増すごとに、そういう部分の阿吽の呼吸というか、分かるなってきたんで、そこは撮影の醍醐味やなって思いながらやってましたね」と、呼吸が読める部分まで演技ができたそう。
一方、北村との撮影は「妙に匠海くんの雰囲気とか、ご本人が持ち合わせてる空気感とかも含め、馨にハマってるなというか。初めてお芝居で出た時も、もうすでにやっぱ馨として見てたというか。学校内で喋ってるシーンとかは、あの姿こそが本来の馨と清義の姿なわけで。そういう部分も、匠海くんと俺の普段の関係性があったから、よりすんなりできたなという手応えがありましたね」と、普段の関係性が反映されているシーンもあるそうだ。
そんな北村との撮影期間が5日ほどで、一緒に撮影したのも3、4日だったそうで「その時間は濃い時間で、もっとガッツリやって刺激を受けたかった」と言いつつ、もし今後共演することがあれば、「前の作品も今回も友達という感じでしたし、匠海くんと遊んだときに格闘ゲームでボコボコにされて悔しかったんです。僕もゲームうまい方ですけど、力及ばずで。ですので、作品でバッチバチに殴り合って、ボッコボコにしたいです。やっつけてやりたい」と、気持ちを明かしていた。
ほかにも、深川監督が現場で思い浮かんだことを撮影してみる監督だそうで「大森南朋さんから、汁入りのカップラーメンをかけられるシーン。セイギからしたら知らないオジサンがいるわけです、後ろ見たら急に話しかけられて、怖いという状況でお芝居をしていたんですけど、『そこは全然出さなくていいよ』と言われたりして」と、調整していった話や、美鈴と馨に対して「2人にとって、自分の持っているものを貫き通しながら、2人に愛のある選択をと思って、そこはずごいずっと一貫して」と、演じるうえでの芯になるものも通したそうだ。
また、永瀬が所属している『King & Prince』といえば、本作主題歌『愛し生きること』を担当している。「1回録り直ししたんです。そのときの音源を聴かせてもらったんですけど、シンプルに歌い方も含めてもう一回やり直したいというのもありましたし、主題歌って、こういうトーンの作品って、笑って楽しく歌うような曲でも作品でもないので、より僕の息遣いとかがすごい繊細に より聴こえてくる楽曲でもあって。やっぱり1回目より2回目の方が歌い慣れてるし、聴き慣れてるしってのもあって、時間を作って頂いて歌い直しましたね。まだ行けるなと思って。まだ、よりこの歌で『法廷遊戯』という作品をさらに良くできるなって余白が見えたので。落ちサビとかも含めて、自分の声とかの 表現とかっていうのがだいぶ生きてくる曲だったので、普段は言わないんですけど、『もう1回やらせてください』ってお願いしましたね」と、こだわりを語った。
この楽曲の話題にあわせて、イベント内では、現在『King & Prince』が『LIVE TOUR 2023~ピース~』で全国を周っていることにあわせ、『愛し生きること』を、ツアーの新潟公演前に特別に撮影した歌唱映像『LIVE TOUR 2023~ピース~STAGE Ver.』を、場内で初上映。作品の結末を優しく包み込むような楽曲を歌い上げる様子が映し出され場内には拍手であふれる。
この撮影は「ライブ前だったので、入り時間がちょっと早くなりました(笑)」と話していたが、映像を観て「なんかいい歌っすね」と、出来にニッコリ。「ライブのスタッフさんも、この曲のためだけに準備してくださって、映像も照明も用意してくださって。幻想的で感動的な雰囲気に仕上げてくださっていて、より感謝が強くなりました。素敵なものをありがとうございます」と、スタッフにもお礼を言っていた。
ちなみに、永瀬もこの日初めてこの映像を見たそうで「嬉しかったです。とてもいい感じにしてくださって。落ちサビのいいところで紙吹雪が来て、いやー最高でした。感動しました。演出のステージングは振付師さんと相談しました。ここのタイミングまでは、その場で歌って、ここでこうしようかというのは、(髙橋)海人と俺と振付師さんと相談して決めました。ちょっと早くというか、1、2時間以上のだいぶ早く入りましたけど、それ以上のものを作って頂いて、協力して頂いたので、ありがとうございますという気持ちしかないです。『法廷遊戯』という作品で出逢えた曲ですので、大切にしていきたいと思っています」と、あらためて厚い感謝していた。
そして、「ようやく公開が近づいてきたなというスタートの感じがしています。そういう意味でワクワクしてるんです。もうあと5日、6日?5、4、3(笑)。きょう5日だから5日か。みなさんの元に届けられるって、ワクワクしますね」と、封切りを自身も楽しみにしている様子を見せつつ、「もうすぐ『法廷遊戯』という作品がみなさんのもとに届きます。自分の持っている正義感とはなにかというところから始まって、それを貫く難しさ、苦しさは共感できる部分があると思います。僕も考えたことがなかった、自分の正義ってなんだろうって。みなさんに問いかけている部分や余白をだいぶ残していると思います。それと何より僕たちの主題歌によってより救いのあるというか、最後の1秒まで見逃せないものになっているんじゃないかなと思います。観終わった後に感想を言ってもらえれば」と、呼びかけていた。
ほか、イベント中盤には、司会と永瀬の2人でのイベントだったため、永瀬が司会の方を向いてしゃべったため、配信のカメラなどの方に向かず、司会からカメラの方向を見てしゃべるようにと促され「すいません!ごめんなさいね、前を向いてしゃべります」と言いつつ、その後、話が白熱するとどうしても司会の方を向いてしまう、生真面目な一面を見せることも。
さらには、全国の劇場向けの生配信の時間が残り2分しかないという状況が伝えられ司会が「レトルトのカレーも2分では温まらない状況です」というと永瀬は「どうしよう」と、素直に返して笑いを誘い、結果20秒ほど余らせ「上手じゃなかったですか?バッチリですよね」と、得意顔。そんなやりとりをしている間に残り5秒となり「またねー!」と、しっかり手を振る。ここで司会が「こういうの時間がオーバーすると全国の劇場から『困りますよ!』って連絡がくることがあるんです」というと永瀬は「よかった!東映さんを困らせないで。気持ちいいわ」と、安どしていた。
最後は観客たちをバックに記念撮影するものとなったが、撮影が終わると観客たちの方を向くと、照明が暑かったのか、両腕をまくってから、ニコニコと手を振ってファンサービスしていた。
映画『法廷遊戯』は10日より公開予定!
撮影・文:水華舞