『五感で感じる!ウェルネスツーリズムツアー』プレス向けのツアーが10月下旬、奈良・橿原市で開催。橿原市の中部、江戸時代の古き良き町並みが残る今井町を歩いた。
コロナ禍以降、旅先での新しい発見、体験、自己啓発をして心も体もリフレッシュする『ウェルネスツーリズム』が注目を浴びている。
今回訪れた橿原(かしはら)市は、奈良盆地の南部にある。日本最古の正史として知られる『日本書紀』には約2680年前、後の神武天皇が『橿原宮』を創建し、第一代天皇として即位された場所としても知られていたり、平城京ができる前の政治の中心地である藤原京もあり、“日本のはじまり”ともいえる場所だ。そんな橿原で日本のルーツとともに、畝傍山・天香具山・耳成山の大和三山を眺めながら、心も体もリフレッシュできるようなスポットを紹介していくというツアー。
今井町は、1993年には文化庁による、住民が暮らしながら伝統的建造物群を保存する『重要伝統的建造物群保存地区』に指定されている。それだけに、街を歩いていると、現地に住んでいる方とすれ違うこともしばしば。
一歩足を踏み入れるとタイムスリップしたような気分にもなる今井町だが、このロケーションを生かして時代劇や映画のロケ地にもなっている。
今井町の中央を走る中町筋の北側、“どっしり”という印象の旧米谷家住宅は、2015年の朝の連続テレビ小説『あさが来た』をはじめ、21年公開の尾上松也×『ももいろクローバーZ』百田夏菜子共演の映画『すくってごらん』、中庭の井戸や竈部分などは、2021年公開の映画『るろうに剣心 最終章 The Final』のロケ地になっている。
さらに、旧米谷家住宅の隣、今井景観支援センターも今年3月17日に公開されたアイドルグループ『Snow Man』目黒蓮主演の映画『わたしの幸せな結婚』のロケ地。呉服店『すずしま屋』のシーンで使われたという。スタッフの方に尋ねると、公開前の2月から聖地巡礼をしに来る方がいたのだとか。ちなみに、取材に訪れた日も聖地巡礼をしに来た方がいたそうで、スタッフの方たちもその熱意に驚きが日々更新されているそう。
そんな隣り合った建物で、“一石四鳥”なさまざまな聖地を巡ったような気持ちにもなれるポイントにもなっている。
『わたしの幸せな結婚』のロケ地は今井町内に、もう1つ。中心地にある今井まちや館とその前の本町筋でも撮影が行われたそうで、そちらを巡ったり、キャスト・スタッフの休憩場所に使われた建物も人気なのだそうだ。
橿原市側のスタッフも『わたしの幸せな結婚』の聖地巡礼マップを制作しアピールに力を入れている。ほかにも、今井町内にある『cafe たまゆら』では、聖地巡礼に来た方の記念にと、推し活ドリンクメニューを制作。目黒のイメージカラーである黒をはじめ、『Snow Man』を彷彿とさせるような色のドリンクを用意しており、立ち寄った方がこのドリンクと一緒に記念撮影したりと、ちょっとした経済効果も起こしているようだった。
そんなロケ地めぐり以外でも、今井町の西の端にある紙半(かみはん)豊田記念館では、豪商だった豊田家歴代当主の集めた約4000点のコレクションが楽しめる。画家・伊藤若冲の絵が飾っていたかと思えば、1700年代のオーダーメードの江戸城下の地図、江戸城内の地図など、豊田家が相当に大名の信頼を得ていたことが窺える品々が展示しており、公共の博物館などとは一味違った趣きで楽しめるスポットもある。
■旧米谷家住宅
場所:今井町1丁目10番11号
営業時間:午前9時~午後5時(但し12時~1時は閉館)
閉館日:年末年始(12月25日~1月5日)
入館:無料
■紙半 豊田記念館
場所:奈良県橿原市今井町3丁目9番11号