俳優・黒木華が25日、東京・パルテノン多摩で「第15回 TAMA映画賞」授賞式に最優秀女優賞を受賞したことから登壇した。
『TAMA CINEMA FORUM』が毎秋に開催している東京・多摩市民がつくる映画ファンの祭典の一環として『TAMA映画賞』を開催。作品及び監督・キャスト・スタッフを対象に、市民ボランティアの実行委員が選考し、「明日への元気を与えてくれる・夢をみせてくれる活力溢れる＜いきのいい＞作品・監督・俳優」を、映画ファンの立場から感謝をこめて表彰するイベントとなっている。
黒木は『せかいのおきく』『ヴィレッジ』『映画 イチケイのカラス』『ほつれる』が選考対象に選ばれ本年度最も心に残った女優を表彰する最優秀女優賞を受賞。『せかいのおきく』の評価として「凛とした所作が美しい武家の娘であり、気っぷがよいおきゃんな娘でもある『おきく』の創出により、爽やかな青春ドラマに昇華させた」との受賞理由となっている。
黒の和装で登場した黒木。今回の受賞へ「大変嬉しく思います」と笑みが浮かび、「本当にいろんな映画に参加させていただくことができて、すごく幸せな毎日を過ごしていたなと」と、さまざまな作品のことを思い浮かべる。
『せかいのおきく』へは「阪本順治監督が関西人というのがありすごく雰囲気よくといいますか、すごく温かい雰囲気で楽しくて」と、明るい雰囲気を窺わせることに。
便所の肥やしを汲んで狭い路地を駆ける中次（寛一郎）との恋を描く作品だけに、撮影中には「うんちの出来について毎日喋ってました（笑）。“これちゃうんちゃうかな？”とか、“もうちょっとこうした方がいいんちゃうか”とか」と、ならではのエピソードもあったそうだ。
恋をして恥ずかしげにゴロゴロするシーンもあるそうだが、「やっぱ恥ずかしがってる、ゴロゴロするっていうのが、自分がもう年的に恥ずかしくて……どうなんだろうか33歳が転がって喜ぶかなって思ったんですけど、その所作だったりに、おきくの愛らしさというものがこう含まれていると感じてやりました」と、思い切り行ったそうだ。
阪本順治監督も駆けつけた
会場にはサプライズで坂本監督も花束を手に駆けつけることに。「主演の黒木華が頂いたっていうことは、私が頂いたのも同然ということで来ました」と軽口を叩いて、笑いを誘って撮影の雰囲気を窺わせるとともに、「あの現場、関西弁を使うこともあったし、たまに（黒木に）タメ口をきかれるし、とっても楽しい現場でした」と、黒木の坂本監督へのタメ口を暴露してさらなる笑いを誘う。
そうした後に、坂本監督は黒木へ「彼女の才能」として、仕草やお辞儀の仕方、足音などをクローズアップするシーンへ「そんときにカットをかけたんくないっていうか」と、聴き入らせるほどのものがあったそうだ。
そして今後へは、黒木から「変わらず、目の前にあるものがあれば、それを一生懸命やっていきたいなと思います」と、意気込んでいた。
