女優・花總まり(44)、松下優也(27)らが14日、都内でミュージカル「『ロマーレ』~ロマを生き抜いた女カルメン~」(演出・振付:謝珠栄)制作発表会見を開いた。
19世紀に作家・メリメ氏が生み出した作品『カルメン』をベースに、1830年のスペイン・セビリアを舞台にカルメンがロマ族として、当時の社会でどのように生き抜いてきたか、小説、オペラでは表現されていない部分までを描く。
会見でまずは2曲が披露。1曲目は舞台冒頭で歌われる『流浪の民』を花總、伊礼彼方、KENTARO、太田基裕、福井晶一、団時朗で歌い、抑圧された民たちの様子がしっかりと。2曲目は松下と花總の『すれ違う心』で、2人の切なげな視線とともに極上のハーモニーを奏でた。
花總は1999年に宝塚歌劇団時代に謝氏演出の『激情~ホセとカルメン~』でカルメン役を演じており、実に19年ぶりのカルメンを演じる。この日も透き通るような玉の肌の背中と胸元がバックリ開いた衣装で登場し、「役としては2度目のカルメンです。以前のときも謝先生のもとでした。お話を伺いながら自分がカルメンを作っていくのが楽しみです。深く深くカルメンを作っていければ」と、意気込み。
階級を越え、愛を貫き通したホセ役を演じる松下は、けいこの様子について「1日目から謝先生が飛ばして飛ばしているので、これから面白い展開になっていくんじゃないかと思っています。僕もこの中だとなかなか若くはなりますけど、若いパワーで頑張りたいと思います」と、気合を入れる。きょうの花總を見ての感想も求めると、「ビジュアルの撮影後も会ったんですけど初めて観て、稽古場のときとぜんぜん違うと思って」と、目を奪われていたようだった。
一方、伊礼は「役者史上初めてヒゲを生やしました。本作ではドスケベな中尉役を演じています。僕はヒーローからヒールにシフトチェンジしていってみなさまのお力になれればと思います。生理的嫌悪感を感じてもらえるような役作りに励んでいきたいと思います」と、カラリと話し、場内を盛り上げたり、団も「謎の老人役ですけど謎の老人じゃ可哀想なのでドンタコスとでも呼んでもらえれば(笑)」と、お茶目な発言で爆笑をさらうことも。太田は金が入った白地の制服衣装に「少し恥ずかしいです」と、和気あいあいな雰囲気が分かるものとなっていた。
さらに花總と松下へはお互いの印象はどうかという質問も。松下は「カルメンのときは、普段の花總さんとまったく違うっていう感じがしますね。普段の花總さんはちょっと分からない部分というか謎な部分もあるんです。毒っけみたいなのがあるのかなとかが分からなくて」と、見えてない部分もあるという。
すると花總も、「私からもよくわからないんですよ。お芝居でやるときに目をじっと見えるんですけど直視できない自分がいて……。私も探っているんです。でも、思ったよりも、すごく繊細な気はしますね……分からないですけど」と、直感を口にしていた。
見どころへ花總は「すべてが見どころすべてが魅力と思っています。いい意味で期待も裏切りたいです」と、コメントし、松下も「ホセは情熱的なところとかが魅力じゃないかと思いますので僕はカルメンに対して情熱を持って演じたいと思います。見どころはいっぱあると思うのでここと一言で表せないですけど、そうですね……全部です(笑)」と、アピールしていた。
ミュージカル「『ロマーレ』~ロマを生き抜いた女カルメン~」東京公演は3月23日から4月8日まで東京芸術劇場プレイハウスにて、大阪公演は4月11日から21日まで梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて上演!