タレント・出川哲朗が還暦を迎えることを記念した企画『男・出川哲朗 還暦祭り in 横浜アリーナ』が14日、神奈川・横浜アリーナで開催。
有吉弘行、飯尾和樹(ずん)、いとうあさこ、ウッチャンナンチャン、狩野英孝、さまぁ~ず、三四郎、ダチョウ倶楽部、『ロンドンブーツ1号2号』田村淳、ダンス☆マン、土田晃之、ナイツ、ナインティナイン、『ロッチ』中岡創一、バカリズム、『ネプチューン』堀内健らが駆け付け、1万2000人の観客とともに、出川の還暦をお祝いすることに。なお、出川はイベントの中身をほとんど知らずにステージに立つものとなっている。
■以下、公式レポート部分
本イベントのきっかけは、昨年2月に放送された『オールナイトニッポン55周年記念 ウッチャンナンチャンのオールナイトニッポン』に出川がゲスト出演した際に、内村が開催したいと発言したことから。その後、6月放送の特別番組『内村光良のオールナイトニッポンGOLD』にて、日程と「横浜市内のどこかで開催」という情報のみが発表されていた。そして、8月放送の特別番組『出川哲朗のオールナイトニッポン』にて、出川本人も知らなかったイベントの会場が「横浜アリーナ」であることが初めて明かされただけでなく、豪華出演者も発表、同時にチケット最速先行販売がスタートし、多くの反響を呼んでいた。
そして迎えた本番当日。本編開始前の前説は三四郎が務めた。「ニッポン放送に一番貢献しているのに前説……!?」と不服そうなコメントからスタートするのだが、気を取り直して「元気ですか~!?」「横浜~?」「アリーナー!」「出川~?」「哲朗~!」などコール&レスポンスで会場を温め、いよいよイベントが開幕した。
総合司会の内村光良、大会委員長の南原清隆の2人が、ファンファーレが鳴り響く会場に登場すると、大歓声が巻き起こった。「たった1人の男の還暦祝いのために集まってくださって、本当にありがとうございます!」と集まった観客にお礼を述べた2人。そんな2人は出川とは40年来の仲で、「ここ、横浜で出会って40年。感慨深い…!」と記念すべき日を祝えたことを喜んだ。
そしていよいよ、本日の主役を呼び込むことに。観客の呼び声に応えて登場した出川は、直前まで冠番組『出川哲朗の充電させてもらえませんか?』(テレビ東京)のロケを行っていたということで、電動バイクにまたがり、スイカメットを被った姿。テーマソング「さすらい」に乗せてステージ外周を巡り、集まった観客に何度も何度も「ありがとう」と声をかけた。
開始早々にも関わらず、感極まって泣きそうな出川。メインステージに到着すると、すかさずウッチャンナンチャンの2人に抱き着いた。「お客さんが来てくれるか心配で心配で…」とこの日を迎えるまで不安が募っていたそうで、「でも1万2000人が待ってくれていると思って頑張ってきました!」と言い、改めて観客に感謝を伝えた。
続いて、所属事務所の後輩であるバカリズムといとうあさこも登場し、いよいよ開会宣言に。その開会宣言は堀内健が担当することになったのだが、登場した彼は「大好きな出川さんのために近所のスーパーで買ってきました」というグレーのスウェット姿。独特な自己紹介から始まり、「出川さんのために手紙を書いてきました」とポケットから取り出したのはチラシ。その裏側に書かれた手紙の内容も「ご飯を食べるときにチョモチョモ食べるところが好き、ショートメールしかできないところが好き、汚い車と財布をずっと使っているところが好き」など、独特な誉め言葉だったのだが、芸人仲間にとっては“出川あるある”だったそうで、ウッチャンナンチャンやバカリズムは「確かに!」と爆笑していた。
そんな堀内の「男・出川哲朗還暦祭り、開会します!」との宣言で、イベントが無事に開幕。企画のトップバッター、狩野英孝が登場した。シンガーソングライター50TAとして金色衣装で登場した狩野は、「PERFECT LOVE」を大熱唱。この衣装はこのイベントのためにテレビ局からわざわざ借りてきたものだそうで、さらに歌詞は出川に贈るオリジナルバージョンで披露。「男子!女子!」というオリジナル歌詞の部分が「出川!」になっており、集まったファンの「出川!」という声が会場に響き渡った。
続いては、ナイツによる漫才。出川のことを「ヤホーで調べてきました」と塙宣之のお決まりの言葉で始まり、「元プロ野球選手・宮本和知と生年月日が同じ」ということで、そこからだんだん宮本の紹介になっていく…などのお決まりの内容で、観客を爆笑の渦に巻き込んだ。
出川も大笑いしていたのだが、内村が「何が面白かった?」と聞くと「男はヤバいよとか…」と口ごもったことで、「あんまり覚えてないの?」「ついさっきの話なのに?」と責められる出川。それに対して「忙しいのに俺専用のネタを作ってくれたのが嬉しいの!具体的にどこが面白いとかじゃないのよ!」と弁明した。さらに、学生時代に出川が漫才をやっていたという話になり、その頃の相方が会場に来ていると言って、ステージと客席で漫才を披露しようとするのだが上手くいかず、会場の笑いを誘った。
さらに今回、「出川哲朗物語」と題し、出川の60年を内村の記憶で振り返るドラマを作成し、会場の大スクリーンで公開した。ナレーションを内村、出川役も内村、内村役はバカリズムが務めるという豪華キャスティングで、随所でドラマが放映された。第1話は、映画学校時代。身なりは矢沢永吉、さらに憧れのブルース・リーのように振る舞っていた出川を「面白い!」と思った内村は彼に声をかけ、「クラスで一番最初に仲良くなったのが出川くんだった」という約40年前の懐かしい思い出を振り返った。
続いてお祝いに駆けつけてくれたのは、さまぁ~ず。ステージ上から会場を見渡し、「ナニコレ!? やばくない!?」と三村。大竹も「今まで生きててよかったね。最高の誕生日プレゼントだね!」と出川にコメントを贈る。そんなさまぁ~ずに、出川は「リアルコントをやってほしい」とリクエスト。「そういうつもりで来ていない」と最初は拒否するさまぁ~ずだったが、出川のために久しぶりにネタを披露することになった。その際、「冬なのにさまぁ~ずです」という懐かしい挨拶も飛び出し、出川は「何年かぶりに見たよ!最高!」と感激。出川のお祝いダジャレなども披露され、出川は久しぶりの2人のコントを堪能した。
せっかくさまぁ~ずが来てくれたということで、出川、堀内、ロッチ中岡、飯尾和樹(ずん)、バカリズムも加えて大喜利コーナーに。「昨年、半年かけて改修工事を行った横浜アリーナ。誰も知らない改修内容は?」「還暦イベントで絶対言ってはいけない一言は?」「日本一チャラい劇団チャララ、どんな劇団?」などのお題に皆答えていくのだが、出川と中岡の解答のみポイントがもらえないという『内村プロデュース』を彷彿とさせる展開に、会場から大きな拍手が巻き起こった。
続いて、南原が「哲ちゃんをイメージして作りました!」という楽曲ライブへ。作曲を担当したダンス☆マンもサプライズで登場し、新曲「ナンバラバンバンバンII」を披露。さらに、かつて放送されていた番組『笑う犬の冒険』に登場した「はっぱ隊」の「YATTA!」の作曲もダンス☆マンが作曲したということで、久しぶりにステージでパフォーマンス。
南原、いとう、三四郎がはっぱ隊の姿で登場し、観客と一緒に踊って歌い盛り上げた。
ここで、残念ながら会場に来られなかった出川ゆかりの人物たちからメッセージが。岡田彰布監督&ビートたけしに扮した松村邦洋、さらに東京ヤクルトスワローズの村上宗隆からコメントが寄せられており、出川は「やばい!」を連発。「松ちゃんは親友だから、来られなかったのは残念だったけど…」「村上選手からとはまさか!嬉しい!」と目に涙を浮かべ、内村が「どっちに感動しているの?」と聞くと、「村上くん」と答え、「親友のコメントじゃないのかよ(笑)!」とツッコまれた。
続いて、太田プロオールスターズ・有吉弘行、ダチョウ倶楽部、土田晃之が登場。会場中が「リアクション芸」を期待する中。ステージ上には熱々のおでんが用意されるのだが、あまり嫌そうじゃない出川に対して「ちょっとは嫌がれよ!」「もう受け入れちゃってるじゃん!」と、出川の“リアクション芸慣れ”を指摘し、笑いを呼んだ。
気を取り直して「やりたくないよ~」という出川の代わりに他出演者たちが「じゃあ俺がやるよ」と次々に言い、最終的に「じゃあ俺が…」と手を挙げる出川に「どうぞどうぞ」と譲る、いつもの流れも客席は笑いの渦に。それに対し「ふざけんなよ!」と言って出川が地団太を踏むと、出演者&お客さんがジャンプするというダチョウ倶楽部のお決まりのネタを繰り広げるシーンもあり、有吉が「それ出川さんのじゃないからね!?」と笑いながらツッコみ。土田は「今ごろ、上島竜兵は悔しがっているでしょうね」と、戦友の上島さんを懐かしんだ。
そして、ダース・ベイダーのテーマと共に、熱湯風呂がセンターステージに君臨。「まさか横浜アリーナで!?」と驚く出川だが、さすがの状況把握能力で、ステージ上で生着替え。お決まりの「押すなよ!?」「押せよ!」の流れもあった後、なんと有吉、ダチョウ倶楽部、土田も一緒に熱湯風呂へ。全員がマイクを置き、ただおじさんたちが風呂に入る様子を見るだけという異様な空間に、内村が「これはどうやって収拾するんですか?」という言葉をきっかけに、会場に「白い雲のように」のイントロが流れ始め、そのまま全員で一緒に大熱唱し、爆笑のステージは感動へと変わった。
「出川哲朗物語」第2話に続き、再び、残念ながら会場に来られなかった出川ゆかりの人物たちからメッセージが届いた。キャイ~ン、江頭2時50分、田村淳からお祝いコメントVTRが到着するのだが、田村の背景に見覚えがあった出川は「怖い怖い怖い」と急に震えだす。実は田村はサプライズゲストとして会場に来ており、このVTRはリアルタイムで出川の楽屋前から撮られていたのだ。出川の楽屋に潜入し、荷物を漁ったり、勝手にスマホを覗き見たりと好き勝手する田村に、ステージの出川は「やめて~」と反応しきりだった。
続いてのゲストは、ナインティナイン。今回「出川さんの好きな歌を一緒に歌いたい」という要望でステージを展開した。その好きな歌とは、サザンオールスターズの「みんなのうた」。出川いわく「サザンのメンバーが個人活動するようになって、もうすぐ解散かと言われた時に、桑田佳祐さんがメンバーを集めて聞かせた曲。この曲があって、もう
一度一緒にやろうとなった」そう。さらに出川自身も「『劇団SHA・LA・LA』でウッチャンナンチャンが忙しくなって出られなくなった時、解散しようかという話になった。そんな時にこの曲を聴いていた」と思い入れある曲だと語った。
出川はナイナイと共にステージで高らかに歌い上げ、会場からはたくさんの拍手がおくられた。
最後のゲストコーナーは、ここまで進行を務めていたウッチャンナンチャンによるステージ。2人も久しぶりにコントを披露することになるのだが、懐かしい「日比谷線vs銀座線」のネタを令和バージョンにアレンジ。昔、お客さんとしてこのネタを見ていて「この2人は絶対に天下を取る!」と思ったという出川は感激。
さらにウッチャンナンチャンは、打ち上げで必ずやるイチかバチかの宴会芸を、お客さんの前で初披露。CHAGE and ASKAの「YAH YAH YAH」を内村が歌うと思ったら歌わない、でも最後の「YHA」だけ歌うというネタに、「凄い2人が、これだけ全力で、汗をかいて一生懸命やってくれるなんて!」と出川は大満足の表情を浮かべていた。
これでイベントの出し物は以上となり、エンディングに行こうとする内村に出川は「俺も歌いたい!」とワガママを。せっかくイベントグッズでYAZAWA風のタオルを作ったということで、「矢沢永吉を歌わないと追われない!」と駄々をこねる。
「出川さんの還暦祭りだからね」とその希望を受け入れ、イベントの最後を飾った企画は「出川哲朗スペシャルライブ」。「トラベリン・バス」を気持ち良さそうに歌うのだが、そう簡単に終わらせないのが田村の存在。ステージ2階までの通り道に落とし穴が用意しており、出川は見事に墜落。真っ白な矢沢風衣装を着用していたにも関わらずピンクの粉まみれになってしまい、「こんなのいらないって!」「花火が上がるって聞いていたのに、上がらねーじゃねえかよ!」とクレームを言うのだが、南原の「笑いの花火が上がったってことですね」との言葉に笑顔を浮かべた。
ピンクに染まったまま、火柱が立つステージ上で「止まらないHa~Ha」も披露。「私の大好きな地元、そしてウッチャンナンチャンと出会った横浜で還暦祝いできるのが本当に嬉しいです。これからもまだまだリアクション芸人を続けるつもりですが、60~70歳も近くなるとおじいちゃんっぽくなってしまいます。そんな時もかわいそうと思わず、笑ってくれると嬉しいです!会場に来てくれたお客さん、心からありがとうございました!」と最後に観客に向かってメッセージを送った。
そして服を脱いでパンツ姿でステージを去るという、最後まで出川らしさ満載だったイベントは、たくさんの笑いに包まれて幕を閉じた。
イベントの模様や出川本人の感想は、明後日1月16日(火)25時~27時に放送される特別番組『出川哲朗のオールナイトニッポン』の中でオンエアされる予定となっているので、是非お聴き逃しなく。