香取慎吾『テラヤマキャバレー』漆黒衣装!自身がどの作品にも「必死」と気づく

香取慎吾『テラヤマキャバレー』漆黒衣装!自身がどの作品にも「必死」と気づく4

 『新しい地図』香取慎吾が8日、東京・日生劇場で「Inspired by Shuji Terayama『テラヤマキャバレー』ぜんぶ素晴らしくて、くだらない。」(演出:デヴィッド・ルヴォー)ゲネプロを前に俳優・成河、伊礼彼方、村川絵梨、平間壮一、凪七瑠海、脚本を担当した池田亮氏、ルヴォー氏とともに報道陣の取材に応じた。

 劇作家・寺山修司を描いた作品。亡くなる前夜、寺山(香取)の前に「死」という登場人物が現れ、「死」と寺山の間で「日が昇るまでに、私(死)を感動させられる作品を作る猶予をあげよう」という取引が交わされる。寺山の残された命は、最後に作りたい作品は完成するのか……という物語。

 どこかおどろおどろしい個性的なメイクと衣装のキャストが並ぶなか、漆黒のコートが印象的な全身黒の重々しい衣装で登場した香取。「いつもの慎吾ちゃんとは少し違う様子で、この日生劇場の舞台に立っています」と、切り出す。

 「寺山修司さんが亡くなるお話です。このキャバレーのオーナーですが、寺山修司じゃなくなるときもあるんです。ときには香取慎吾になるようなときもあります。とっても不思議で、みんなとんでもない格好です(笑)。寺山修司の夢の中を池田さんが言葉で紡いでくれて、ルヴォーさんが僕ら1人1人に植え付けてくれました。けいこのなかで、だんだん……だんだん、この世界が好きになる自分がいました。1人でも多くの方に好きになっていた頂きたいです。日常では味わえない、エンターテインメントの楽しさ、夢の楽しさを、感じてもらえたらと思っています」と、意気込んだ。

 けいこの話題へ。「けいこは1月4日からほぼ毎日やっていました。そのなかで誕生日を迎えて、寺山修司さんと同じ年齢になりました」と不思議な縁を感じたという香取。「そんなに舞台の経験が多い方ではないので、『本当に毎日やるんだ』ってビックリしました。時間きっちりやって、すごく良い生活になりまして(笑)」と規則正しいものなったのだとか。

香取慎吾『テラヤマキャバレー』漆黒衣装!自身がどの作品にも「必死」と気づく5

 けいこの序盤でルヴォー氏からは「『キミはシャイなのかい?』と言われたんです。そこで初めてきづいたことがあって。僕はお芝居をする役者としてのときは、(ほかの共演者と)ワイワイ会話が弾んだりというのがあまりないままきたんです。そこで『シャイなのかい?』という問に対して、『シャイじゃないです、必死なんです』とお伝えしたんです。そこで、僕はいままで必死だったんだって」と、問われて気づいたことがあるという。

 その答えが見えた結果、「こういう舞台に向けてのときもそうですし、映像作品などでもギリギリまで台本を持っている方なんです。今回もギリギリまで持っていました。でもこの作品では、劇場入りしたときは、台本を持っていなかったんです。ここまで楽しくやりました」と、自身のなかでは相当早く台本を手放すことができたそうだ。

 そんな香取を見ながらルヴォー氏は、「役者としての香取慎吾さんを本当に尊敬しています。彼には人には無い恵まれた才能があって、それは、お客さんと一体化してつながることができることだと思います。この作品の内容は、寺山修司という役が客席と繋がらないといけないんです。舞台に立ったら、まず、『観客のみなさんと繋がってください』とお伝えしたんです。そうしたら、マジカルな魔法な世界を見せてくれて、これはいい作品になるなと感じました。物語の語り部として本当に素晴らしいと思っています。この物語を慎吾さんと一緒に作っていくという作業を楽しくやらせて頂きました」と、話していた。

 ほかにも、伊礼は台本を読んでもいまいち解釈がうまくいかなかったそうだが、通しでけいこをして理解が進むとともに熱量の高さに圧倒されたという話や、平間は、「正しい、間違っているなど人間がテーマになっているんだなって感じています。正しいだけが、すべてじゃないと感じています。最近、人間は完璧なものを求めがちではないかと感じているのですが、不完全だからこその深み、考えることでのコミュニケーションが広がって、人間がテーマになっていると感じています」と、感じたことを。さらに平間は「舞台上では、寺山さんになってしまえば良いんだと考えたんです。どうでもいいシーンでも、寺山さんが真剣に演じている目を見て愛が生まれたり、人間って素敵だなって感じるシーンがあって、熱量を感じられると思います」とアピールした。

 そして香取から「ルヴォーさんは怒らずに、笑顔でこっちの道じゃないと教えてくれました。池田さんが書いてく台本と言葉を意識しながら千秋楽まで迎えられればと思っています」と、本番へ向けての気持ちを話していた。

 「Inspired by Shuji Terayama『テラヤマキャバレー』ぜんぶ素晴らしくて、くだらない。」東京公演は9日から同29日まで日生劇場にて、大阪公演は2024年3月5日から同10日まで梅田芸術劇場メインホールにて上演予定!

香取慎吾『テラヤマキャバレー』漆黒衣装!自身がどの作品にも「必死」と気づく2

香取慎吾『テラヤマキャバレー』漆黒衣装!自身がどの作品にも「必死」と気づく1

香取慎吾『テラヤマキャバレー』漆黒衣装!自身がどの作品にも「必死」と気づく3

香取慎吾『テラヤマキャバレー』漆黒衣装!自身がどの作品にも「必死」と気づく6

香取慎吾『テラヤマキャバレー』漆黒衣装!自身がどの作品にも「必死」と気づく7

香取慎吾『テラヤマキャバレー』漆黒衣装!自身がどの作品にも「必死」と気づく8