俳優・錦戸亮が13日、東京・新宿ピカデリーで主演の日英合作映画『コットンテール』(監督:パトリック・ディキンソン/配給:ロングライド)特別先行上映イベントに俳優リリー・フランキー、木村多江、高梨臨、ディキンソン監督とともに登場した。
東京、イギリス・イングランドのウィンダミアが舞台。長年人生を共に歩んできた妻・明子(木村)に先立たれた兼三郎(リリー)は、明子の「イギリスのウィンダミア湖に遺灰を撒いて欲しい」という最後の願いを叶えるため、長らく疎遠だった息子の慧(錦戸)とその妻・さつき(高梨)たちとイギリスへと旅立つ。しかし、互いに長年のわだかまりを抱えた兼三郎と慧はことあるごとに衝突してしまう。さらに兼三郎には、慧に言えない明子とのもう1つの約束があり……という家族の愛と再生を紡ぎ上げたロードムービー仕立てのヒューマン・ドラマ。昨年開催された第18回ローマ国際映画祭で最優秀初長編作品賞を受賞している。
錦戸は「本日はお寒い中お越し頂いて」とあいさつしようとしたが、リリーから「きょうは(温度が)17度あったから暖かいと思うよ」と言い、錦戸は苦笑いながらに「さっき半袖で寒かったので」と話すなど、こうした部分にも突っ込めるほど相当に関係が良い様子を窺わせる。
その関係性はリリーの「亮ちゃん」呼びにも現れており、高梨にも「臨ちゃん」と下の名前で気さくな雰囲気で明日がバレンタインということで「亮ちゃんにチョコを持ってきた人がいたら僕が預かりますよ」といって2人で笑い合う様子も。
そんななか、錦戸は、撮影中のエピソードとして、「お米が好きで、1合だけ炊けるものがあるんです。毎晩夜に次の日の朝の分を作ってって。朝に炊きたてを食べて」と話していたが、ここでリリー&高梨が「昼も!」と声をあわせる。昼はおにぎりにしていたそうで、リリーは「たまにくれるんです。それがおかんみたいでした」といい笑いを誘う。
おにぎりをもらったパトリック監督も「錦戸亮さんのおにぎりがおいしくて」と日本語でお礼を伝え、錦戸もこれには「きょう、握ってくればよかったな」と、ちょっと後悔といった様子。そんなパトリック監督へ錦戸は「熱を帯びて演出されることもあって、それに応えるのに必死になるときもありました」と、振り返っていた。
さらに、リリーが錦戸の演技について触れることもあり「僕が演じる兼三郎は本当にダメなお父さんです。亮ちゃんは、ちゃんとした息子の役です。前から亮ちゃんの演技のファンで、いろんなことを吸収する姿も見ていて」と、共演を待ち望んでいたそうで、「この作品でも、キツイ嫁とかダメな父に囲まれたりしています(笑)。お仕事は初めてでしたけど、一緒に居やすくナチュラルに親子間は居られました」と話していた。錦戸もこれには「翻弄というか振り回される準備をして臨んだのですが、きっちり振り回してくれるんです」と、演技の相性も合うものだったようだ。
そして、パトリック監督からはイギリスのバレンタインではバラをプレゼントするということで、キャスト陣に1輪プレゼントされ、「観終わったときに、こんなバラを1本さして……」と言いかけたがその後のセリフがしっくり来なかったのか「いまのはなしで」と撤回しようとする。しかし、リリーは「今のは良かったよ」と感想を伝え、錦戸もその意見を容れて「みなさんもバラを一輪持って帰るような気持ちになってもらえると思います」と、温かい雰囲気でイベントを終えていた。
日英合作映画『コットンテール』は3月1日より公開予定!