歌舞伎俳優・中村獅童(45)が13日、東京・六本木のニコファーレで『ニコニコ超会議 2018』発表会に登場した。
4月28、29日に千葉・幕張メッセで開催される『ニコニコ超会議 2018』。そのなかで大型企画のひとつ『超歌舞伎』は2016年から上演され歌舞伎俳優とボーカロイドキャラクターの共演という全く新しい歌舞伎の形を実現していることでも話題となっている。
第3弾となる今回は、顔見世舞踊の大作『積恋雪関扉(つもるこいゆきせきのと)』に着想を得た新作『積思花顔競- 祝春超歌舞賑-(つもるおもいはなのかおみせ-またくるはるちょうかぶきのにぎわい-)』となる。こちらは、平安時代を舞台に、獅童初の悪人役となる惟喬親王(これたかしんのう)と、これに敵対する良岑安貞(よしみねやすさだ)の2役を演じる。
初音ミクも同様に、安貞の許嫁である小野初音姫(おののはつねひめ)と、白鷺の精霊の2役を演じ分けることとなる。このほか、磐萩の局役・中村蝶紫、秦大膳武虎(はたのだいぜんたけとら)役・澤村國矢に加え、ボーカロイドキャラクターである「鏡音リン」(かがみねりん)の出演が決定しており、同キャラクターが歌う楽曲『天樂(てんがく)』が今作の劇中曲に決定となった。
なお、「両面透過型多層空中像表示装置」の導入により、新たに透過ボード外でのミクの演出が実現。ミクが山車に乗って登場し、ステージ上を練り歩くことにもなる。
獅童は昨年のニコニコ超会議での公演前に肺腺がんと判明。その公表は公演後となり、獅童は「千本桜のときにみなさんがたくさんメッセージを書いてくださった心が本当に嬉しくて。勇気を頂いたおかげで病に打ち勝つことができたので、その恩返しとして、これまで舞台を休んでいましたし、すべてをこの超会議の歌舞伎にぶつけたいと思います」と、思いがあふれる。
さらに、去年の会場でのことへ「あそこの会場は5000人の会場ですから、最後に下がる前に『この光景を僕は目に焼き付けておきます!』という台本にないことを思わず言ってしまったんですけれど、もしかしたら、公演中はこれが最後の舞台になってしまうかもしれないというのが心のどこかにあったんです。でも、みなさんのご期待の眼差しであったりとかご声援ですよね。そういうのが大きな勇気につながったんですよね」と、万感の思いを口にすると、夏野剛氏をはじめ場内の観客からも「おかえりなさい!!」の大声援が飛び、獅童もこれにははにかんでいた。
そんな気合の入る獅童だが「もう年末くらいから(初音ミクが)おけいこを始めていまして。飲み込みが早いですよね」と、“相方”の成長を話していた。
「ぜひ幕張にお越し頂いて『超歌舞伎』を体感して頂けたら。魂を込めて演じさせていただきますので、当日はよろしくおねがいします!」と、呼びかけその場を後にした。