加藤シゲアキ、今村翔吾、小川哲 能登半島地震被災地支援企画『あえのがたり』始動

加藤シゲアキ、今村翔吾、小川哲 能登半島地震被災地支援企画『あえのがたり』始動4

3人の作家による企画が立ち上がった

 アイドルグループ『NEWS』で作家・加藤シゲアキ、今村翔吾氏、小川哲氏が2024年1月1日に発生した能登半島地震の被災地を支援する企画『あえのがたり』を始動させたことが4月20日に発表となった。

 2024年1月の直木賞選考会の夜に集まった3人の作家。同じ時代を生きてきた作家同士だからこそ、これまでに起きた災害や被災者の方々への共通の想いがあり、企画が立ち上がった。

 その手始めに4月22日発売の『小説現代』(講談社)5・6月号掲載予定の3人による企画始動座談会を掲載。なお、本日4月20日正午よりWeb『現代ビジネス』にて先行公開もされる。このWebでの公開へは、被災地の書店はいまだ復興半ばであることを鑑みたもの。あらゆる環境にある方にも平等に読んでいただけるようにという考えから、Webでの先行公開を決定したという経緯がある。

 座談会では、
 「この段階では、小説には何もできないかもしれません。でも、いつか物語が必要になる瞬間が来ると思うのです。そのときに傷ついている人たちにそっと寄り添えたりできる力が物語にはあると思っていて。年明けからずっと『自分に何ができるだろう』と考えていました」(加藤)

 「その忘却に対して何か小説家として抗えないかとも考えてしまいます。本というのはずっと残っていくものだし、だから短期的に注目を集めるというよりも(略)続けていくことが大事なんですよね」(小川氏)

 「僕も、作家として震災に関わったことがないから、どうすればいいのか、っていうのは思うね。(略)残していかなければならないと。本は、何十年経っても読まれるもんだから、『記憶のしおり』としてはすごくいいもんやと思う」(今村氏)

 など企画始動にあたっての、熱い想いを語っている。

 企画名である『あえのがたり』は、能登地方に伝わる伝統儀礼「あえのこと」から発想。能登地域の農家では『田の神様』を祀り、感謝をささげる儀礼を『あえのこと』という。「あえ=おもてなし」「こと=祭り」という意味を持つという。被災地の方に寄り添う思いを、物語という「あえ=おもてなし」にのせて届けようという意図からつけられた。石川県の伝統老舗旅館『和倉温泉 多田屋』も本企画に協力しており『あえのこと』の写真も掲載している。

 今後、3人を中心に、たくさんの作家の方々に参加を呼びかけ、掌編小説の執筆をお願いし、アンソロジーとして2024年内に書籍の刊行を目指している。刊行予定の書籍では、参加著者の印税相当額と講談社の売上を能登半島の復興支援に役立てていただけるよう寄付する予定となっている。

 なお、今回の発表にあわせて『あえのがたり』公式Xアカウント(@aenogatari)も開設となった。

 ■加藤シゲアキ近影
 撮影:羽田誠
 スタイリスト:十川ヒロコ
 ヘアメイク:KEIKO(Sublimation)
 アートディレクション:高倉健太(GLYPH Inc.)

加藤シゲアキ、今村翔吾、小川哲 能登半島地震被災地支援企画『あえのがたり』始動1

加藤シゲアキ近影

加藤シゲアキ、今村翔吾、小川哲 能登半島地震被災地支援企画『あえのがたり』始動2

今村翔吾近影

加藤シゲアキ、今村翔吾、小川哲 能登半島地震被災地支援企画『あえのがたり』始動3

小川哲近影