声優で歌手・土岐隼一が5月5日にKT Zepp Yokohamaでバースデーライブ『Shunichi Toki Birthday & 5th Anniversary Live』を開催した。
土岐のソロライブは昨年のバースデーライブ(土岐隼一Birthday Live2023「Glorious
World」)以来約1年ぶりとなっている。
以下、公式レポート部分。
1年ぶりとなるライブイベントだけに、ファンも開演が待ちきれないといった雰囲気のなか、モニターにOP映像が映し出されると大きな拍手と歓声が湧き起こる。オープニング曲は、ライブ初披露となる新曲「ENVY」。そのイントロが流れると、お客さんは総立ちとなり、早くも盛り上がる準備は万全。ステージに姿を表した土岐は、上下とも黒の衣装に身を包み、シックで大人びた雰囲気。しかしその表情はどこまでも優しく温かで、それが土岐ならではのギャップだろう。そんな柔和な表情から繰り出される抜群の歌唱力はこの日も圧巻で、いきなりファルセットで聴かせるなど、声優アーティスト界でもトップクラスと言われる歌唱力を存分に見せつける。
続けて間髪入れずに「Good For」。ギタリストと背中合わせとなって歌ったかと思えば、「もっともっと!」と観客のテンションを上げ、さらには足を高く上げるパフォーマンスを披露するなど、率先して会場を盛り上げようとする姿が印象的。かと思えば、次の「約束のOverture」ではステージ中央でじっくりと歌い上げ、豊かな表情と歌唱で聴かせるなど、楽曲ごとに異なる世界観を演出してくれるのが、土岐のライブの魅力だ。
ここで初めてのMC。土岐は、次の曲「半端なDistance」に向けての「コール&レスポンス練習コーナー」を提案。リズムを取るクラップと「フゥー」という掛け声をレクチャーし、その場で何度か練習をする。すると、しだいに会場が一体となっていく気持ちよさが味わえ、練習を経て臨んだ「半端なDistance」はまさに全員が協力して作り上げた一曲に。クラップによるゆったりとしたグルーブ感が心地よく、土岐の澄んだ歌声も合わさって、ここでしか味わえない多幸感に溢れたひとときとなった。さらに続く「Highway Love」では土岐の伸びやかな高音にウットリとしたあとは、ここまで立って応援し続けていたお客さんもいったん着席。「楽しかったー?」と明るく振る舞う土岐だったが、その直後、急にささやくような小声で「ワスレモノ」とタイトルコール。
椅子に座り、しっとりと「ワスレモノ」を歌い始める土岐。表情を映し出すステージのモニターも消え、照明も背後からのスポットライトのみ。観客はしだいに土岐の歌声だけに集中していく。ペンライトを振ることすら忘れ、目を閉じて土岐の歌声に聞き入っているファンもいたほどで、改めてその歌唱力、表現力の高さを感じた曲となった。そして、そんな雰囲気のまま次の楽曲「Home」へ。ここでも楽器編成はアコースティックで、土岐はステージ上の階段に座ったり、ステージをゆっくりと移動しながら歌うなど、これまでとは違う動きで観客の心を惹きつける。郷愁感と優しさ、温かみと、土岐の持ち味が存分に堪能できた一幕だった。
MCを挟み、再びお客さんはスタンドアップ。最新シングルとなる「SCIENCE」は、モニターにテレビアニメ『月刊モー想科学』の映像が映し出され、アニメの世界観とともに生の歌声が聴けるというなんとも贅沢な時間に。続いてはジャジーさを感じられるミディアムテンポのナンバー「original scenery」、レゲエのリズムを取り入れた「きっともっと」と、バラエティ豊かな楽曲が続く。トリッキーでテクニカルな楽曲が多いにも関わらず、完全に自分のものにして楽しそうに歌いこなす姿が印象的で、改めてアーティストとしてのポテンシャルの高さを感じる時間だった。次の新曲「Another Birthday」は、こちらもモニターにテレビアニメ『ループ7回目の悪役令嬢は、元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する』の映像が流れ、映像と音楽の一体感に酔いしれる。
ここからライブは佳境へ。続く「Adolescence」では間奏パートでバンドメンバーを紹介し、再び楽曲へと戻っていくなどとても凝った構成で、音楽を愛してやまない土岐のこだわりも感じられる。さらにここからは土岐自身もエレキギターを持ち出して演奏に参加。「KEY」、「Glorious World」Stand by Youth」と、3曲続けてギター演奏&歌唱を披露。
このスタイルは昨年のバースデーライブでも披露しているが、演奏技術、歌唱、表現力など、すべてのステージパフォーマンスが向上していて、観客のボルテージも自然と最高潮へと達していく。最後の曲となった「Stand by Youth」が終わると、客席からは「最高!」という声援も飛ぶなど、大満足のライブだった。
ファンからのアンコールの声に応えて再び登場した土岐は「Nonfictional」を熱唱。ひときわセクシーな歌声と表情で観客を魅了。ライブTシャツ姿に着替えてリラックスした雰囲気と歌声のギャップがとても土岐らしい。すっかりリラックスした土岐は、その後のグッズ紹介コーナーでヨーヨーの技を披露し、客席からは大きな歓声が沸き起こる一幕も。
しかし、ファンサービスはこれだけでは終わらなかった。バースデーライブのお約束となったサプライズイベントは今年も健在。昨年に引き続き、ステージ上に謎の着ぐるみが登場すると「お札のケーキ」をプレゼント。着ぐるみの正体は声優の後輩で仲良しの今井文也だった。観客も大歓声で今井を迎え、しばし気のおけない二人による仲良しトークが展開。こうして、楽しくもあっという間のライブもいよいよ本当に終わりの時間。最後を締めくくるのは、ファンとの絆を象徴した名曲「Time with you」。観客のひとりひとりと目を合わせるかのようにステージを端から端まで移動する土岐。最後、晴れやかな笑顔で深々とお辞儀をすると、割れんばかりの拍手が沸き起こった。
なお夜の部は、よりリラックスした雰囲気で進行。MCも自然と長くなり、「ダメだ、この話長くなっちゃう(笑)」と、自らストップする場面も。また夜の部のアンコール曲は「Party Jacker」。弾けんばかりの笑顔で「フォー!!」と叫び、ノリノリで楽しむ土岐の姿が印象的だった。またバースデーサプライズのゲスト出演は廣瀬大介。廣瀬が土岐にブレスレットをプレゼントすると、ファンからは「キャー!!」と大声援が上がるなど、ふたりの素敵な関係性に酔いしれたファンだった。
音楽性の高さと歌唱力の高さ、年々進化していくステージパフォーマンスが感じられたバースデーライブ。初の試みとなった「コール&レスポンス練習コーナー」などファン参加型の企画も楽しく、音楽そのものの魅力をたっぷりと感じられたライブとなった。今年12月21日にはクリスマスライブも開催されるなど、土岐のアーティストとしての勢いは増すばかり。今後も注目していきたい。
そのほか詳細はアーティスト公式HPにてご確認を。
■■土岐隼一バースデーライブ「Shunichi Toki Birthday & 5th Anniversary Live」
昼の部セットリスト
M01 ENVY
M02 Good For
M03 約束のOverture
M04 半端なDistance
M05 Highway Love
M06 ワスレモノ
M07 Home
M08 SCIENCE
M09 original scenery
M10 きっともっと
M11 Another Birthday
M12 Adolescence
M13 KEY
M14 Glorious World
M15 Stand by Youth
EN1 Nonfictional
EN2 Time with you
夜の部セットリスト
M01 ENVY
M02 Good For
M03 約束のOverture
M04 半端なDistance
M05 Highway Love
M06 ワスレモノ
M07 Home
M08 SCIENCE
M09 Original Scenery
M10 きっともっと
M11 Another Birthday
M12 Adolescence
M13 KEY
M14 Glorious World
M15 Stand by Youth
EN1 Party Jacker
EN2 Time with you