“ガッキー”の愛称で親しまれている俳優・新垣結衣、早瀬憩が5月9日に東京・TOHOシネマズ日比谷で映画『違国日記』(監督:瀬田なつき/配給:東京テアトル ショウゲート)完成披露上映会を夏帆、小宮山莉渚、瀬田監督とともに開いた。
本作は『さんかく窓の外側は夜』を手掛けている漫画家・ヤマシタトモコ氏が2023年6月まで6年間掲載していた同名漫画が原作。人見知りな小説家の高代槙生(新垣)と、その姪・田汲朝(早瀬)の同居譚を描いている。性格も年齢も異なるふたりの交流を軸に、他人との関わり合いや大人が抱える正直な悩みを鋭くも優しい視点で炙りだしていく。
ついに観客の目に触れる。新垣は満席の会場を見回し「すごく思い入れがあるんです。同時にすごく緊張もあります。こうして駆けつけてくれるのが嬉しいです」と、笑みを浮かべる。
早瀬は本舞台あいさつが人生初めての舞台あいさつだそうで、その直前には「結衣さんにすがりついていました。すごく緊張しています。でも、優しいお客さん方で、こんなに観てださる方がいるんだって感動しています」といい、新垣はそのコメントする早瀬を優しく見守る様子も。
撮影に臨むにあたって新垣は、「原作で描かれている槙生ちゃんの魅力は、どうにか体に落とし込んで、それを映画に落とし込んでと思っていました。クランクイン、クランクアップの瞬間まで、どういうふうに表現したらいいか悩んでいたというか考えていました」と、突き詰めていたそう。そんななかで、役を自分のなかに入れるために、「本番で“よーい”と言われたときに、原作の槙生ちゃんの姿を思い浮かべるようにしていて。そうするとスイッチが入るようなセリフをすっと言えるような気がして、今回はそういうアプローチでした」と、振り返っていた。
トーク中には新垣が早瀬と夏帆の会話となるとスッと一歩引く気遣いを見せたり、早瀬は小宮山と話が盛り上がりピースをしたりと和気あいあい。そんななか新垣は早瀬を“こーちゃん”と呼んでいるようで、「撮影2日目くらいでめちゃめちゃパーソナルに踏み込んだ話をした瞬間があって。それに、お芝居に関していまのどうだったかなって、2人で相談というか意見を聞くみたいな瞬間もあったり、すごく自由でした。一緒にいるときもあればいないときもありましたが、すごくナチュラルにその場にいることができて、いい関係を築けて信頼しています」と伝えると、2人でほほ笑みう。夏帆は撮影日数は少なかったそうだが、それだけに「2人に会うと浄化されるような気持ちになって」と、清々しい気持ちになったそうだ。
ほかにも、見どころとして、新垣は朝と槙生の海辺のシーンを挙げ「出演発表のコメントで、“出会えたことで世界が広がっていく心地よさを感じてもらえたら”というのがあったんです。まさにそのシーンがそうで、とても大事なシーンですので、できたら観て頂きたいです」とアピールしていた。
作品タイトルにちなんで行ってみたい場所や世界は?という質問も飛んだが、新垣は「昔から空を見るのが好きで、青空も曇りも星空も好きなんです。そこで、私たちがイラストや図形で見るような宇宙を見てみたいなって思うんです。実際に宇宙に出てみるものとすごい怖いだろうなって。自分がちっぽけに見えるだろうし、悩みどころだです(笑)。そんなファンタジーに見える、開けた世界は見てみたいなって」と、自由に想像。すると、夏帆がこの質問に「宇宙って言おうと思ってた(笑)」と言い出し、2人で「気が合うね」と笑い合っていた。
最後に早瀬は観客が笑顔を向けてくれるおかげで、緊張もほぐれたとニッコリ話し、新垣は「ぶつかることもあるかもしれないけど寄り添って日々を温かく大事に過ごすことができるという映画になってると思います。常の映画だなと思います。自分の物語でもあるし、すぐ隣りにいる人の物語でもあるなと思っています。ほっこりした気持ちで劇場を後にしてもらえたら」とのメッセージで締めくくっていた。
映画『違国日記』は6月7日より全国ロードショー予定!
取材・撮影:水華舞 (C)エッジライン/ニュースラウンジ