朗読劇『探偵ガリレオ』が5月18日に東京・恵比寿のEBiS303で開催され湯川学役の江口拓也、草薙俊平役の仲村宗悟らが熱演で魅せた。
東野圭吾のベストセラー小説シリーズが原作。「ガリレオ」の名で呼ばれる天才科学者湯川学が、その大学時代の友人であり、湯川の元へ難事件を持ち込む捜査一家の刑事の草薙俊平とともに事件の謎を解いていく物語となっている。
以下、昼公演公式レポート部分。
幕が上がり、壇上に現れたのは白衣をまとった湯川(江口拓也)とスーツ姿の草薙(仲村宗悟)。第一章『燃える』の物語は、湯川の元に草薙が世間を騒がせている焼死事件の解決の協力を仰ぎに来るところから始まります。事件の舞台は閑静な住宅街、とあるバス停のベンチでたむろしていた若者のうちの一人が突然頭から発火し焼死した……という不可解な事件が発生。
故意か、偶然の事故か。
故意であるならば、何がどう使われ、若者は死に至ったのか。解決の糸口を得るため、湯川に事件のあらましを語っていく草薙。謎に包まれた事件への不安感に、会場はシリアスな雰囲気に包まれます。この事件を解決するため繰り出した現場付近で、湯川と草薙は「赤い糸」を見たという少女に遭遇。さらに湯川は発話障害の青年【前島一之】(五十嵐山人)に目をつけますが……。
技術を駆使した精密かつ大胆なトリック、そして事件の行く末に、観客は息を呑んで聴き入ります。
続いて始まった第二章『転写る』。訪れた姪の学校の文化祭で、草薙は奇妙な「デスマスク」に出会います。「ゾンビのデスマスク」と銘打たれた、どこか死人を彷彿とさせるそれを眺めていると、【柿本良子】(山一茉希)という女性が切迫した様子で現れます。事情を聞けばその「ゾンビのデスマスク」の顔が、行方不明となっている彼女の兄・進一にそっくりだと言い……。
後日、マスクの型が拾われたある池の付近で柿本進一本人の死体が発見されたことを受け、事件を不可解に思い再び湯川を訪ねる草薙。死人の顔を模した精巧なマスクは、なぜ、どのように作られたのか。謎を残しながら、草薙は進一の妻・【柿本昌代】(重枝希呼)や進一の知り合いである【笹岡寛久】(関口滉人)に聞き取りを続けますが……。
超常的に思えるその事件を鮮やかに解決する湯川の頭脳に観客は惚れ惚れ。緊迫が解けた会場に明かりが灯り、朗読劇『探偵ガリレオ』の本編は終了しました。
本編終了後は2人が再びステージに登場し、アフタートークが開始。本編とは打って変わって軽快な雰囲気で始まったアフタートークでは、出演が決まった際のエピソードトークも。「頭の良さがバレてついに『探偵ガリレオ』の湯川役が来たかと思ったら草薙でした」と笑う仲村宗悟に対し、湯川を演じた江口拓也が「宗悟が草薙役と聞いて『面白い』と思った」とドラマ版の名台詞を引用し応え、会場から笑いが零れます。また、仲村は稽古時を「楽しかった」と振り返り、江口の役作りに言及。「パターンを変えて2通りの湯川を演じてくれた」と言う仲村に江口は、「【草薙】のアプローチに合わせていまの湯川」になった」と作中さながらの名バディを見せつけます。
さらに江口は物理を選択していたという高校時代を振り返り、「あの授業が今回の湯川を形成している」と述べると仲村からすかさず「つながっていないよ」とツッコミが。会場中がどっと沸き、聴きどころ満載のアフタートークは幕を閉じました。
最後の挨拶ではアンサンブルキャストの5名も改めて登壇。草薙俊平役・仲村宗悟が「このような素晴らしい脚本で朗読劇をすることが出来て幸せ、一生の思い出になる」と述べた後のち、湯川学役・江口拓也が「『探偵ガリレオ』という誰もが知っているという作品を、一から朗読劇として作るということが面白かった。ダブルキャストで演じているので、コントラストを感じてもらえたら嬉しい」と締め、本公演は幕を閉じました。
江口拓也・仲村宗悟が登壇する18日[昼の部・夜の部]の公演はRakuten TVにて、アフタートーク含めた全編を視聴いただける配信チケットを発売中。ぜひ配信で何度でも朗読劇『探偵ガリレオ』の世界をお楽しみください!
■朗読劇『探偵ガリレオ』公演概要
https://galileo-reading.jp/news/detail.php?id=1115812
※記事内画像は(c)東野圭吾・文藝春秋/エイベックス・ピクチャーズ株式会社