俳優・舘ひろし、柴田恭兵、浅野温子、仲村トオル、土屋太鳳、ベンガル、長谷部香苗が5月24日に東京・丸の内TOEIで映画『帰ってきた あぶない刑事』(監督:原廣利/配給:東映)初日舞台あいさつを原監督とともに開催した。
“あぶデカ”の略称でも親しまれ、1986年のテレビドラマ放映開始から37年。2016年公開の映画『さらば あぶない刑事』を“最後”に「サラバ」を告げていたタカ&ユージのバディが“ハマ”に帰ってきた。鷹山敏樹役・舘ひろし、“ユージ”こと大下勇次役・柴田恭兵、真山薫役・浅野温子、町田透役・仲村トオルのおなじみのメンバーも勢ぞろいしている。なぜ、復活を遂げたのか、定年を迎え、ニュージーランドで過ごしているはずのタカ&ユージの現在は……が、“あぶデカ”テイスト全開で描かれている。
以下、公式レポート部分・
上映後の熱気が漂う会場付近には早い時間からキャストの出待ちをするファンの姿や、場内にも多くの取材陣が詰めかけていた初日舞台挨拶。まずは舞台上に浅野温子、仲村トオル、土屋太鳳、ベンガル、長谷部香苗、原廣利監督らが登壇。
そして本作の主役、舘ひろし&柴田恭兵が客席の後方扉から颯爽と姿を現すと、会場からは大歓声と大きな拍手が湧き起こった。手を差し伸べるファンや、二人の名前を呼びかけるファンに対し、舘と柴田が笑顔を見せながら舞台上に登壇すると舞台挨拶がスタート。まずはキャストそれぞれから一言ずつ挨拶が行われた。
舘ひろし(鷹山敏樹 たかやま・としき役):「あぶない刑事」、帰ってきました。8年前に“さらば”と言ってまた帰ってくるという詐欺みたいな映画ですけれども…(笑)再び帰ってきました。新しいスタッフたちと、新しい「あぶ刑事」ができたと自負しています
柴田恭兵(大下勇次 おおした・ゆうじ役):皆さん、楽しかったですか?面白かったですか?かっこよかったですか?全力で走って全力でアクションをして、次の日全身の筋肉が攣ったこともありました(笑)でもやってよかったです。初日に駆けつけてくれた本物の「あぶ刑事」ファンの皆様、どうもありがとう!
浅野温子(真山薫 まやま・かおる役):今日は本当に楽しんでいただくことができて嬉しいです。何度も観返したり、お友達を劇場へ連れてきたりしてくれると嬉しいです。ありがとうございました!
仲村トオル(町田透 まちだ・とおる役):初日にご来場いただきありがとうございます。鷹山先輩と大下先輩の最終決戦に武器を届け続けて38年。町田透役の仲村です。本日はどうぞ宜しくお願いします!
土屋太鳳(永峰彩夏 ながみねあやか役):初日のご挨拶に参加させていただき光栄です。もし願いが叶うとしたら、私はもう一回「あぶ刑事」の世界に入りたいです。歩くだけのワンシーンでもいいので、「あぶ刑事」の撮影で、現場で呼吸したいです。叶わないのであれば、若い多くの俳優さん方に「あぶ刑事」の現場を体験して欲しいなと思います。一生の宝物になると思います。本当に素晴らしい現場でした!
ベンガル(田中文男 たなかふみお役):僕も(舘、柴田のように)客席の後ろから登場したかったんですが…スタッフに止められました(笑)映画が面白いと思った方は親や兄弟、親戚や友達など、いろんな方に広めてください。こうやってみんなと並んでいると、同窓会みたいな嬉しい気持ちになりますね。本日はありがとうございます!
長谷部香苗(山地瞳 やまじひとみ役):伝説のお二人が最強の4人となって、本作ではまた仕事を変えていたナカさんと一緒に帰ってきちゃいました。新しい「あぶ刑事」に参加させていただき嬉しいです。
原廣利(監督):本日はこんなにも熱量のあるお客さんと初日を迎えられて幸せです。今日は最後までごゆっくりどうぞお楽しみください!
前作から8年、本作の撮影からは1年半の時を経て、ついに公開初日を迎えた本作。舘ひろし&柴田恭兵は二人揃って数多くのインタビューや情報番組への出演もこなすなど、積極的にプロモーション活動をする姿も見られ公開前から大きな話題も集めていたが、舘と柴田は「映画はお客さんが入らないと意味がないので、今日はこんなにも大勢のお客さんが来ていただき、本当に心から嬉しいです」(舘)、「皆さんが今、舘さんの顔をうっとり見ていたのでよかったなと(笑)しみじみと思っています。今日は本当にありがとうございます」(柴田)と熱量あふれる客席を見つめながらそれぞれ想いをコメント。
一方の浅野も客席の熱量に触れながら、「『あぶない刑事』ファンの皆さんの熱量に圧倒されています。劇場の外もものすごい熱量で…、今まで(「あぶない刑事」シリーズ)の中で一番の盛り上がりじゃないですか?ただただ圧倒されて今日を迎えました、ありがとうございます!」と感謝の言葉を送った。さらに仲村も「すごいなぁ、嬉しいなぁという気持ちが両方ありますよね。38年前に始まった作品が、こうやってまた映画公開初日を迎えて、お客さんに観てもらえて…。その間にあったことを考えると、奇跡のような作品ですよね」と率直な心境を振り返っていた。
今回の舞台挨拶には、4名と同様にテレビシリーズから「あぶない刑事」に出演しているレギュラーキャストのベンガル、長谷部香苗も初登壇。8年ぶりに帰ってきた本作だが、ベンガルは「僕のシーンでは舘さんとの共演だけだったので、他のキャストと会う機会がなかったんです。なので今日はすごく嬉しいですね。現場ではずっと舘さんと二人きりで…、ラブシーンではないんですけどね」と懐かしい顔ぶれとの再会を喜んでいた。
一方、本作の撮影について「私が一番緊張したのは衣装合わせの時」と告白する長谷部。「『あぶない刑事』では毎回制服を着させていただいていますが、スタッフさんたちと初めて顔を合わせてご挨拶できた時に、その瞬間から“絶対大丈夫、この人たちとなら面白いものができる”と確信しました。捜査課での撮影の際にトオルさんとお会いした時も、“先週も撮影していたよね”というくらいの気持ちでした」とブランクを感じさせない現場だったことを明かしている。
本作のヒロインを務めた土屋太鳳。“タカとユージの娘かもしれない女性”というこれまでのシリーズにはない役どころを担っているが、MCから土屋に舘&柴田と撮影をする中で、二人に対し“父親のように感じた一面は?”という質問が。
この質問に土屋は「なんて表現したらいいんだろう…」と悩みながらも、「小さい頃、女の子ってお父さんに対して“大好き”って言う気持ちがあると思うんですが、成長していくにつれて“あれ、違うな?”って気持ちが変化していく時期があると思うんです。お父さんへの気持ちが変化する前の、憧れがある時の気持ち!(二人と接して)父が大好きだった頃の気持ちを思い出しました」と独特な表現でコメント。一生懸命絞り出したコメントに、会場からは思わず“かわいい!”という歓声も沸き起こる中、そんな土屋の言葉に舘は「僕ら(二人は)、全くタイプが違うもんね」と反応すると、思わず「そうですよね、本当に現場でも全然タイプが違って…」と頷く土屋。「柴田さんにご飯に連れて行っていただいて、“いろんな役をやりなさい”と言っていただいたその翌日に、舘さんからは“仕事は選びなさい”と言われて…(笑)どっちがいいんだろう?って思いながらも楽しく過ごしていました」と真逆なゆえに翻弄されることもあった様子を明かし、笑いを誘っていた。
そして最新作のメガホンを取ったのは、ドラマシリーズで監督を務めていた原隆仁氏の息子でもある、原廣利監督。母校でもある日本大学芸術学部で行われたティーチインや舞台挨拶など宣伝活動を通して、本作への反響についても身をもって感じていたという。「今日も朝イチから本作を観ていただいた方々のSNSの投稿を見ていたんですが、感想も“アクションがすごい”とか、“(キャストの)皆さんのやりとりが面白い”というコメントがたくさんあってよかったです」と反響の高さに驚きながらも安堵した様子を見せていた。
そのように監督が反響を振り返る通り、8年ぶりの最新作ということもあってか、舘&柴田には公開前から多数のメディアから取材依頼が殺到。二人は数多くのインタビューに出演し、イベントや舞台挨拶にも登壇。この宣伝期間を通して、二人が共に過ごした時間は100時間以上にものぼるという。これには舘も「もはや夫婦だよね」と笑顔を見せると、柴田も「ときどき僕が妻みたいになるようなこともあって。楽しかったですね」と長年培ってきた安定のコンビネーションを滲ませていた。
すると浅野は「(そんな二人の姿が)新鮮ですよね。昔ならすぐに飽きちゃって二人で勝手なことしてたけれど…今回は真面目に(プロモーションを)頑張っていたので、我慢するようになったんだなぁって」とすかさず密告が。その言葉に柴田が、「いや、そんなことはないですよ?本当に楽しかったです。着ぐるみ相手にだって取材することもありましたから」と即座に否定すると、会場からは笑い声が沸き起こっていた。
舞台挨拶の終盤には、舘、柴田、浅野、仲村らメインキャスト4名に向け、タカ&ユージのような“唯一無二のバディ”はいますか?という質問が投げかけられる場面も。舘は「いますよ、でもみんな知らないからなぁ。高校からずっといる親友が一人いて。でも一般人ですから(笑)」とコメントし笑いを誘う一方で、柴田は「妻です!」と即答し会場からは大きな拍手が。
続いて浅野も「私も一般人の親友がいます(笑)」と舘のコメントに被せながら回答すると、最後の仲村は「僕も各方面に学生の友達ならあいつだなとか、役者仲間ならあいつだなとか。3人の家族と2匹の犬もいますし、唯一無二というか…“唯一の存在”が何人もいます」と真面目に回答。すると横から浅野が「それ、唯一じゃないじゃん」とツッコミを入れると、舘も「そうだよな?おかしいだろ、トオル!」と乗っかり、仲村は「そうやって後先考えないコメントが3つ並んだ後、いつも最後に答える僕の気持ちもわかってくださいよ!散らかってるものを拾い集めてどう再利用しようか考えてるんですよ、いつも!」と猛反論。相変わらず息ぴったりな掛け合いをみせ、場内の笑いを誘っていた。
その後マスコミ向けのフォトセッションが行われ、カーテンコールには舘&柴田が再び舞台上に登場。ステージ上で二人がスポットライトに照らされる中、二人から「本当に今日はありがとうございました!映画が公開する時はいつも本当に心配なんですが、公開初日にこんなに大勢の方が観に来てくれて感謝しています」(舘)、「先日、横浜でパレード(横浜開港記念みなと祭 ザよこはまパレード)に参加しました。その時に“お帰りなさい”、“帰ってきてくれてありがとう”という声をたくさん聞いて…泣きそうになりました。お礼を言うのは僕たちの方です。皆さんがずっと応援してくれたおかげで、僕たちは帰ってくることができました。本当に感謝しています。『あぶない刑事』が始まってから38年、本当に応援してくれてありがとうございました」(柴田)と締めのメッセージが。
そして最後には舘が「僕らが、この二人が出会えたのは奇跡だと思っています。本当にありがとう!」と観客へ感謝の言葉を述べると、舘&柴田も互いを抱きしめ合い、称え合う姿も!この熱いやり取りに会場からは大きな歓声や拍手が鳴り続ける中、初日舞台挨拶は幕を閉じた。
※記事内写真は(c)2024「帰ってきた あぶない刑事」製作委員会