声優・内山昂輝、入野自由が6月6日に東京・グランドシネマサンシャイン 池袋で映画『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 後章』(アニメーションディレクター:黒川智之/配給:ギャガ)デデデデ男子部 again!イベントに登場した。
漫画家・浅野いにお氏が2014年から22年にかけて連載した『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』(通称・デデデデ)の劇場アニメ化作品。青春を謳歌する女子高・門出(幾田りら)とハイパー&ポープな門出の親友の“おんたん”こと鳳蘭(あの)の姿が描かれる。2人の未来は思いもつかない方向へと流れていく。今年3月に公開した前章の続編となり、大学生となった2人のキャンパスライフと世界が終わりに傾いていく姿が描かれる。
内山は門出とおんたんの仲良し女子高校生グループ内の栗原キホと交際しているサブカル好きな男子高校生・小比類巻健一役として前章は登場。後章では、政府転覆を狙い〈侵略者〉狩りを続ける過激派グループ・青共闘のリーダーへと変貌を遂げ、前章より登場も多く、作品の鍵を握るキャラクターとして存在。入野は〈母艦〉の襲来により行方不明となったアイドルと同じ姿をしている謎の少年・大葉圭太役で出演している。
以下、公式レポート部分。
4月4日に行われた“デデデデ男子部”と同様、内山は青、入野は赤という前章・後章のポスターカラーに合わせた衣装を身にまとって登壇。ほかにも色違いのストライプの衣装も用意されていたそうで、それを推したという入野だったが、目がチカチカするという理由で内山に却下されたことをぶっちゃけるなど、仲睦まじいやりとりをし観客を和ませた。
5月24日に行われた<後章>の初日舞台挨拶では、小山門出役の幾田りらや中川凰蘭役のあのなど総勢10名が登壇したが、入野は大ファンだという浅野氏と収録時ぶりに会うことができ、一緒にステージに登壇できたことが嬉しかったと声を弾ませ「インタビューを読んでくれていたみたいで、(入野の)解釈はその通りですって言ってもらえました」とガッツポーズをして喜んだ。
また、後章では大葉と小比類巻が大活躍することから“裏の主人公”との声もあるそうで、大葉がヒーローっぽく描かれていることを、完成した映像を見て初めて気づいたという入野は「収録しているときは全体像を見るというよりは大葉視点でやっていたので、完成したものを見て改めて“こういう立ち位置だったんだ”と客観的に見られて、発見が多くありましたね」と目を輝かせ、内山は普通の高校生から過激派グループの中心的存在まで上り詰め、世界の運命を左右するかもしれない行動を起こす小比類巻の過程やその他のキャラクターの変化についての細かい描写はないけれども、むしろその“隙間”が見たくなると吐露した。
続けて、自分とはかけ離れたキャラクターを演じるにあたり、どのようにアプローチをしたのか尋ねられると、入野は、テープオーディションだったため、家で1人で声を録音している段階で役作りは始まっていたと話し「漫画を読んだ印象だったり、先生が描いたものをキャラクターデザインに起こしたらアニメの絵の中でどう映るのかなと想像して、大葉ってどういう声なんだろう、どういう人なんだろうって自分で探しました」といい、「この辺りが無理のない位置(音域)であり、自分の中での想像と絵がマッチするところなのかなというところを選びました」とコメント。
一方、内山は「年々いやらしくなっていて、スタッフの人が“こういうのがほしいだろうな”というのを予測して、そこに自分の色を持っていくといいだろうなって頭の中で想像しちゃってますね。(今回は)高校生時代もあったし、闇落ち後の姿形が変わって従えるものが増えたシーンもあって、そのギャップができるかどうかだと思ったので、“かわいい感じと怖い感じの違いを作らないと”と計算しましたね」と告白。これに入野も計算は必要だと共感し「客観的にどう映っているかというのは必要だと思うし、僕もそういう意味では凰蘭の声を聞いて、深く関わる役だと知っていたので、おそらく自分にしかできないところがあるなとビビッときて、そこを狙って音や芝居感を考えました」と裏話を披露した。
さらに2人が、気になるキャラクターに凰蘭の兄である“中川ひろし”を挙げたことが話題に上ると、内山は、ひろしの言ったひと言で凰蘭が行動に移し、結果、世界の運命が変わったことから、ひろしが世界を変えたと思っていると主張。一方、先日の舞台挨拶でひろしのメジャーをゲットしたという入野は「カバンにつけてひろしを見せびらかしていたんですけど、作りがしっかりしていて最近ちょっと重いことに気づきました(笑)」とそれぞれの“ひろし愛”を熱弁した。
イベント後半には、“デデデデ男子部”恒例のフリップトークも行われ、お互いのお気に入りのシーンを聞かれると、入野は“残虐小比類巻”と答え「後章の始まりにこんな残虐なものを見せられるなんて。ひどいぜ小比類巻」と語気を強めつつ、描写やカット割りで残虐性を表現している映像に「ゾッとした」と絶賛。加えて入野は、弱い侵略者たちを狩っていく小比類巻と、それを演じる内山を重ね合わせ「なんなん?」と不満げな表情を見せ、会場の笑いを誘った。
一方、 “本当の顔が出てきたシーン”と答えた内山は、大葉の顔が割れ、中から侵略者の顔が見えたシーンが怖くて印象に残っていると言いつつ、大葉の顔が割れた様を初めて見た田井沼マコトが、驚くことなくそのことを隠そうとした行動に、2人は「あいついいヤツだなあ」と感心した。
続けて、作品全体で好きなシーンを尋ねられると、入野は“イソベやん”と答え「世界観が素敵。モチーフになっている作品はありますが、セリフたちは浅野イズムが入り込んでいて、TARAKOさんと杉田(智和)さんというキャスティングもすごい。イソベやんだけでアニメ化してほしい」と熱望し、スマホの裏に“イソベやん”シールを貼っていることも明かした。さらに“大葉と侵略者”と書いたフリップを披露した入野は、大葉の中にいる侵略者が助けてもらった侵略者と出会った際に「ありがとう」と言うシーンにグッときたそうで「大葉くんはどんな感じで『ありがとう』って言うのか考えながら収録に臨みました」と回顧した。
そして、世界が終わるかもしれないという状況にも関わらず、他愛もない楽しげな様子が描かれた“海水浴のシーン”が好きだという内山は、小比類巻がそのシーンに加わる世界線もあったのではないかと想像し、胸を躍らせた。
※記事内画像は(c)浅野いにお/小学館/DeDeDeDe Committee