“ガッキー”の愛称で親しまれる俳優・新垣結衣、俳優・早瀬憩が6月13日に東京・TOHO シネマズ日本橋でW主演映画『違国日記』(監督:瀬田なつき/配給:東京テアトル ショウゲート)大ヒット舞台あいさつを、シンガーソングライター・十明、瀬田なつき監督とともに開催。十明がインスパイアソング『夜明けのあなたへ』を生歌唱し新垣が感激する一幕があった。
本作は『さんかく窓の外側は夜』を手掛けている漫画家・ヤマシタトモコ氏が2023年6月まで6年間掲載していた同名漫画が原作。人見知りな小説家の高代槙生(新垣)と、その姪・田汲朝(早瀬憩)の同居譚を描いている。性格も年齢も異なるふたりの交流を軸に、他人との関わり合いや大人が抱える正直な悩みを鋭くも優しい視点で炙りだしていく。
新垣はいっぱいに観客が入った客席を見回し、「公開から1週間ほど経ちました。みなさん……席が埋まっているのを見ると嬉しいです」と、胸に手を当てながら声を震わせ感激している様子を窺わせると、早瀬と一緒にうなずき合う様子も。
上映後ということで、SNSなどの感想も次々紹介。そのなかで新垣は朝のバンドシーンに感動したという声には大きくうなずき「オススメです」と、笑みを浮かべる。
その反響として、新垣は「人によって、いろんな視点で観て頂いていて、2人の時間をもっと長く観ていたかったと言ってっくださる方も居たんです。2人の生活はどこかで続いていっていると思ってくださっている方が居て、嬉しくて。そういった、思った以上にすごく反響があってビックリしています。ちょっと驚いています」と、自身が想像していた以上の反響だったようで、気持ちを伝えていた。
槙生と朝の2人のシーンにも思い入れがあるのか新垣は「上手に言えるか分からないけど」と前置きすると、熱を込めて長く話し続けることに。
「槙生と朝はお互いに同じ、話しをしているけど違うものが見えているとか。でも、お互いに見えている物は違うけどそれは否定しない。映画のシーンで朝の自宅に遺品整理をしに行ったときにぶつかるシーンがあるんです。朝があんなに『わからない』と苛立ちを隠せなかった朝ちゃんが“お母さんはどんな人だった?”じゃなくて、『槙生ちゃんのお姉ちゃんはどんな人だった?』という聴き方をするのが急に成長というか、ひと回り朝ちゃんの見えるものが広がったようで、槙生をを演じていても新垣結衣にも伝わってくるものがありました。槙生は2人が見えているものは違うと分かっていると思うんです。ただ、分かっていても見ようとしてなかったものを、知ろうとする、見ようとするというのが槙生にとっての歩み寄りというか。すごく大事なシーンだなって。原作にないオリジナルシーンでしたが、この作品においては、大事にしたいシーンでした。特別キメるようなこともなくすんなりと入れたんです」と伝えた。
イベント後半には、十明がサプライズで作品のインスパイアソング『夜明けのあなたへ』披露することがアナウンスされ新垣は観客たちに向け「ラッキーですね」とニッコリ。十明は原作の大ファンだそうで、主人公の槙生と朝に向けて「手紙を書くような気持ち」で書き下したという楽曲を澄んだ声に乗せて会場に響かせる。
歌い終えた十明は「届けたいところに届けられたと感じています」と充実の表情を浮かべれば新垣は「ふわって第一声で感動しちゃって。この場の空気が澄んでいくようで、深呼吸したくなりました。ありがとうございました」とお礼していた。
そして、「観に来て頂けたことが本当に嬉しいです。また自分の中に大事なものを作品に頂いたなと思っています。みなさんの感想から心が救われたり、温かい気持ちになったり、感謝の気持ちでいっぱいです。みなさまの人生の中で、フッと思い出して頂いて、『異国日記』の人たちに会いたいなと思ってもらえる瞬間があったら嬉しいなと思っています。ありがとうございます」と、丁寧に頭を下げていた。
映画『違国日記』は公開中!
取材・撮影:水華舞 (C)エッジライン/ニュースラウンジ