俳優・杉咲花が6月22日に東京・TOHOシネマズ日比谷で主演映画『朽ちないサクラ』(監督:原廣利/配給:カルチュア・パブリッシャーズ)公開記念舞台あいさつに俳優・萩原利久、豊原功補、安田顕、原家督とともに登場した。
『孤狼の血』、『佐方貞人』、『合理的にあり得ない』など数々の作品を手掛けている作家・柚月裕子氏の同名小説が原作。県警の広報職員という、本来は捜査する立場にないヒロインが、親友の変死事件の謎を独自に調査し、事件の真相と、次第に浮かび上がる“公安警察“の存在に迫っていく異色の警察小説となっている。主人公の県警・広報職員で26歳の森口泉役を杉咲が演じる。萩原は泉に好意を寄せる同期の警察官・磯川俊一役を演じる。
黒のセットアップで登壇した杉咲。上映後ということもあり「やっぱり上映前と上映後だと、また違うなと思っていて、ほんとに映画が届いたんだなっていうことを今実感してます」と感激を口にするとともに、「口コミが気になっているので見てしまってます」と、“エゴサ”したくなるほど反響が気になっていることを告白するなかイベントをスタート。
撮影現場の雰囲気へ、「粛々と、静かに熱を帯びているような空気だったかなと思いますね」と感じたことを伝える。とくに安田とのシーンが多かったという杉咲は「最初はどんなふうにコミュニケーションをとったりしたらいいのかなって緊張していたんです。けれど、 すごく気さくに話しかけてくださって。最近自分が『ストレッチハマってるんです』と話したら、そのYouTubeを見てくださったりとか、嬉しかったです」と、心づかいが嬉しかったのだとか。
すると安田は、本番前の杉咲は談笑していたそうだが、本番に入ると、「もうずっと黙ってる」と、“人が変わったようだった”いわんばかりにイジりだし杉咲は「違うんですよ。緊張してたんですよ。役に入ってるもんでしたから」と、釈明。しかし、安田は手を緩めず、「ご飯とか一緒に食べた時とかね、すごいケラケラ笑ってくれて。すごいいい子なんですよ。でも、本番入ったら急に黙っちゃって。ちょっと今とかとのあまりのギャップがあって」といって、杉咲をワタワタさせていた。
また安田は役の年齢に近づけるために、「何しようかなと思った時に、とりあえ、ずおでこ剃りましたね。少し髪の毛後退させようと思って」と、役作りに力を入れたことを話していた。
トークでは作品にちなんで後悔したことはとの質問も挙がる。杉咲はつい先日、水筒にコーヒーを入れて持って歩いたそうだが、水筒内のパッキンを付け忘れて財布が“水没“するような事態に陥り「カチカチのお財布になりました」と苦笑いするとともに、その財布へは「なんか向き合いたくなくて、すみっこに置いてます」と照れながら話す一幕も。
そして杉咲から「この映画の中で“サクラ”っていうのは、公安を意味するもっていうふうに描かれているんです。なんか気になって 調べてみたら、桜っていうのは精神美っていう花言葉があるそうで、取り返しのつかない出来事に向き合った時に出てくる 精神の強さだったり、人間があぶり出されていく泉っていう人のことを考えずにはいられなかったです。きっと人は失敗する生き物だと思うんですけど、なんかその失敗に向き合う姿を他者は見ていると思うし、新しい境地に行けることもあるんじゃないかなとか思ったりもします。泉がした選択を皆さんはどういうふうに見つめたのか、よかったら教えて 欲しいです。ありがとうございました」と、スピーチして締めくくっていた。
映画『朽ちないサクラ』は全国公開中!
取材・撮影:水華舞 (C)エッジライン/ニュースラウンジ