映画『朽ちないサクラ』(監督:原廣利/配給:カルチュア・パブリッシャーズ)公開記念舞台あいさつが6月22日に東京・TOHOシネマズ日比谷で開催。イベント中、5月24日に公開された映画『帰ってきた あぶない刑事』(監督:原廣利/配給:東映)からサプライズメッセージが寄せられる遊び心満載の展開が見られた。
『朽ちないサクラ』は、『孤狼の血』、『佐方貞人』、『合理的にあり得ない』など数々の作品を手掛けている作家・柚月裕子氏の同名小説が原作。県警の広報職員という、本来は捜査する立場にないヒロインが、親友の変死事件の謎を独自に調査し、事件の真相と、次第に浮かび上がる“公安警察“の存在に迫っていく異色の警察小説となっている。
一方、『帰ってきた あぶない刑事』は“あぶデカ”の略称でも親しまれ、1986年のテレビドラマ放映開始から37年。2016年公開の映画『さらば あぶない刑事』を“最後”に「サラバ」を告げていた伝説の刑事タカ&ユージのバディが“ハマ”に帰ってきた作品。鷹山敏樹役・舘ひろし、“ユージ”こと大下勇次役・柴田恭兵、真山薫役・浅野温子、町田透役・仲村トオルのおなじみのメンバーも勢ぞろいしている。なぜ、復活を遂げたのか、定年を迎え、ニュージーランドで過ごしているはずのタカ&ユージの現在は……が、“あぶデカ”テイスト全開で描かれている。
くしくも本作、『帰ってきた あぶない刑事』両方とも原監督が手掛けており“刑事モノ”でもある縁から今回のメッセージとなったがこれは登壇者たちにはサプライズ。このことを予感させるように豊原が撮影中のエピソードとしてリアクションへ「あぶデカじゃないので」と言われことを明かしていた。
メッセージは司会から代読。以下、手紙部分全文。
●舘ひろし
「1人の人間としての正義と、警察組織としての大義。杉咲花さん演じる主人公・泉の勇気、まっすぐなまなざしが素晴らしかった。 混沌とした時代だからこそ、正義を貫くことの大切さをあらためて感じることができました。原監督とご一緒した『帰ってきた あぶない刑事』とは、同じ刑事モノでも真逆の世界観。共通するのは、映画に登場する刑事たちの魅力を存分に引き出す、素晴らしい演出力。 手に汗握る映像展開に、原監督の映画作りの力を感じました」
●柴田恭兵
「『朽ちないサクラ』公開おめでとうございます。あぶ刑事の次に手がけられた作品が、またも警察が舞台の、しかもミステリーとのこと。『帰ってきた あぶない刑事』のようにアドリブ満載ではないでしょうね。間違ってもハーレーとショットガンで事件を解決しないようにと願います。原監督なら、『帰ってきた』のときと同じように、スタッフみんなと“いい作品撮るぞ!”という空気を作り上げて、これからも素敵な映画を目指していくと思います。また、どこかでお会いしましょう」
このことに、原監督は涙声になりながら「いや、泣きそうですね。すごく嬉しいです。まさかのサプライズでビックリしました。面白いこと言えませんけど、とにかく嬉しいです。みなさんと作ったものが垣根を越えて観て頂けるって大変光栄で、やってよかったと思います」と感無量な姿を見せる。
杉咲からも「こんなことってあるんだなって」と感激し「監督のお人柄、積み重ねてきたものが作品と作品を超えたところでつながっているのが感動しました」と、しんわりと胸に迫っている様子を。
ここで安田にも感想を尋ねると「映画をご覧になってくださったのがすごく嬉しいです。お手紙を頂けるというので、原監督のこれからにもと感じています」と、
映画『朽ちないサクラ』は全国公開中!
取材・撮影:水華舞 (C)エッジライン/ニュースラウンジ