WOWOWオリジナルアニメ『ばいばい、アース』プレミア先行上映会が6月22日に都内ユナイテッド・シネマ 豊洲で開かれラブラック=ベル役のファイルーズあい、クエスティオン=アドニス役の内山昂輝、原作者の冲方丁氏、西片康人監督が登壇した。
冲方氏が2000年に上梓したファンタジー同名作が原作。動物の姿を形をまとう人々がいる世界を舞台に、世界のなかでも牙も毛皮もまとわないラブラックが自分の居場所を見つけるための戦いや旅などが描かれる。
1話から3話までの上映後に4人が登壇。ファイルーズは「この魅力的で、かつ不思議な世界観に取り込まれたてのみなさんのお顔を、フレッシュな状態で見ることができて、私もすごく嬉しいです!アフレコした時の新鮮な感動をみなさんと一緒に共有できてるような感覚でとても嬉しいです」と、臨場感たっぷりに語る。
冲方氏は「1番書きたかったのは、英雄の定義というのがあるんです。世界と等価値の存在が英雄という。英雄が行動することによって、世界は同時に変わっていく。それでも、いわゆる英雄像ではなく、世界から阻害された存在のマイノリティー。この世界から阻害された存在が、世界そのものと最終的にはこの世界と和解する物語っていうのを書きたいなって思ったんです」と、作品の執筆意図を話す。これにファイルーズは深くうなずきながら「私自身もマイノリティーとして苦しんだり悩んだりしたことがあったので」と、冲方氏の伝えたかった一端に共感を寄せる。
それだけにファイルーズはラブラックへは思いも強く入ったようで「本当に素直なんです。良くも悪くも素直で自分の思ったことに頑固になってしまう時もあったり。でも、その頑固さが時に強い意志として実を結んだりして、 そういうちょっと不器用なところが自分と重なるところもあったりして」といい、「自分も幼い頃から感じていたフラストレーションと重なる部分もあったんです。だから、すっごく気持ちに寄り添いやすいキャラクターでした。演じる時もほんとに声は作らず、ほぼほぼ地声で演じさせて頂いています。なんかこう、声優・ファイルーズあいとしての新しい引き出しを作ってくれた感じがしていて。私にとって大切なキャラクターの1人で」と、大切なキャラクターにもなったよう。
これに西片監督は「ベルが泣いたり笑ったり、いろんなところでいろんな感情を出してくれるんですけど、今回は本当にファイルーズさんの演技の幅は細やかにして頂いたんです。ありがたかったです」と、しっかりハマっていたと明かしていた。
ほかにも、諏訪部順一が声を当てるベルの師匠にあたるラブラック=シアン役とのシーンを表示しながらトークとなり、そのアフレコへ「隣のマイクに立って頂けたんです。優しいお声なんですけれど、甘やかす声じゃなくて、優しいけれど、厳しさを帯びてて」と、エピソードを披露していた。
そしてファイルーズから「自分自身が子供の頃にこの作品がアニメになってみんなが見ていたら、もしかしたら世界のものの見え方って変わってたのかなとか、ちょっと思ったりもしました。同じように悩みを抱えるマイノリティーの子供たちに 勇気を与える存在の一端を担えるラブラック=ベル役としてこの場に立つことができて、そして声だけでも彼女に寄り添うことができて嬉しく思っています。作品を通してそういったメッセージも一緒に発信できたらなと思います」と、気持ちを伝えていた。
WOWOWオリジナルアニメ『ばいばい、アース』は7月12日午後11時30分より放送・配信予定!
取材・撮影:水華舞 (C)エッジライン/ニュースラウンジ