“あぐぽん”の愛称で親しまれる声優で歌手・大西亜玖璃が8月10日に東京・山野ホールでファンミーティング『おおにし幼稚園 あぐぽん先生!』昼・夜公演を開催した。
以下、昼の部公式レポート部分。
観客席には、縦のブロックごとに4色のハチマキが置かれている。開演前にハチマキを巻いて準備をするファンたち。この日のテーマは、イベントタイトル通り幼稚園。何やら対抗戦が繰り広げられる予感が漂っている。
開演時間になると、工藤プロデューサーが登場し「園児の皆さん、まずは元気よく挨拶をしましょう」と言って、挨拶を交わすと、この日は幼稚園の副担任(MC)として、イベントを進行していく。「あぐぽん先生ーー!」というみんなの呼び込みで登場したあぐぽん先生。「よい子の皆さん、こんにちはーー! あぐぽん先生だよ!」と元気よく挨拶をすると、良い子のみんなも元気よくそれに応える。実際に園児の格好をしているファンもかなりいたので、それを見ながら「いつもと様子が違うので、ビックリはしました……」と素直な感想を漏らすあぐぽん先生。どうやら通常運転だ。
おおにし幼稚園の1日は、「お遊戯タイム」から始まる。あぐぽん先生と仲良しだという大西亜玖璃の6thシングルから、「曖昧ガール」を一緒に踊ろう!ということで、先生がサビの振り付けをレクチャー。「“くるりんぱ”から“ワクワク”を6回して“パー!”」と、振りに言葉を付けてわかりやすく教えてくれるので、園児のみんなもぐんぐんと振りを吸収。「前半部分を通してやってみよう!」と、あぐぽん先生もアカペラで歌を歌いながら、ダンスを優しく教えてくれていた。
さらに複雑になっていくサビ後半の振り付け。これには会場から「わからない~」との声が漏れるが、「わからなくていいんだよ~」「できた~? えらいね??」「そこ、笑ってないの! ちゃんとやること!」と、アメとムチで教えてくれる先生。そんなあぐぽん先生に、園児たちも必死についていっていた。
サビの振り付けがひと通り完成すると、後半パートもアカペラで歌いながら実践。そこから実際の楽曲に合わせてやってみようと、みんなでダンスタイム。音源のテンポは振り入れのときよりも速いのだが、ほとんどの園児がついていけていたのはさすがだった。「みんなすごい! 何でできるの!? えらいね!」とリアルに感心するあぐぽん先生。さらに2コーラス目の歌詞が変わる部分の振り付けまでレクチャー。「むずかしい」と苦戦しながらも、できている園児たちが実に頼もしい。
続いてのコーナーは、「チーム対抗! レクリエーション合戦」。ここでハチマキが活用される。赤色がハート組、青色がElder flower組、黄色はジェリーフィッシュ組、緑色はエイリアン組と、大西亜玖璃の楽曲にちなんだチーム名が付けられて、対抗戦が繰り広げられていく。
まずは「三輪車レース対決」。各チームから4人が選抜され登壇すると三輪車リレーのタイムを競っていく。至近距離であぐぽん先生に応援されるというのも、なかなかレアな経験だと思うが、みんな必死に三輪車をこいでいる姿が感動的でもあった。続いては「借りもの競争」。これはお題のものを持っている人数を競っていく対決。サンリオグッズ、ロレックスの腕時計(園児なのでゼロでした)、サングラスなど、持っている人がステージ前に集まるのだが、このときすでに、チームごとの一体感のようなものが生まれつつあったように思う。
最後は「バルーンでだるまさんがころんだ」。巨大バルーンを後方からステージ方面に送っていくのだが、だるまさんがころんだ形式というのが難しい。でも、今日始めてチームを組んだみんなが、一致団結して頑張っている姿は、微笑ましくもあった。
総合順位では、ジェリーフィッシュ組が1位だったのだが、「みんながよく頑張ったので、みんな1位です! 優勝!」とあぐぽん先生が太っ腹なところを見せつけて、みんなに景品がプレゼントされた。
「みんなが子供のように、楽しく協力しながら挑戦している感じが素敵だなって先生は思いましたよ!!」とみんなを讃えると、今度はお昼寝タイム。みんなに目をつむらせて、暗くなった会場を歩いて見回るあぐぽん先生。客席に降りてきているのに、目を開けると怒られるという、斬新すぎる企画だったが、それが成立してしまうのが、このファンミーティングの良さとも言えるだろう。真っ暗になった会場を、こっそりと出ていくあぐぽん先生。その後の会場は、「結んで、ひらいて」のオルゴールバージョンが流れる中、少しざわざわして、誰かの話し声が聞こえたり、よくわからない寝言が聞こえたり、誰かが注意の意味の咳払いをしたり、しばらくするとおとなしく眠りについたり……みんなの園児へのなりきりっぷりが、かなりハイレベルだった。
しばらく続いたお昼寝タイムが終わると、会場にはあぐぽん先生ではなく、あぐぽん先生が呼んだというお友達の大西亜玖璃が、可愛らしい衣装を着て登場。客席を通ってステージに戻ると、みんなを元気に叩き起こす。「幼稚園パートも楽しかったですか? ここからはライブパートです。盛り上がっていけますか!?」と確認をすると、お昼寝でパワーを溜め込んだファンのみんなが、大きな声を上げる。
ライブは、ハイテンションなライブチューン「ジェリーフィッシュな君へ」からスタート! 黄色いペンライトを振りながら、エネルギッシュに声援を送るファンたち。大西の振り付けも可愛らしく決まっていた。そのテンションのまま、キュンとするナンバー「初恋カラーズ」へ。〈青と黄色 赤とピンク 紫 緑に 君を足して七色〉という歌詞のところで、ペンライトを七色に切り替え、ライブを演出していくファンのみんな。ステージの照明も、歌詞に合わせて、色が切り変わっていったのが印象的だった。
「7月はイベントがなかったので、こうやって歌うのは久々なので嬉しいです! 最近、発表されたものがありましたよね? 今日初披露の曲を歌います!」とファンを喜ばせると、「宇宙初披露なので、楽しんで聴いてください」と新曲の「アウフタクト」(7thシングル/11月20日リリース)を歌う。
TVアニメ『精霊幻想記2』のOPテーマとなる曲だが、彼女としては、「Elder flower」(EDテーマ)に続き、同作品でのタイアップでもあるので、喜びと、この曲に懸ける想いは大きいものだろう。初めて披露するとは思えないほど完成された歌声で、とても伸びやかに歌っていたし、壮大な物語の世界観が目に浮かぶようだった。ファンが、初めて聴くにも関わらず、大きな声を出して盛り上がっていたのも温かかった。
さらに「アウフタクト」のカップリング曲「Fall in you」も初披露! 緩急のある忙しい曲だが、サビで手をワイパーさせたり、ライブで一体感が感じられるナンバーだ。曲自体、難しそうだったが、安定したパフォーマンス力で、みんなを引っ張っていく大西も頼もしい。
「あぐぽん先生から、『曖昧ガール』の振り付けの練習をしたって聞いたんだけど、みんなで協力しながら頑張ろうね!」と伝えると、いよいよ最新楽曲の「曖昧ガール」を披露! 大きなクラップから始まり、サビはみんなでダンスを楽しんでいたのだが、しっかりと練習の成果が表れていたように思う。統一感が素晴らしかった。曲の途中からは、おじさんダンサーズ(スタッフ)もステージに登場し、大きな一体感と笑顔に包まれて、ライブを終えた。
「みんな、おじさんたちより踊れてましたね(笑)。それに『曖昧ガール』の叫びもバッチリでした!」と言うと、イベントについては、「みなさんが先生の前でニコニコ楽しくゲームをしていたり、初めて聴く新曲にノリノリだったり、私も嬉しい気持ちでいっぱいになりました」と伝え、みんなで一緒に楽しむアトラクションのようなイベント『おおにし幼稚園 あぐぽん先生!』を締めくくった。