俳優・杉咲花がバンド『リーガルリリー』が8月28日にリリースしたアルバム『kirin』の収録曲『ムーンライトリバース』のMusic Video(MV)を主演していることが発表となった。
『ムーンライトリバース』は音楽プロデューサー・亀田誠治氏がアレンジャーとして参加している、“月を見て思い出す心の痛み”を歌ったラブソングバラード。たかはしほのかの独創的で文学的な詩表現の中で、”月より好きだ”というストレートな歌詞と、切実な歌声が琴線に触れる楽曲。
MVは泉田岳監督指揮のもと、楽曲の重要な要素でもあり、人間が抱く純粋な“好き”という感情を、強く、尊いものとして描き切った映像。観終わったあと、心のどこかに新しい感情や気づきが生まれるような仕上がりとなっている。
今回の出演へ杉咲、泉田監督、リーガルリリーからコメントが寄せられた。以下全文。
■杉咲花
人の事情ほど曖昧で複雑なことはないと思う。
けれど誰かとの交わりの先でこそ生まれる繋がりというやつを、私は渇望しているのかもしれない。
そんな気持ちがした撮影でした。
■泉田岳監督
今回の楽曲を聴かせていただき、「好き」という感情について今一度考えてしまいました。
杉咲さんが現場に入り、メイクをし始めた時―何気ない日常に終わりがあるかもしれない儚さ、終わってほしくない尊い時間を感じました。
「好き」って、過ごした時間の答え合わせかもしれません。
もう一度会いたいと思うのか、振り返らず生きて行くのか、杉咲さんは演技を通していろいろな気持ちの行く先を優しく包み込む豊かな箱を作ってくれたように思います。
尊く力強い楽曲と杉咲さんはじめ素晴らしいキャストの皆様、スタッフのみなさま、ありがとうございました。
■リーガルリリー
杉咲さんと撮影の合間にお話しする機会があり、彼女自身から発せられる表情、そこから聞こえる音、そんな音楽たちがリーガルリリーで私の作っている世界と似た場所にあると、その時確信しました。
言葉にはできないから、一緒に作品を作りたいと思いました。
撮影が進んでいる中での会話のリズムだったり、監督さんとスタッフさん、弟役の藤江さん、恋人役の高橋さん、それぞれが空間で生き生きと一線の輝きに飛び込むような、何人もの手でみんなで一緒に音楽を作っているような感覚でした。
ひとりひとりの月、朝も夜もいつでも私たちについてくる月。関わってくれた思い出たちがこの作品を縫い合わせてくれた。
それで、やっと皆さんのもとにMusic Videoという形で届けることができました。
私たちが作ったこの続きの形を、たくさん生きて、生きて、残していってくれたら。ひとつのお守りが大きく柔らかく、固く、強くなっていけたらいいと思います。今回、携わってくれた皆さんに感謝を込めて。
たかはしほのか (Vo.Gt.)
泉田監督の企画書をはじめて見た時、日常に溶け込みすぎていた「化粧」という行為が、鏡を通して自分の心と向き合う瞬間であることに改めて気付かされました。
好きな人のために、あるいは自分のために、平気じゃない日に平気な顔でいたいだとか。
もしかすると街はそんな人たちで溢れているのかもしれません。
しかし、言葉では共感できてもこれを映像で伝えるのはとても難しかったと思います。
泉田監督をはじめ、キャストの皆さん、そして主人公を演じてくれた杉咲花さんがいたからこそ実現できた表現です。
目の前で演じる杉咲さんの視線、仕草、呼吸で本来見ることができない「気持ち」が見えた瞬間は、息を呑むような不思議な時間でした。
このMVを通じて皆さんが何を感じ、どんな気持ちになるのか、とても楽しみです。
海 (Ba.)
■リーガルリリー『ムーンライトリバース』 Music Video
https://youtu.be/bRjFWZufe_g