観客たちと記念撮影も（撮影：水華舞 （C）エッジライン／ニュースラウンジ）
劇場アニメ『がんばっていきまっしょい』（監督・脚本：櫻木優平／配給：松竹）スペシャル応援上映会が9月29日に東京・グランドシネマサンシャイン池袋で開かれ二宮隼人役の江口拓也と櫻木優平監督が登壇し、司会は田坂秀将プロデューサーが務めた。
作家・敷村良子氏が1995年に『坊っちゃん文学賞』大賞を受賞し1998年は田中麗奈主演で実写映画化もされ、2005年にも鈴木杏、錦戸亮主演でドラマ化もされた作品。愛媛・松山市を舞台にボート部に青春をかける女子高生の成長や、ゆらぎをみずみずしく描き出す。
青のチェックの上着とブラウンのパンツ姿で登場した江口。櫻木監督と江口は実はプライベートでも親交があるそうで、そんな2人での登壇に江口は「嬉しいです。監督とはもともと飲み友みたいな感じで、苦悩の日々を過ごしていたと聞いていたので」と、声をかけて2人で笑い合う。
仲良くなったきっかけは、江口によると、「いきつけのお店が一緒だったんです」とのことで、「マスターに繋いで頂いたんです。業種的に近いというところで」というと櫻木監督も「一緒に店にいたときは、一緒に飲みましょうってなって」と、経緯を話す。櫻木監督によると、江口の髪色によって、どの時期なのか思い出せるくらい会っているそうで、江口も「緑のときもあるし、ピンクのときもあるし、レインボーのときもあるし。いまは落ち着いてますけど（笑）」と、楽しげ。
ここから2人での飲みの席の気の置けないようなくだけた話が始まる。櫻木監督の印象へ江口は「本当になんていうんですかね。漫画から出てきた人みたいな不思議な空気感というか。いつも監督は監督なんです。そこが面白くて。飲んだ後のシメのラーメンに付き合ってくれたりとか、チャーハンも食べたいとかか。このあたりでチャーハン美味しいところを探したり」と話しており、櫻木監督が積極的に誘っているかのような言い方だったが、櫻木監督によると、「大体誘ってくれるのは江口さんです（笑）」と明かし、江口は「相当飲んでるんで。満腹中枢が（笑）」と、返していた。
さらに、櫻木監督のスタンスとしては、「声優さんと仲良くすべきじゃないと思っているんです。キャスティングするときに、考えないといけないと感じるので」という。それだけに、2人で飲むときは江口は「1ミリも仕事の話しないんですよ。（本作制作の）期間中も作品の話はしませんでしたが、メチャクチャ苦悩してたんです。『女の子同士の会話って、そういう感情のぶつかり合いのときにどういう話をしたらいいのかな？』って言われて。アドバイスというより、話を聴くという感じで」と、タイトルは伏せながらも相談をされたという思い出を披露。
江口が演じる二宮隼人は主人公・村上悦子（CV.雨宮天）らと同じボート部で唯一の男子部員。彼女たちにボートを教えるという重要な役どころにもなっている。この起用へ櫻木監督は「イケメンのめちゃくちゃモテるキャラじゃないんですけど、悦子が恋愛感情を持ちつつも、男性が観ても女性が観ても嫌悪感が無いライン。ボートのことに熱いところがあって、それでいて鈍いところがあって」というキャラクター性を求めた結果だったという。江口としては、「（主人公たちと）同じ時期に自分一人異性となったら、日和りますよ。でも、ボートが好きということで、そんな状況に放り込まれても情熱のある会話があるから成立する。ある意味フラットな人物なんだなと感じました。会話を投げるときもそれを意識しました」と、演技のことを。
熱くキャラのことを話していた2人。江口としても出演へは「選んで頂けたのは嬉しいです」と話していたが実際に収録になると櫻木監督と「どう会話して良いのか分からなくて（苦笑）」といい、櫻木監督も「あっ、探り合いが始まったと思って（笑）」と、どこかよそよそしい雰囲気だったのだとか。田坂プロデューサーも「本当に仲いいのか分からなかったです」というほど、距離を感じたそうだが、江口としては「本当にシラフのときは喋れなくて、お酒が入ったら喋れるんですけど」と、間にお酒がないとと熱弁をふるった。
作品へ江口は「めちゃくちゃ刺さりました。やっぱり俺も、二次元青春作品からしか得られない栄養素があると感じました。“悦ネエ”（悦子）の行動をとってみても、誰しもが悦ネエだった部分ってあると思うんです。そこに寄り添ってくれるというか。寄り添い方も、積極的に関わってくる子もいたりして、距離感が心地いいななって」という見入った部分を。
そこから好きなシーンについても事細かに挙げていたが、悦子の心情がタイミングが悪いことで揺れ動いていくことで「やめてくれー！！！」と思わず叫んでしまいたくなるくらいのシーンがあったといい、「自分の過去と重ねてどうリカバリーするかとか考えちゃって」と、思わずその場で足踏みするほど熱を入れて語っていた。あまりに作品への思いが止まらなくなったため江口は、「映像描写も好きなところ、いろいろあるんですけど止まらなくなるので」と、自制してイベントを進行する一幕もあった。
また、イベント後半には、この日のために事前募集した“二人に応援してもらいたいこと”をテーマに展開していた。
劇場アニメ『がんばっていきまっしょい』は10月25日より上映予定！
※初稿にてキャスト名を間違っている箇所がございました。お詫びして訂正いたします。
※イベント別原稿
・江口拓也「学生時代に戻りたくない」としみじみ！「転生したら“悦ネエ”に」
取材・撮影：水華舞 （C）エッジライン／ニュースラウンジ
メガネをなおす江口