初日舞台あいさつが開催！（撮影：水華舞 （C）エッジライン／ニュースラウンジ）
俳優・服部樹咲、岡崎紗絵、吉田栄作、長澤樹、黒川想矢、田中俊介が10月11日に東京・TOHOシネマズ日比谷で映画『BISHU ～世界でいちばん優しい服～』（監督：西川達郎／配給：イオンエンターテイメント）初日舞台あいさつを西川監督とともに開いた。
世界三大毛織物（ウール）の産地として世界規模での注目を受けている愛知・一宮市のある尾州地域が舞台。高い技術力を擁しながらも問題や課題に悩む工場が少なくない。その背景とともに、発達障害を持ち幾多の壁にぶつかりながらも夢に挑戦する主人公の女子高生・史織（服部）と、家族や親友との希望をオリジナルストーリーで描いている。
本作で長編初主演を果たした服部。演じるにあたって、「史織でいることを大切にしてきました」と意識していたことを。史織と同じく発達障害をもち、自然の音を録ることが好きで曲作りが得意な中学生・大村満を演じた黒川とともに、発達障害の方の集まるコミュニティに行き演じる人物の動きも監修してもらったという役作りの裏話も明かされていた。
撮影で印象的だった出来事として服部は「機織り工場での撮影が多くて、いっぱいお機械があって。手順や細かい手作業を覚えることが多くて難しいんです。そこで、職人さんの素晴らしさを知ることができて感銘を受けました」と、感じ入ったそう。その手作業を通じて、服部は自身が「不器用だと思ってます」と痛感したそうだが、西川監督からすると「本人はそうおっしゃるんですけど、うまくて」といい、吉田も「競争しても勝てなくて」と舌を巻くほどだったそうだが、服部ははにかむような笑顔を浮かべながら首を横に振っていた。
史織の幼馴染で親友の鴨下真理子役を演じた長澤。劇中で史織とハンドサインをするところがあるそうだが、長澤から服部発案のサインだったと証言。どこで思いついたのかへ「ヒップホップ好きな友達とやっている」ハンドサインをとりいれたと話していたそうだ
東京でファッションデザイナーとして活動していたが、挫折して実家に戻ってきた史織の姉・布美を演じた岡崎。「劇中の家族でいる時間が多かったので、家族の距離感を出すというところで、カメラが回っていないところでの動きが大事なんだろうなって入ったんです。そう思ってたら吉田さんが率先して雰囲気を作ってくれていて。それとか、涼しい部屋に自然に集まるようになっていて」と、意識しなくても家族間が出るような雰囲気だったそうだ。
営む機織工場の閉鎖の危機に揺れながら娘たちを見守る父・康孝を演じた吉田。「涙を流したいいシーンがカットされてしまって。カットされたから言ってますが（笑）」と裏話を暴露し西川監督は苦笑いしながら「記憶にございません！」と、とぼけて笑いを誘う一幕も。ちなみにそのシーンへ、服部は「私も苦戦したシーンで現場で何度もトライして、吉田さんをお待たせてしてしまって」と、苦心した部分だったといい、吉田が言いたくなるのも致し方なしといった様子だった。
史織と真理子が通う高校の先生・宮澤直人役を演じた田中は、2020年に『新しい地図』草なぎ剛主演で公開された映画『ミッドナイトスワン』で服部と共演していたそうで、「4年ぶりの再会でめちゃくちゃ大きくなっててびっくりして（笑）！」と再会を喜ぶと同時に、「背丈だけじゃなく、現場に入ったら史織がいたので、ものすごく格好いいなって。親戚のおじちゃんじゃないですけど泣きそうになって」と、俳優としても立派に成長した姿にジーンとしたそう。それだけに田中が「きょうは帰ったらおいしいお酒が飲めそうです」といえば服部も「私も『成長したね』と言ってくださるのが嬉しくて」と、声を弾ませていた。
田中とミッドナイトスワンからの成長を振り返る
そして服部から「この映画は普段、みなさんが感じる生きづらさ、いろんな家族の形、人間関係の悩みとかさまざまなキャラクターが描かれていて、人生の縮図を観ているような、人の痛みが感じられるような映画だと思っています。共演のみなささと心を込めて作りました。映画館から帰るころには癒やされて帰って頂けると思います」と、メッセージを寄せていた。
映画『BISHU ～世界でいちばん優しい服～』は公開中！
取材・撮影：水華舞 （C）エッジライン／ニュースラウンジ
