俳優・横浜流星が11月5日に東京・丸の内ピカデリーで主演映画『正体』(監督:藤井道人/配給:松竹)完成披露舞台あいさつをアイドルグループ『SixTONES』森本慎太郎、吉岡里帆、山田杏奈、山田孝之、藤井監督とともに開いた。
小説家・染井為人氏の同名作が原作のサスペンスエンタテイメント。日本中を震撼させた殺人事件の容疑者として逮捕され死刑判決を受けた主人公・鏑木(横浜)が脱走し、変装と潜伏を繰り返しながら「5 つの顔を持つ逃亡犯」として、日本中を駆け巡り343日間におよぶ逃走劇を繰り広げるというもの。
本作は夏と冬と期間を置いて撮影が行われ、より343日間の逃走劇にリアリティを持たせている。これに横浜は、「時期を分けて撮影できたのはすごくぜい沢で、幸せだったと思います。夏の撮影の後、監督から繋いだ映像を先に見せてもらったので鏑木により強い思いを持って冬のシーンに挑めたし、シーンも追加できて。撮っていただけたチームには感謝しています」と、本作ならではの作りができたという。
この季節の話題に、山田杏奈は「夏編は1日しか撮ってないんです。でも舞としての時間経過があって、夏の1日に向けてその日のためだけに髪を染めました。髪の違いを見てもらえたら」と、見どころの話につなげる。
一方、山田孝之は逃亡する鏑木を追い続ける刑事という役どころもあり「夏編でとんでもないストレスがかかってしまったんです。それだけに、冬編の方は毛量が少し薄くなっているかもしれません。みなさんを追い込む立場なんですが、追い込まれる立場でもあって、だからストレスで絶対ハゲると思いながらやっていました」と、精神的に追い込まれたといい、横浜もこれにうなずきつつ、自身としても「相当のストレスがかかっているのは分かっていましたが、自分も鏑木として本当に苦しくて」と、そのつらさが緊迫感として映し出されているといった様子。
さらに山田孝之は、実はエキストラとしても出演していたといい、「エキストラがが必要だったという現場だったので」と、サラリ。気づかなかったキャストも多かったようで、キャスト陣を驚かせていた。
イベント後半には、鏑木にちなんで共演陣が感じた横浜の“正体”についてフリップで回答していくことに。森本は『おしゃべり』(詳報記事:森本慎太郎 横浜流星“正体”に「嫌われてたらどうしようって」と思ったワケ)、吉岡は『生身』を挙げ、「アクションシーンが今回たくさん出てくるんですが、ほぼ全部横浜さんがご自身でされていて。防御していないというか、危険を顧みずすべてを映画に捧げるというのをすごく感じました。さらに心もむき出しな状態で演じているのが印象的でした」とのこと。それにあわせるように山田杏奈も『仕事人』とし「現場での印象ですけど、何かを常に考えている印象が強かったです。藤井さんとお話されているときも真剣で。アクションも手がなんて速いんだって」と、感じ入ったそう。
山田孝之は『水』として「さぁ、流星、その心は?」といきなり問いかけ、横浜はその水という字を覗き込みながら「分からないです。水!?なんですか……」と問い返したが、山田孝之は「……水」としか返さず。横浜はそこで直感を働かせたのか「人間は水でできているから」というと、山田孝之は“正解”という表情を浮かべつつ、この問答をした理由として「さっきこの質問を裏でされたときにみなさんになんて書いたか聞いたんです。それでみなさんに聞いた瞬間から大喜利になっちゃったから、もう書けないぞと思って。ふと出てきたのが“水”。あとは流星に振ろうって思って」と、流星が何を言っても正解にするつもりだったと真意を。
そして藤井監督は『武士』として「10代から見ていて、侍のような魂で“ちょっとはサボりなさいよ”って思うくらい真面目。ちょっとは休んでほしいというくらいストイックで。でも目指すものがあるからだろうなって思って」と、目を細めて話す。ここで5人の思いを受け止めての感想を振られた横浜だったが、大汗が吹き出たことに横浜が「汗の水かもしれない!」というと、山田孝之も1歩前に出て「正解!」と告げる、どこかコミカルな瞬間が。
さらに横浜自身の“正体”は?というものに『なし』と回答。「みなさんが自分の正体を言ってくださるのはありがたいのですが、自分からみなさんに自分のことをあまりみなさんに伝えたくない……。というのも、役者はミステリアスでいるのがいいなと思うし、人柄をすごく知られて作品に影響するのも嫌だし、とにかく自分は排除していきたいのでなし!申し訳ありません」と自身の考えを前面に話す。ここで司会が山田孝之へ「やっぱり水みたいですね」というと、山田孝之は「僕が1番近かったみたいですね」とニッコリ。しかし、藤井監督は「ちょっといま僕も焦ってます。もうちょっと何か言わなきゃだよって!(笑)」とツッコミつつ「でも、そういうところが流星のいいところ」と称えていた。
取材・撮影:水華舞 (C)エッジライン/ニュースラウンジ