アイドルグループ『WEST.』濵田崇裕と神山智洋が11月8日に東京・渋谷の東急シアターオーブでW主演ミュージカル『プロデューサーズ』(日本版演出/振付:ジェームス・グレイ)取材会を俳優・王林、演出のジェームス・グレイ氏とともに開催した。
1968年の同名映画をもとに、2001年にメル・ブルックスが脚本・作詞・作曲を務めブロードウェイで大ヒットとなったミュージカル作品。落ちぶれた陽気なプロデューサーのマックス(濵田)と気弱な会計士でマックスに振り回されるレオ(神山)がタッグを組み、“史上最低”なミュージカルを作って一獲千金を狙うてん末をコミカルに描く作品となっている。
フォーマルなステージ衣装で登場した濵田と神山。けいこに当たって濵田に演技をさまざまに尋ねたそうだが「コメディー部分はいろんなシーンに散りばめられてて、ここどうやったら面白くなるんやろって、答えが出がない時は、濵ちゃんどう思う?って聞いてました。めっちゃおもろいやん!っていうのが絶対に返ってくるんです。めちゃくちゃ頼ってましたね」と頼り切っていたそう。そんな頼れる濵田だったが、「ほぼほぼ新納(慎也)さんに助けて頂きました」と、濵田は濵田で信頼できる人がいたそうだ。すると、ジェームス氏も「新納さんは毎日新しいネタを出してくるんです。いろんなネタを提供してくれました」と、けいこ場では新納慎也がキーマンの1人だった様子も窺わせていた。
続けて、けいこ中に濵田と神山の間でそれぞれに新しい発見は?という質問が。濵田が「僕はしたことなくて、舞台のとき神ちゃんこうしてるんやってことがあって、楽屋に(粘着カーペットクリーナーの)“コロコロ”を持参してて、えっ、神ちゃんこんなに綺麗にする人なんや!?って」と、その様子をジェスチャーで表現。これに神山は「そうですね(苦笑)。楽屋って休む場所なんで、そこにホコリがあると気になっちゃって」と心境を。
一方、神山は「一緒にお芝居をしたことはあっても2人というのは初めてで、けいこ場で濵ちゃんのマックスの演技が体を使って表現するってときに、僕も条件反射でやっちゃうんです」と、神山が劇中でも濵田とともに見せていた“のけぞる”ジェスチャーをいきなり披露し「20年の付き合いだからこそ成せることなのかなって。そういうことがあるから最初からぱぱぱぱって、ここ、こうしたいやろなって分かるんです。そういうものをあらためて実感しました」と、意思疎通がスムーズに行っているよう。濵田も「このメンバーではたぶん成立しないシーンがたくさんあって、2人だからこそのシーンがあって、勝手にシンクロしていて。阿吽の呼吸というものなのかも」と、実感を話していた。
ジェームス氏からは「2人は『WEST.』としても長年活躍されていますが、舞台上でのパートナーシップも楽しみ頂きたいです。レオとマックスとしても生き生きとしているので」と目を細めていた。
そして、濵田から「来てくださるみなさんを別空間にお連れして、帰るときにはちょっと華やかな気持ちになって帰ってもらえるように頑張りたいと思います」とメッセージを寄せ、神山は「9年ぶりミュージカルなので僕もほぼ初くらいの気持ちで、ゼロから始めるくらいの気持ちで臨みました。いろんな発見が毎日あって、毎日ハラハラして、その毎日が刺激的で素晴らしい音楽、素晴らしいセッションをしていました。カンパニーがステージの上でキャラクターとしてしっかり生きて、ここに来てくださったみなさんの胸を打つような感覚を、来てくださった1人1人に届けられるような気分になるようにと思っています。ケガなくカンパニー一同走りきれるように」と、心境を披露していた。
ミュージカル『プロデューサーズ』東京公演は11月8日から12月6日まで東急シアターオーブにて上演予定!
※別記事
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■あらすじ
かつてはブロードウェイでヒット作を飛ばしたが、今は落ち目のプロデューサー、マックス・ビアリストックは、打ち出す芝居がことごとく不入りで破産寸前。
彼のオフィスに会計事務所から気の弱い会計士レオ・ブルームが派遣されることから、話はひょんな方向へ転がり始める。
帳簿を調べていたレオは、成功した芝居よりも失敗した芝居のほうが利益を産むことに気づく。
それを聞いたマックスは、計画的に芝居を失敗させて出資者から集めた資金をだまし取り、もうけする詐欺の方法を思いつく。
マックスはブロードウェイのプロデューサーになるのが夢だったレオを丸め込んで、一世一代の詐欺興行を打つべく、「最悪の脚本家、最悪の俳優、最悪の演出家」を探し始める。
ようやく探し当てた脚本は、ヒトラーをこよなく愛するドイツ人のフランツ・リープキンが書いた『ヒトラーの春』。
何とかご機嫌をとって契約をものにして、次に最低の演出家ロジャー・デ・ブリとアシスタントのカルメン・ギアをスカウト。
マックスは乗り気ではないロジャーを「トニー賞を取れるかも」とおだててその気にさせ、女優志望のろくに英語がしゃべれないスウェーデン娘ウーラを主演女優に迎え、ホールドミー・タッチミーらニューヨーク中の裕福な老婦人達から色仕掛けで巻き上げた出資金を元に、
史上最悪のミュージカル製作に乗り出していく。
取材・撮影:水華舞 (C)エッジライン/ニュースラウンジ