俳優・のん主演で俳優・田中圭、滝藤賢一、田中みな実、服部樹咲、髙石あかりらが共演し12月27日より全国公開を予定している映画『私にふさわしいホテル』(監督:堤幸彦/配給:日活/KDDI)。本作の田中のシーンの場面写真が公開となった。
新人賞を受賞したにもかかわらず、未だ単行本も出ない不遇な新人作家・相田大樹こと中島加代子(のん)。その原因は、大御所作家・東十条宗典(滝藤賢一)の酷評にあった。文豪に愛された「山の上ホテル」に自腹で宿泊し、いつかこのホテルにふさわしい作家になりたいと夢見る加代子は、大学時代の先輩で大手出版社の編集者・遠藤道雄(田中圭)の力を借り、己の実力と奇想天外な作戦で、権威としがらみだらけの文学界をのし上がっていく……というストーリー。
本作で田中圭は、新人賞を受賞したにもかかわらず、未だ単行本も出ない不遇な新人作家・相田大樹こと中島加代子(のん)と大御所作家・東十条宗典(滝藤賢一)の担当編集者の遠藤道雄を演じている。遠藤は裏で策略を練り、時には味方、時には敵にもなる、一筋縄ではいかないキャラクターで、憎らしいところもあるが、頼りたくなるようなキャラクター。憎たらしさと信頼感を持ち合わせる役柄となっている。
本作での遠藤役は、田中の多面的な演技が光る役柄。常にクールで飄々としている一方、カラオケで熱唱したり、時折見せる笑顔など人間味が垣間見えるキャラクター。彼の内に秘めた編集者としての野心が、田中の表情などから滲み出るところが見どころ。
堤監督は田中について「付き合いも長く、ドラマも映画も一緒にやりましたが、昔からとにかくうまい方という印象です。遠藤には、『売れてなんぼ』という信念もあり、ヒットの力学と個人の究極の芸術である文学との狭間で生きている人。多分彼も大学の時は小説を書いていたけれども、早々に筆を折って編集者になったのかもしれない。その歪みみたいなものが、田中さん演じる遠藤の目線から見えるんです」と、評している。
公開された場面写真ではオフィスで電話をする場面や山の上ホテルにいる遠藤の姿が、どこか昭和の雰囲気を漂わせている。
※記事内画像は(C)2012柚木麻子/新潮社 (C)2024「私にふさわしいホテル」製作委員会