2015年2月に静岡・沼津市の海辺の町・内浦を舞台としたオールメディアプロジェクトとして始まった『ラブライブ!サンシャイン!!』。スクールアイドルグループ『Aqours』の高海千歌(cv.伊波杏樹)、桜内梨子(cv.逢田梨香子)、松浦果南(cv.諏訪ななか)、黒澤ダイヤ(cv.小宮有紗)、渡辺曜(cv.斉藤朱夏)、津島善子(cv.小林愛香)、国木田花丸(cv.高槻かなこ)、小原鞠莉(cv.鈴木愛奈)、黒澤ルビィ(cv.降幡愛)の9人の物語が紡がれている。
その聖地の1つに『Aqours』メンバーの1人・小原鞠莉(おはら・まり)の自宅である“ホテル オハラ”のイメージのもととなった淡島ホテルがある。東海旅客鉄道株式会社(JR東海)が2024年9月27日から2025年3月31日の秋・冬期間に富士山とセットで楽しめる旅をテーマにした『もれなく富士山キャンペーン』を展開中で、そのプランのうちの1つに淡島ホテルへの宿泊があり、本サイトスタッフも体験してみた。
淡島ホテルは無人の離島・淡島にあるホテルのため、内浦から船で向かうことになる。毎時00分、15分、30分、45分に陸から淡島マリンパーク・ホテル行の船が運航している(18時30分以降は30分おきの運航)。
上陸して建物に入る前に『淡島ホテル』の下にあるホテルオハラのロゴ入りのプレートが見える。そのロゴから後ろを振り返ってみると、劇中や公式スピンオフ作品『幻日のヨハネ -SUNSHINE in the MIRROR-』(以下、)でもお馴染みのガーデンの噴水が見え、聖地に来たんだと、一気に気持ちが高ぶる。
エントランスに入ると、ヨーロッパ風の調度品が目に飛び込んできて、非日常に一歩足を踏み入れたような気分にもなってくる。館内は全60室で、そのどれもがスイートルームという豪華さ。そんな造りになっているのも、かつては会員制のホテルであったり、淡島に渡る方法で船以外にロープウェイが通っていた、ぜい沢な時代があったことに関係があるのかもしれない。
チェックインすると、金色の鍵を手渡される。最近のホテルではカードキーなどが主流だが、こういった部分もより気分を盛り上げるスパイスになっている。
鞠莉の部屋は最上階・7階先端に位置する1番眺めがいいという710号室。ここは実際に創業者の方の執務室だったといい、ほかの部屋とは調度品など少しグレードアップされているものという。
また、館内でもう1ヶ所、聖地というよりミュージアムに近いが、声優キャストのサインやグッズなどが展示されている部屋が2階、位置的には入口の上部にある小部屋で楽しむことができる。ファン・キャストともども『ラブライブ!サンシャイン!!』というコンテンツへの深い想いを感じられるような場所になっている。
本サイトでは、今回の取材にあたり今年5月から新たにコラボを担当されSNSなども更新されているスタッフの方、いわゆる“中の人”に直撃インタビューを敢行した。以下、主なやり取り。
――コラボのきっかけは?
鞠莉お嬢様が住んでいらっしゃるというのが大きな点です。淡島ホテルは、以前は会員の方しかご宿泊できない施設でしたが、会員以外の方のご宿泊も可能になり、何よりラブライブ!サンシャイン!!の中で描かれたことにより、1つの聖地として沼津を盛り上げていければとの思いで、コラボが始まりました。
――コラボをされる際に心がけていることは?
『Aqours』のいちファンとして、お客さまに喜んでもらえ、『Aqours』と沼津の魅力を伝えることを念頭に置いています。そこで、1つ1つのことに意味があるよう心がけています。
――不定期でコラボされていると思いますがそのときの反響の手応えは?
コラボルームを販売させて頂きましたが、その際はみなさまのおかげで目標数を販売いたしました。それと、『Aqours』のお誕生日お祝い企画でパウンドケーキを販売した際も予定数を上回り完売したので非常に良い手応えを感じています。
――コラボをやってみて大変だったことや、やってよかったと感じたことは?
今年で4回目を迎える鞠莉お嬢様のお誕生日お祝い企画であるマリーズバースデーが思い出深いです。開催から1ヶ月半を切った状態で企画担当となったため、至らないところも多数ありましたが、最大限務めさせて頂きました。海外からもお客さまがいらしたのが印象的でしたね。
やってみた結果、多くのお客さまより満足のお声を頂戴することができ、お喜び頂けたことを嬉しく思いました。
――館内の聖地としての人気の撮影スポットは?
ガーデンの噴水、ロビーおよびエントランスですね。
――これから訪れたいと考えている方へメッセージをお願いします。
『ラブライブ!サンシャイン!!』にて描かれたこの場所で、『Aqours』の歌を聴きながらご自身の思い出に浸り、自由気ままに淡島ホテルでしか味わうことのできない非日常的な体験をしていただき、淡島ホテルや沼津の魅力を再発見していただければ幸いです。みなさまとお逢いできますことを心より楽しみにしております。
以上
対面でスタッフの方にお話を伺っていると、実際に文章上の編集でもなんでもなく、何度も「鞠莉お嬢様」と、作品の世界観を保つような、話し方をされている様子が印象的だった。こうしたスタッフの方たちの姿勢も、淡島ホテルのサービスの魅力の1つに繋がっているのかもしれない。
各部屋にはバルコニーもあり海に面しているということで、寄せては返す波音が聴こえる。この波音を聴いているだけで、劇中やアイキャッチで流れていた波音を聴いているような体験ができるものとなっていた。
ほか、淡島島内にはほかにも聖地が多く点在。松浦果南の実家のモデルとなったカエル館があったり、劇中にもたびたび登場するあわしまマリンパーク、さらに、標高137メートルの淡島中央山上にある淡島神社もあり、マリンパーク園内お土産売り場で販売されている絵馬をかけることもできる。宿泊すると午前6時から散策することもできる。人のいない時間、朝の新鮮な空気を吸いながら、また違った気分で聖地を巡礼できる体験ができるのも、宿泊者ならではというところかもしれない。
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取材・撮影:水華舞 (C)エッジライン/ニュースラウンジ