“ゆきりん”ことAKB48の柏木由紀がプロデュースする『アイドル修業中♡』公演公開ゲネプロが3日、東京・秋葉原のAKB48劇場で開かれ、その内容がメディア向けにお披露目された。
今年4月8日にSHOWROOMで発表されていた新公演。これまでにも、AKB48では田原総一朗や田中将大、牧野アンナといった著名人がプロデュース公演をしており、メンバーでも村山彩希が『レッツゴー研究生!』公演を開いている。メンバーは16期生とドラフト3期生で組み上げており稲垣香織、大竹ひとみ、勝又彩央里、黒須遥香、小林蘭、庄司なぎさ、鈴木くるみ、田口愛佳、多田京加、田屋美咲、本田そら、前田彩佳、道枝咲、安田叶、矢作萌夏、佐藤詩織の16人となった。
その1曲目は『キミが思ってるより…』から。アイドルの王道を行くような楽曲からスタートを切ると『NEWSHIP』、『JK眠り姫』、『彼女になれますか?』と続ける。ユニットコーナーでは、それぞれカラフルで可愛らしい衣装で登場するメンバーが多い中、矢作はソロで『虫のバラード』を歌唱するという魅せるシーンもあった。
ドラフト3期生と16期生の集まりということで、初々しさが全開のMCなど、フレッシュさを感じさせる雰囲気で自身のキャッチフレーズなどであいさつ。「ゆきりんさんといえば流し目だと思うので、たくさん流し目したいです!」というメンバーや、「劇場に立ちたかったので初めて立てて嬉しいです」と、喜ぶメンバーも。
そのなかで4月1日に行われたさいたまスーパーアリーナでの公演でステージから落下し後頭骨を骨折した稲垣香織は「みなさんにご迷惑と心配をおかけしてしまってごめんなさい」と、一言お詫びするとメンバーたちから「おかえり!」の温かい声が飛び、「ゆきりんさんのダンスがカワイイので、そんなダンスを目指したいです」と、前を向いていた。
終了後には柏木、鈴木、田口、矢作の4人で囲み会見に臨んだ。柏木は自分の名前が冠になる公演へ、「メンバーがメンバーをプロデュースするというのは迷いがあったんですけど、AKB48の将来を担う大事なメンバーたちのために何かできることがあったらと思って引き受けました」と、グループの未来を見据える気持ちが強かったという。
後輩たちの姿を見ていて公演タイトルも決めたようで、「初心に返るというか。劇場公演って、私も最初に入ったときもこの公演しかお仕事がなくて、とにかくこの公演をどう頑張ったら世に出ていけるか、人気が出るかとか、いっぱい修業した場所なので、今回のタイトルもそういう思いを込めました」と、自分の体験が詰め込まれたものになったよう。
後輩たちへは「レッスンも参加できるときはできるだけ見に行って。だからきょうのゲネプロは母親のような気持ちでほほ笑ましく見守っていました」と、目を細める柏木。そこでゲネプロに点数をつけてもらうようリクエストすると柏木は「100点……甘い?」と、さっそく親心を見せたが、3人から「甘いです(笑)」と、ツッコミを入れたため柏木も「あしたは200点を目指してもらって(笑)」と、遠慮なくハードルを上げた。ちなみに、この100点になった理由へは、「ドラフト生は初めての公演で、なかなか戸惑っていたり葛藤したところも見ていたんです。すごくみんなが楽しそうでキラキラ輝いていたので」と、説明も。
プロデュース業へは、柏木は「メンバーを選ぶのは荷が重いなと思ったのでダンスの先生や歌の先生にお願いしました。そこでオーディションとか、歌う曲とか髪型とか衣装とかをやらせて頂きました。ステージに立つ側の気持ちが分かるのでこういう衣装を着たらテンション上がるのかなって。鏡の前に1人ずつ座ってもらって、髪型を試行錯誤して、それぞれの似合う髪型をしました」と、ステージに立つメンバーたちへのこだわりが発揮されているとのことで、「自分のなかで持っているものは全部出しました。お話を受けると決めた段階で、レッスンもお仕事以外でもできることをと思ったし、気になったことは絶対言おうと。あとは自分が11年間培ってきたポイントだったりをそこまで含めてプロデュースと思ったんです。全部伝えました。言ったこと守ってくれれば、私よりもすごいアイドルになってほしいなと思って」と、熱い胸の内を語った。
そこで、メンバーたちに柏木のプロデュースぶりを尋ねると、矢作は、「ゆきりんさんが編み出したアイドルとしてのこうするとよく見えるということを教えてくれました。間奏の使い方とか、いっぱいあります」と、ノウハウを教えてもらったそうで、鈴木は「1列目の子は頑張らなきゃいけないよと言われて。1列目が頑張ったら2列目、3列目も頑張れるからって言われて、やっぱりゆきりんさんはすごいなって」と、頑張りの大切さを。田口は「自分のやっているパートで感情を込めすぎて振りが小さくなっちゃったときに、私が歌ってるんだよって、会場にいるみなさんが、自分を見るくらいにアピールすることが大切だよって。私の知らないゆきりんさんが見れました」と、技術が伝授されたようだった。
さらに、ついていくメンバーたちも取り組みが真剣だったようで、柏木が「言ったことを吸収するのが早いんです。『だけど…』という曲で、ダンスがあったら、ダンスでもそれっぽく見えるけど、ダンスのまったくないところで、『自分で世界観を考えて、自分でこういう表現をしようと考えてほしい』と言ってから、歌詞を読んで考えてくれて、1曲の中に物語が見えるようになって。勉強熱心、練習熱心で、AKB48の未来はすごく明るいなって思いながらレッスンを見ていたんです」と、後輩たちの姿勢に感心していた。
記者たちからは、村山彩希がプロデュースした公演のように、メンバーに何か大事があった際に“代打・俺”のように柏木の出演はあるのかとの質問も挙がったが、「どうにもならないときの責任は持ちたいですけど、1回保留でいいですか」と苦笑いしつつ、その保留理由へ「チームフレッシュということがあるので。そのときプロデューサーとして考えます」と、フレッシュさということを気にしているようだった。
最後に矢作から「ドンドン盛り上がって、最高の公演じゃんと言ってもらえるように」といえば、田口は「やったことのない曲がたくさん入っていて、これまでよりも変わった自分を見せることができる公演かなって思っているんです。ゆきりんさんの思っていることも吸収してゆきりんさんのファンの方にも認めてもらえるような公演にしたいです」と、抱負を。鈴木は「ゆきりんさんに衣装を決めて頂いたりして、本当にキラキラしているとスタッフさんから言われて嬉しかったんです。ゆきりんさんはなんでも分かってると思ったので、そういう意見とかも自分のなかに入れていきたいです」と、意気込んだ。
そして柏木から「自分の名前が入った公演をやらせて頂いて嬉しく思います。文句1つ言わず一生懸命レッスンを頑張ってくれた後輩にも感謝しています。劇場に来たことがある方も、そうではない方にも劇場の良さが伝わるような公演になっていると思います。たくさんの方に足を運んで頂けたら」と、呼びかけていた。
■セットリスト
Overture
M1:キミが思ってるより…/ALL
M2:NEWSHIP/ALL
M3:JK眠り姫/ALL
M4:彼女になれますか?/ALL
M5:Blue Rose/大竹、庄司、黒須、本田そ
M6:投げキッスで撃ち落とせ!/鈴木く、田屋、道枝、勝又、小林、多田
M7:蜃気楼/稲垣、前田
M8:ツンデレ!/田口、安田、佐藤詩
M9:虫のバラード/矢作
M10:RIVER/ALL
M11:最終ベルが鳴る/ALL
M12:シアターの女神/ALL
M13:そばかすのキス/ALL
M14:だけど…/ALL
EN1:遠距離ポスター/ALL
EN2:チームFresh推し/ALL
EN3:君と虹と太陽と/ALL
※レギュレーションにより記事内写真を5月11日に削除しました。