大洗あんこう祭2024『ガールズ&パンツァー』キャストトークショーが11月17日に茨城・大洗のひたちなかエネルギーロジテック大洗マリンタワー前芝生広場で開かれ“カメさんチーム”角谷杏役の福圓美里、“あんこうチーム”武部沙織役の茅野愛衣、五十鈴華役の尾崎真実、秋山優花里役の中上育実、冷泉麻子役の井口裕香、プロレスラー・蝶野正洋が登場した。
戦車を使った武道「戦車道」が大和撫子のたしなみという世界で、女子高校生たちが『戦車道』を繰り広げるハートフルタンクストーリーとして、2012年から13年にかけTVアニメが放送され人気を博した“ガルパン”の略称で知られる『ガールズ&パンツァー』。TVアニメのその後を描いた『ガールズ&パンツァー 劇場版』も15年11月に公開され1年以上上映され続けるという異例のロングランとなり、25億円を超える興行収入というアニメ映画史にも名前が残るものとなった。17年12月からは『最終章』と題して、劇場版のさらにその後を全6話で描いており現在第4話までが上映されている。
以下、公式レポート部分。
2024年の11月16日~17日、茨城県大洗町で開催された「商工感謝祭&大洗あんこう祭2024」。17日、アニメ『ガールズ&パンツァー』に出演するキャストたちのトークショーが開催された。コロナ禍以前は「あんこう祭」の恒例だったこのトークショーは、昨年、屋内会場のトヨペットスマイルホール大洗(大洗文化センター)で4年ぶりに復活。「ひたちなかエネルギーロジテック大洗マリンタワー前芝生広場」での開催は、なんと5年ぶりとなった。今回は、5名のメインキャストが出演し、『ガルパン』や大洗についてのトークで会場を沸かせた。そのイベントの模様をレポート!
大洗マリンタワー前芝生広場での『ガルパン』イベントは、今年3月の「海楽フェスタ2024」以来。午前中にはにわか雨が降り、一時は天候が危ぶまれたものの、お昼には快晴に。11月とは思えない20℃近い暑さと強い日差しの中、トークショーはスタートした。
まず、司会を務める鳥居玲(バンダイナムコフィルムワークス/プロデューサー)の呼び込みにより、出演キャストが登壇。福圓美里さん(角谷 杏役)、茅野愛衣さん(武部沙織役)、尾崎真実さん(五十鈴 華役)、中上育実さん(秋山優花里役)、井口裕香さん(冷泉麻子役)が姿を現すと、満員の観客から大きな拍手と歓声が上がった。福圓さんは「晴れて良かったね!」と元気に挨拶。「みんな、ただいまー!」と茅野さんが呼びかければ、「みなさんの元気がすごく伝わってきて」と尾崎さんがその熱気に驚く。中上さんは、恒例となっている舞台上からのパノラマ撮影にチャレンジ。最後は井口さんが、「楽しい時間を一緒に過ごしましょう!」と場を盛り上げ、トークが開始された。
最初のトークテーマは、「久々のマリンタワー前広場で開催されることへの心境」。福圓さんは、「こんなに暑かったっけ?」と、この日の気温に触れると、「過去一なのでは?」、「以前は震えていたこともあったのに」など、キャストたちから過去の思い出を交えた感想が次々と飛び出す。「海楽フェスタ2024」にも出演した中上さんと尾崎さんは、「人の密集度が違いますね~」と、遠方までギッシリと埋まった観覧スペースをまじまじと見つめていた。
福圓さんが大洗のイベントに参加するのは2018年の海楽フェスタ以来。久々となる念願の大洗でのイベントとなり「今、めちゃくちゃ嬉しいです!」と感慨深い様子。一方、ほかの4名は、屋内で開催された昨年のイベントにも参加。茅野さんは、朗読などもあった昨年のイベントを「楽しかった」と振り返りつつ、「たくさんの方に一度にお会いできる。“これがあんこう祭だな”と思いました」と、屋外ステージの魅力を再確認。頷いて聞いていた尾崎さんも、「今日はないけれど、ステージにあんこうの切り身が転がっていたり(笑)、そういったところも醍醐味」と、同じステージで“あんこうの吊るし切り”が見られるこのお祭りならでは楽しさにも触れていた。
この日、2つ目のトークテーマは、「大洗のオススメポイント」。
福圓さんは、「『ガルパン』が町に溶け込んでいるのが奇跡」と切り出す。昨夜から大洗入りしていた福圓さんは、ホテルでの夕食時に戦車を模した「カーベーたん(KV-2)ケーキ」を提供されたそうで、従業員から当たり前のように戦車の名前が出てくることに驚いたと振り返る。茅野さんは、「今年の頭にプライベートで大洗に来ていました。2月のあんこう鍋(どぶ汁)がどうしても食べたくて」と明かす。そのときにアクアワールド茨城県大洗水族館を訪ねたそうで、「すごく良かった。見応え十分」と強くオススメしていた。
尾崎さんが挙げたのは磯前神社。過去にあんこうチームでヒット祈願をしてもらったこともあり、「すごく気持ちが良いところ。鳥居から見える海も綺麗」とその素晴らしさを熱弁。中上さんは、大洗の海をピックアップ。イベント当日の早朝に散歩しながら海辺も歩いたそうで、その絶景に魅了された様子。井口さんは、麻子のパネルが飾ってある大洗ホテルが「推し」。「部屋から見える夕日や朝日が綺麗。麻子ちゃんのパネルもぜひ写真に撮ってね」と、キャラクター愛も感じさせるオススメを聞かせてくれた。
続いては、大洗町のPRコーナー。ステージには、大洗オフィシャルアンバサダーであり、『ガルパン』応援大使も務める蝶野正洋さん、大洗町役場商工観光課長の長谷川さんに加え、大洗町の公式イメージキャラクター「アライッペ」、『ガルパン』からはボコが合流。ここでは蝶野さんと長谷川さんから、町のPRポイントが紹介された。さらに茨城県警察本部からも、『ガルパン』ファンに嬉しいお知らせが。自転車のヘルメット着用が努力義務化されたことをPRするため、西住みほと島田愛里寿がイメージキャラクターに就任。自転車に乗るみほと愛里寿が描かれたイラストパネルが披露された。
再びトークテーマは作品に戻り、昨年、第4話が上映された『ガールズ&パンツァー 最終章』の魅力についてトーク。
福圓さんが挙げたのは、「第4話の継続高校戦で、澤(梓)ちゃんが頑張るシーン」。澤役の竹内仁美さんとはアフレコ現場も一緒だったそうで、収録を見ていて「涙ぐみそうだった」と、当時を回想した。さらに、ウサギさんチームの成長を「親の目線で見ちゃう」と振り返ると、茅野さんも「福圓さんと同じ!」と反応。「沙織としてウサギさんチームを親の気持ちで見ていたから、あの活躍には涙、涙です」と重ねる。
尾崎さんは、『最終章』第1話で描かれた「大洗の学園艦の船底」を挙げる。サメさんチームとの出会いの場所でありながら、学園艦の中に治安の悪い場所が存在していた衝撃を言葉にしていた。
中上さんは、優花里が「『最終章』第1話で、BC自由学園への潜入捜査に失敗したシーン」。優花里の潜入失敗に、中上さんも悔しい思いをしたそう。井口さんは、映像も大迫力だった『最終章』第4話の雪山での戦いを挙げる。第4話はあんこうチームで4D上映版を見に行き、水しぶきや雪の表現には驚いたと語る。さらに、4Dという上映方式がメジャーになる以前、茅野さんが「戦車に乗っている感じで揺れながら見たい」と希望していたことが現実となったことにも感慨深さを覚えていた。
また、『最終章』第4話であんこうチームが早々に敗退した直後、中心となって指揮を執っていた杏の心境について問われた福圓さんは、「杏も少し動揺したと思います」と分析。一方で、「杏を有能だと思ったのが、“みんなどう思う?”と聞いたこと。そうやって全員で答えを考えて出したことで、チームの士気が下がらないように盛り上げた。理想の上司。ぜひ起業家になってほしい(笑)」と、彼女の行動を讃えた。福圓さん自身も、そんな役割に応じて、いつもより明るくパキパキした演技を心がけたそうだ。
『最終章』第4話では尾崎さん以外、兼ね役(一人二役以上務めること)が誕生。茅野さんは継続高校のタミ、中上さんが継続高校のトミ、井口さんは聖グロリアーナ女学院のピーチ、福圓さんは同じく聖グロのクランベリーを担当。中上さんは茅野さんと兼ね役同士での会話シーンもあったため「優花里と沙織じゃないキャラクターで会話をするのは不思議な感覚でした」と、その経験を語ってくれた。茅野さんも第4話後半のサウナのシーンで、沙織とタミ役を交互に演じる必要があり、「表情と感情が忙しかった(笑)」と、兼ね役ならではの苦労を明かしてくれた。
一方、聖グロのキャラを兼ね役とした井口さんは、「ピーチを本役とします(笑)!」と衝撃の宣言をすると、ほかのキャスト陣が「ホントに?」と猛ツッコミ。「麻子より喋る可能性が高い……」という理由には、全員、納得の表情を浮かべていた。福圓さんは、ボコミュージアムのパンダ以来の兼ね役で、「さらにキャラクターを掴みます!」と、クランベリーの今後の登場に備えて気合を入れ直していた。
イベントも終盤に入り、『ガルパン』から様々なニュースを紹介。大洗での新たなキャラクターパネルの登場や、知波単のメンバーが登場するドラマCDや『最終章』の小説といったオフィシャルの展開が発表された。また、麻雀をイメージした描き下ろしグッズを取り扱うPOPUPストアの開催が決定し、さらには『ガルパン』仕様の麻雀牌の制作も進んでいるそうだ。
また、12月22日には、ホテルテラスザガーデン水戸で「ガルパン秘密の部屋」が開催。参加する福圓さんと尾崎さんは、イベント開催の日を待ちわびている様子だった。
約1時間のトークショーも、そろそろお別れの時間に。最後はキャストそれぞれからメッセージが届けられた。
「やっとこの場所に帰って来られました。我々、また来年、再来年と皆さんとお会いできるように『最終章』も頑張っていきますので、ぜひ繰り返し『ガルパン』を観て愛していただければなと思います。このあともあんこう祭、楽しんでいってください!」(井口さん)
「本当にこの景色が見られてすごく感動しています。『ガルパン』を長く愛してくださって、大洗も楽しんでいただいて、みなさんありがとうございます。秋山優花里としては、恒例のあのセリフをまだ叫んでないので、一緒にやってくれますか? “ヒャッホー! 最高だぜー!”」(中上さん)
「またこうして皆さんの前にいられること幸せに思っています。『最終章』は残り2話となりましたが、大切に心を込めてアフレコしていきたいなと思います。皆さんも『ガルパン』をこれからも楽しみに待っていてくれたら嬉しいなと思います」(尾崎さん)
「大洗ってあったかいし、熱いし、最高だなって思いました。皆さんが『ガルパン』のグッズをたくさん身につけてくださっていて、本当に愛をたくさん感じて大好きです。来年も絶対に会いに来たいと思っています。そのときはみぽりんも一緒に来たいなと思います」(茅野さん)
「みなさんのひとりひとりの応援が、こうして2024年も『ガルパン』という作品が発展し続けている理由だと思います。さっき、西住ちゃん(=渕上舞さん)からも「思い届けます。楽しんでくださいね」とメッセージをもらいました。ここ大洗に来ると、あまりに素敵すぎて涙腺が弱くなります(笑)。これからも『ガルパン』と大洗を皆さんよろしくお願いします!」(福圓さん)
最後は再び、蝶野さん、アライッペ、ボコもステージに合流し、来場者を含めた全員で記念撮影に。最後は福圓さんの合図で、「パンツァー・フォー!」の決め台詞&ポーズで撮影。これにてキャストトークショーは終了した。
5年ぶりにマリンタワー広場で開催された『ガルパン』イベントは、大盛況のうちに幕を閉じた。気になる『最終章』第5話、そして第6話の制作もしっかりと進んでいるということで、今後の『ガルパン』、そして大洗でのさらなるイベントにも期待したい。
※記事内写真は(c) GIRLS und PANZER Finale Projekt