俳優・西島秀俊が2025年6月公開予定の映画『時には懺悔を』(監督:中島哲也/配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント)を主演することが1月1日に発表。あわせて俳優・満島ひかり、黒木華、宮藤官九郎、柴咲コウ、佐藤二朗、役所広司も出演していることが明かされた。
中島監督の新作で構想15年をかけて作り上げられた作品。原作は作家・打海文三氏の同名小説で、重度の障がいを抱える子どもを通して描く、親子の絆の物語。およそ20年前にこの小説に出会った中島監督は「見る人の気持ちを動かす映画ができるのでは」という想いをずっと抱き続けてきたという。脚本を書き始めた当初はなかなか賛同者を得られなかったそうだが、15年というときを経て完成に至った。「過去に大きな傷を負った大人たちが、今を必死に生きる“たったひとつの小さな命”と出会い、人生の活路を見出す物語」を独自の視点と緻密な演出で描き出していく。
西島は家族との不和を抱えながら生きる男・佐竹役で主演で、中島監督と初タッグ。子を生きる糧にした男・明野(宮藤官九郎)、娘に捨てられた女・聡子(満島ひかり)、産んだ子を愛せなかった女・民恵(黒木華)、他者に関心を持てなかった男・米本(佐藤二朗)、子に全てを捧げ尽くした女・由紀(柴咲コウ)としてキャスティングされている。
今回の発表にあわせて、ティザービジュアルも公開。屈曲した小さな子どもの手と、それにそっと触れようと差し出された大人の手の、優しさや温もりが伝わってくるような仕上がり。
今回の発表にあわせて中島監督からコメントが寄せられた。以下全文。
「この子は生まれてこないほうが幸せでした」。劇中のセリフですが、そう言われた子どもがそれでも生まれ、多くの人々の心を動かし、その人の人生に影響を与える。望まれなかった命が誕生し誰かの救いになって、この世界に生まれてきた価値があると証明する。そのことと正面から向き合った映画だと思います。
過剰に人を攻撃してしまったり、心に傷を負ったまま立ち上がれなかったり、あるいは自ら壁を作りその中に閉じこもっている…そんな欠点だらけの大人達が、重い障がいを持ち生まれてきた幼い命に出会い、どう変わっていくのか。
原作小説を読んでから約20年。ずっと映画化を切望しましたが難しいと言われ続け、中止になってもおかしくない事態に何度もぶつかりながら、障がい児関連の人々など多くの人の協力と努力に支えられ、やっと完成しました。この20年間に世の中の価値観が少しずつ変わり、こういう映画が人々に受け入れられる土壌がようやく整ったことを強く実感しますし、嬉しい限りです。
主人公である佐竹同様、極度のヘソ曲がりの私ですが、この映画にはかつてなく自分の気持ちが素直に出ている気がします。伝えようとしていることの大切さや重さを考えれば気取った演出などしている場合じゃなかった。そこに監督としてのエゴを入れる余地は全くありませんでしたし、スタッフ・キャストを含め全員で作ったという実感を強く抱いています。
だからこそ、観てくれた人がこの映画をどう感じどう受け止めてくれるか、ものすごく楽しみです。どうか是非、劇場に足をお運び下さい。
■出演
西島秀俊 満島ひかり
黒木 華 宮藤官九郎
毎熊克哉 鈴木 仁 烏森まど 山﨑七海
唯野未歩子 野呂佳代 長井短 しんすけ 山下舜太 諸角優空
柴咲コウ
塚本晋也 片岡鶴太郎/佐藤二朗
役所広司
※記事内画像は(c)2025映画『時には懺悔を』製作委員会