俳優・大泉洋主演で1月17日に公開予定の映画『室町無頼』(脚本・監督:入江悠/配給:東映)。本作の新場面写真が1月7日に公開となった。
直木賞作家・垣根涼介氏の、自らの力で時代を切り拓く「無頼」たちを描いたアクション・エンタテインメントの同名作が原作。大泉は、己の腕と才覚を頼みに世直しの野心も持つ蓮田兵衛役で作品を主演する。ほか、兵衛に拾われ、身も心も成長する才蔵役に『なにわ男子』長尾謙杜、才蔵に棒術を教え込む老師に柄本明、民を虐げ、ぜいたくにふける有力大名・名和好臣に北村一輝、高級遊女にして男たちの間を漂う絶世の美女・芳王子(ほおうじ)役に松本若菜、幕府から治安維持と取り締まりを任される悪党一味の首領・骨皮道賢に堤真一がキャスティングされている。
今回公開された場面写真は、長尾演じる才蔵にフォーカスを当てたもの。才蔵は天涯孤独の身で絶望の中にいたが凄まじい棒術の才能を秘めており兵衛に拾われる。汚れた川へと落ち、緑色のボロ服をぐっしょりと濡らした姿を揶揄され、以降、才蔵は「蛙」と呼ばれることとなる。「蛙」から始まった長尾謙杜演じる才蔵の物語は、兵衛や老師(柄本明)との出会い、命を賭けた地獄の棒術の修行、様々戦いを経て、遂には“無敵の棒術”を身に付けた「最強」への成長譚として描かれる姿を、場面写真とともに感じ取れるものとなっている。
長尾は以前から、「いつかヒーローのような役を演じてみたい、アクションにも挑戦してみたいと思っていた」と思い入れがあったという。それだけに才蔵を演じるにあたって「無邪気さもありますが、どこか肝が据わっていて、ちょっと落ち着きがあるところもある。いろいろなものに対して本当にまっすぐな気持ちを持っている素直な少年」と分析しつつ、「この映画は、ある意味では“才蔵の成長の物語”だと思います」と語る。
撮影を経て精悍な顔つきになっていく長尾へ、大泉も、「才蔵と長尾くんというのが見事に被る感じがありました。本当に長尾くんがどんどんかっこよくなっていくのが、見ていて痛快でしたね。衣装さん、メイクチームも本当に素晴らしくて、どんどん彼の見た目も変わっていくのだけれど、それに応えて、長尾くんのお芝居も変わっていった」と評価している。
最強の棒術を駆使するキャラクターとして、アクションを見事にやり遂げた長尾に、アクションにも定評のある骨皮道賢役の堤も感じ入ったそう。「(棒などを使った)長もののアクションというのは本当に難しい。彼はとにかく難しいことを何回も何回もやっていた。もう永遠に終わらないんじゃないかなと思うぐらい大変な技をやっていました。しかも鮮やかにやらなきゃいけない。できたからOKではなくて、鮮やかにできて初めてOKになる。足で蹴り上げて棒を持つとか、それだけをやれと言ったらできるかもしれないけれど、流れの中でやるのは簡単に見えてとても難しい」と、唸っていたそうだ。
ただならぬ存在感を放つ主人公・蓮田兵衛役の大泉から、「まだ20歳そこそこの長尾くんが、50歳の僕が演じた役の風格をどこか感じさせるように最終的にはなっていた。『すごいな、長尾くんは』と思いましたよ。最初は本当に子供みたいでかわいいのだけど、最後は本当にかっこいいなあと」と、賛辞を送っている。
※記事内写真は(c) 2016 垣根涼介/新潮社(c)2025『室町無頼』製作委員会