元TBSの枡田絵理奈アナウンサー(31)、教育学者・齋藤孝氏(56)が8日、東京・新橋のスペースFS汐留で映画『ハクソー・リッジ』(監督:メル・ギブソン/配給:キノフィルムズ)公開記念トークショーを開いた。
第二次世界大戦下、戦場は沖縄・前田高地という難攻不落の150メートルある断崖絶壁“ハクソー・リッジ”。その場所に、武器を一切持たずたった1人で75人もの兵士たちを救った、実在の衛生兵デズモンド・ドスの物語が描かれる。本作は俳優メル・ギブソンが10年ぶりに監督し、第89回アカデミー賞では監督賞や主演男優賞など6部門ノミネートされ編集賞と録音賞を受賞した作品としても話題となった。
齋藤氏は本作へ「沖縄戦を舞台にしているんですが珍しいことだと思いますね。世界に配給される映画で沖縄戦が取り上げられるのは歴史的な大きな出来事で、意義があるなと思いますね」というと、枡田アナも、「ドスが人を殺しに行くというより、助けに行くんだという思いが、最初言葉で聴いたものをイメージしていたのを遥かに超えて、困難で難しいことを映画を通して感じさせられました。それとドスの奥さんのドロシーが旦那さんの背中を押すというのも感銘を受けました」と、感想を。
武器を持たない衛生兵が主人公という設定へ枡田アナは「武器を持たずに行くというのはすごいですし、その方が実在するというのもすごいです。あそこに武器を持たずにどんどん前へ進んでいくというのは想像を絶することだなと思いました」といい、もし、このような状況に置かれる家族側だったらと振られると、「決して送り出せないですよね。生きて帰ってくるのが当たり前ではないというか、奇跡のような状況なので。胸が詰まるような思いになりましたし、ドロシーが少し笑顔を見せながら送り出しているのは強さを感じました」。
見どころへは、齋藤氏は、「みんなが銃を持って戦うと言っているときに武器を持って戦いたくないというのは軍の軋轢が大変だったと思うんです。軍法会議にかけられる問題もあって、その部分は見どころだと思います。思想信条と、軍という論理がぶつかりあう瞬間ですから」と、挙げつつ、本作が伝えたかったメッセージへは「信念の力だと思います。時代の空気に流されることがあるんですが、信念のある人間が定点のように踏みとどまって何人か出てくると、ああそうなんだというのが気づく人が出てくると思うんです。信念の力が人を動かし、周りも変えていく」と、分析していた。
枡田アナからは「女性には女性で感じる部分があると思います。女性にもいろんな感じ方をして頂ければ」と呼びかけていた映画『ハクソー・リッジ』は24日より全国公開!