俳優・役所広司(62)、松坂桃李(29)、真木よう子(35)、中村倫也(31)、音尾琢真(42)、阿部純子(24)、竹野内豊(47)、ピエール瀧(51)、江口洋介(50)が12日、東京・丸の内TOEIで映画『孤狼の血』(監督:白石和彌/配給:東映)初日舞台あいさつを白石監督(43)、原作者の柚月裕子氏(50)とともに開いた。
昭和60年代の広島・呉市をモチーフとした場所が舞台。一匹狼という言葉がふさわしい一癖も二癖もある暴力団係の刑事・大上章吾(役所)と、その大上につけられた松坂桃李演じる新人刑事・日岡秀一が、地元で抗争を繰り広げている2組の大規模なヤクザ組織と渡り合っていくハードボイルド作品だ。
シックなブラックスーツで登壇した役所と松坂。役所が「放送コードに引っかかるようなことを言わないように」といえば、松坂は「放送コードに引っかかる作品ですけど」とテンポよく続け、初っ端から飛ばしたコメントが。
キャラクターについて真木は、「こういうシーンがあるから真木よう子を使ったんだなっていうところがありました。クラブのママ役ですが、話術とか腕をつかんでドキッとさせる仕草は友達に聞きました」と役作りを話したり「それに、男兄弟の中で育ったということで、子供の頃、割とバイオレンスに男の子のケンカに入っていったりして」と、荒事が多い本作でも存在感を発揮した理由を分析。
中村も「緊張で緊張で8時間くらいしか眠れませんでした(笑)。ヤクザというのもそうですけど、世代みたいなものを意識しました。先輩方が年輪といろんな経験を重ねて年輪を重ねて、世代によって(魂の)炎の形も色も違うんじゃないかなって。それで、先輩方に紛れて消えてしまわないようにと意識して、作品に貢献できるようにと思って」と、気合を入れていたことを明かしていた。
一方、ピエールはといえば白石監督に「“鬼畜どんぐり”というあだ名をつけているんです。男のバイオレンスを可愛らしく撮ってくれるんです」と評して、爆笑を誘っていたが、中村は「現場に行って台本にないことを提供してくれたり、毎回自分もそうですし、先輩方も白石組に参加して、役者がうずくディレクションをもたらしてくれるので。友達の俳優からも紹介してくれと言われるんです」と、周囲から高評価であるとフォローも入れていた。
さらに、役所へは松坂と共演してみての印象へ、「格好いいですからね。本当に繊細に自分の役を積み重ねていくプランを持っている素晴らしい俳優さんです。それに、前も仕事しましたけど真っすぐな目の力というのが、頼もしい財産ですね」と、褒め撮影中では「呉という街で(ギャラリーが)応援してくれるんですけど、『桃李!桃李!!』という声に戸惑っていることもありました」と、松坂の人となりを感じるエピソードがあったとも披露。
それらの役所からのコメントを受けて松坂は、「(映画)『日本のいちばん長い日』からですが、今回は役柄のバディという関係性もあって、勝手ながら親のような師匠のような大先輩のようないろんなものが交ざって、大きく、分厚く、そして遠いなって感じました。この時間がかけがえのないものでしたね」と、背中から学ぶものが多かったようだった。
ちなみに、今年は役所の俳優生活40周年になるということでそのことを振られた、役所は、「松坂くんも40周年のときは全裸で仕事をしたら?」と、にやりと笑うと、松坂は「この映画ではそんなシーンないですから」と、先月公開した松坂主演の『娼年』を引き合いにしたかのような会話を繰り広げる“バディ”ぶりも見せていた。
イベント終盤には、役所の俳優生活40周年&柚月氏作家生活10周年&初日をお祝いしてバズーカがぶっ放すことに。役所の「孤狼の血!」の叫びの後にキャスト・観客で「全国制覇じゃ!」と絶叫し大盛り上がり!そこに役所から「白石監督の下でスタッフ・キャストのびのびとやらせて頂きました。魅力的なキャラクターを出演者が演じています。きょうは女性のお客さんが多いですが、男たちに『行けよ』『牙を磨いてこいよ』と言ってください(笑)」と、独特の言い回しでオススメしていた。
映画『孤狼の血』は12日より全国公開中!
※初稿にて誤植がありました。お詫びして訂正します。