舞台『千と千尋の神隠し』が『Award for BEST NEW PLAY』受賞!ロンドン老舗演劇賞で

舞台『千と千尋の神隠し』が『Award for BEST NEW PLAY』受賞!ロンドン老舗演劇賞で2

 舞台『千と千尋の神隠し』(翻案・演出:ジョン・ケアード)が2月10日朝(ロンドン時間同日夜)にロンドンで開催された演劇賞『WHATSONSTAGE AWARDS』授賞式で最優秀新作演劇賞にあたる『Award for BEST NEW PLAY』を受賞したことが発表となった。

 宮﨑駿監督が手掛けたアニメーション映画『千と千尋の神隠し』が、東宝創立90周年を記念し、『レ・ミゼラブル』のジョン・ケアード氏演出により2022年に世界初の舞台化。少女・千尋が引っ越し先に向かう途中、トンネルから八百万の神々の世界へ迷い込むところから始まる物語。人間の世界に戻るためにさまざまな出会いを経て、生きる力を呼び醒ましながら奮闘する千尋の姿を描く。2024年には、3月に帝国劇場で開幕し、4月から6月にかけ国内ツアーを上演、並行してカンパニーが渡英し、4月から8月にロンドン・コロシアムで上演(135公演)された。とくにロンドン公演は、日本人キャストによる日本語での海外上演としては演劇史上最大規模、東宝株式会社主催公演としても史上初の試みとなり、ウェストエンド最大級となる客席数約2300席を連日満席にし、約30万人を動員する反響を呼んだ。

 『WHATSONSTAGE AWARDS』はロンドンの演劇ファン参加型の歴史ある演劇賞で今年が25年目の開催。昨年末にノミネートが発表されており、舞台『千と千尋の神隠し』は、“Awards for BEST NEW PLAY”のほか、“BEST SUPPORTING PERFORMER”(増子敦貴)、“BEST SET DESIGN”(ジョン・ボウサー、トビー・オリエ)、“BEST COSTUME DESIGN”(中原幸子)、“BEST WIG,HAIR AND MAKEUP DESIGN”(宮内宏明)でノミネートされて注目を集めており、そのなかで“Awards for BEST NEW PLAY”(最優秀新作演劇賞)の栄冠に輝くこととなった。

 授賞式には翻案・演出のジョン・ケアード氏、プロデューサーの尾木晴佳氏(東宝)、共同プロデューサーのイアン・ギリー氏(PWプロダクションズ)が登壇しトロフィーを手にした。

 ステージ上でケアード氏は、妻で共同翻案の今井麻緒子やカンパニーに感謝を述べるとともに「日本とイギリスのコラボレーションにより、作品を作れて嬉しいです。イーストエンド(世界の極東)から、(ロンドンの)ウェストエンドへ作品を持ってくるのは大変な苦労がありました。ただ、すべてにおける、本当のマジシャンはスタジオジブリの宮﨑駿さんです。彼の素晴らしい映画は、私たち全員に多大なるインスピレーションを与えてくれました」とスピーチし、会場全体から大きな拍手が沸き起こり、その最後は、日本語で「駿さん、本当に有難うございます」と締めくくっていた。

舞台『千と千尋の神隠し』が『Award for BEST NEW PLAY』受賞!ロンドン老舗演劇賞で1