アイドルグループ『timelesz』佐藤勝利、俳優・髙石あかり、西垣匠、森田想、二宮健監督が2月10日に東京のユナイテッド・シネマ豊洲でW主演するドラマイズム『アポロの歌』(MBS/TBS)1話先行上映&トークイベントに登場した。
漫画家・手塚治虫のSF青春ストーリーの同名作が原作。人間のダークな部分を掘り下げた手塚治虫のノアール作品“黒手塚”とも呼ばれており、大きな叙情詩の中で、手塚が真っ向から愛を描き讃歌を謳った作品となっている。「愛のいくつかのケースについて、それが人間の生き方とどうかかわりがあるかを描きたいと思いました」との言葉を手塚が残しているこの物語を、手塚プロダクション監修のもと、現代解釈版の物語として蘇らせた作品となる。幼少期の母とのトラウマのせいで、愛を軽蔑して生きている大学生・近石昭吾役を佐藤、昭吾の幼なじみで、歌手になる夢を見ながらバーで働いている渡ひろみ役を髙石が演じる。
イベント中、二宮監督からキャスト1人1人への講評をするコーナーも開催。そこで佐藤について二宮監督は、「勝利くんに関しては初めて会った時にいろいろ話したんです。手塚治虫先生が描かれてきた作品世界観を託すという部分があって。勝利くんのパーソナルな部分を作品を通してすくい取りたいと思って。それで(佐藤が)どこか傷ついてる気がしたんです。その気持ちを、この作品なかでどこかで一緒に寄り添いながらそれを撮っていきたいという気持ちが強くありました」と話す。
この二宮監督の佐藤が“どこか傷ついてる”発言に佐藤もキャスト一同も反応。逆に監督に質問ができるコーナーになった際に、佐藤は「傷ついてるとは?」と興味津々で尋ねる。これに、二宮監督は「“傷ついてる”は強い言葉だった」と修正しつつ真意としては「普通の人とは違うキャリアで、積み上がっているパーソナリティは僕は到底わからないですが、自分の立場や構造を理解し、いい意味で疑問を持ってる人なんだなって思って。常に両極の2つの可能性を考えながら生きている感じがしたんです。それを“傷”と表現して」と、自身の佐藤への解釈を披露。
そこで二宮監督は作品内で佐藤へ「パフォーマンスとして出していいことと、そうではないことという境界があると感じで。でもこの作品では、出して良いんだよという部分をと思いました」と説明していたが、佐藤が「それは人として深みがあるってことかな(笑)」と、ざっくりとまとめて笑いを誘っていた。
ちなみに、佐藤は二宮監督にもう1つ質問が。その内容は現在『timelesz』の新メンバーを迎えるために行っている“タイプロ”の略称でも親しまれるオーディションプロジェクト『timelesz project』にもかかわってくるもので「オーディションで人を見るという経験をしているんですけど、監督はどうやって人の良さを引き出しているんですか?」と問いかける。これに二宮監督は「その人のフックになる言葉を探して、行動を探して、あえて探す中でどこでその接地面を見つけるかを考えています。まずは相手を信じないといけないし、自分はどこで反応できるだろうって。そこに敏感でいたいなって」と、教示していた。
ドラマイズム『アポロの歌』は2月18日より放送!
取材・撮影:水華舞 (C)エッジライン/ニュースラウンジ