アイドルグループ『Hey! Say! JUMP』の髙木雄也が3月29日に新国立劇場 中劇場で主演のPARCO PRODUCE 2025ミュージカル『アメリカン・サイコ』(演出:河原雅彦)取材会に俳優・音月桂、石田ニコル、大貫勇輔、演出の河原雅彦氏とともに出席した。
1991年に出版されたブレット・イーストン・エリスの小説で、犯罪物であると同時に、痛烈な社会風刺と皮肉を前面に押し出したブラックコメディ。2000年にクリスチャン・ベール主演で映画化、2013年にはロンドンでミュージカル化され、2016年にブロードウェイに進出、オーストラリア(2019年・2020年)でも成功を収めている作品。音楽は、「春のめざめ」で2007年トニー賞を受賞したダンカン・シークが80年代ムードたっぷりに作詞・作曲を手掛け、またヒューイ・ルイス&ザ・ニュースの「Hip To Be Square」など、当時の大ヒットソングも多数織り込まれスタイリッシュでご機嫌な仕上がり。この日本版となり、演出はブラックなエンターテイメント作品に定評のある河原雅彦氏が務める。
舞台は、80年代末のバブル期。NYウォール街の投資会社に勤めるエリートビジネスマンのパトリックと、彼の周りにいるヤッピーと呼ばれるエリートたちは、来る日も来る日も流行りの高級レストランで食事をし、ブランド物や見栄えのいい彼女を競う、煌びやかで閉ざされたコミュニティで生きていた。そんなパトリックには、夜になると猟奇的連続殺人犯、シリアルキラーに変身するという裏の顔があった……という物語。この主人公・パトリックを髙木が演じる。
共演には俳優・音月桂、石田ニコル、中河内雅貴、原田優一、玉置成実、高橋駿一、GENTA、YAMAGUCHI、松野乃知、ダンドイ舞莉花、エリザベス・マリー、吉田繭、加島茜秋本奈緒美、コング桑田、大貫勇輔がキャスティングされている。
以下、取材会でのコメント。
■河原雅彦
すごく順調です。とても楽しいエンターテイメントに仕上がっています。
普通の芝居というよりもショー要素が多くて、あまり目にしないタイプのお芝居だと思います。
ストーリーを追うよりも、目の前で起きることが意外性の連続で、とても斬新な作品になっています。
とにかくスタイリッシュで、ビジュアルも重要視して俳優さんに集まってもらったので、目の保養になりますし、このいろいろ言われるご時世に、ルッキズムの塊みたいな舞台です。
1989年のアメリカが舞台で、当時のヤッピーという高学歴のエリートサラリーマンを主演の髙木くんが演じるのですが、気持ちがいいくらい今の風潮と真逆のことをエンターテイメントにしている作品です。
日本語と英語は全然リズムが違うので、「アメリカン」に近づけるために英語のセリフを増やしたりしていて、出ずっぱりの髙木くんは、稽古が終わったあと英語の発音の練習をする日が2か月くらい続いて、本当に大変だったと思います。すごくスマートなエリートサラリーマンの役なのですが、髙木くんはとてもカジュアルな人なので、そこからスマートを作っていく、というのはクリアしなければいけないものが多く、どこで心が折れても不思議じゃないくらいの日々で、コツコツ一つずつ階段を上がるような日々でもあったと思います。髙木くんが担う部分が多いので、よくここまでたどり着けたなぁと感謝の気持ちもあります。
■髙木雄也
身体作りから始めて、なかなか筋肉がつかないタイプなので、本当に苦労しました。食事制限している間にもグループ仕事やライブがあって、特にライブではケータリングがたくさん並ぶのでそこにはなるべく入らないようにしたりとかなりキツかったですが、今はやってきてよかったなと思っています。メンバーは僕が頑張っていた姿を見ているのでぜひ観に来てほしいですね。
セリフも歌も英語もあって、稽古中は大変じゃないものが無かったです(笑)。でも出演者の中で誰一人大変じゃない人がいないので、これは頑張らなきゃいけないとギアが入りました。
今はいろんなことを考えながら発言しなければいけなかったりと窮屈な時代ですが、観てくださる方の世代によって見方が全く変わってくる作品だと思います。何も考えず、バカになって帰っていただけるくらい楽しんでもらえたら嬉しいです!(笑)
■音月桂
出演者の皆さんがスタイリッシュでカラフルで色鮮やかなイメージの中で私一人だけシックな雰囲気なので、濃いメンバーの中で薄味を担当させていただこうかなと思っています(笑)。
皆さんおっしゃる通り、男性陣も女性陣も皆身体を鍛えていて、アートや芸術作品のようです。美術館に行くような気持ちだったり、芸術を楽しみに来る感覚でお越しいただいても楽しんでいただけると思います。
髙木さんは、アイドルとしての顔とまた違うセクシーな役者としての顔や、ワンちゃんのような可愛らしさなど様々な顔を見せているので、観にいらした方の心を鷲掴みにするんじゃないかなと思います。令和のリアルシリアルキラー爆誕!といった感じですのでぜひ楽しみにお越しください!(笑)
■石田ニコル
稽古の空き時間にとにかく皆さんが筋トレをしている現場でした。ほかの作品でも体を動かすために準備をすることはありますが、ここまでガチガチに筋トレをしていたり、お互いに体づくりの情報を共有しあう現場はあまり見ないので楽しかったです。
腹筋がバキバキに割れている方もいるので、そこも楽しみの一つになるんじゃないかと思います。
とても華やかで潔い、観ていてスッキリする作品になっていますのでぜひ劇場にお越しください!
■大貫勇輔
昨年の夏ごろに、「河原さんから体を鍛えてほしいと言われています」と聞いて鍛えていたのですが、稽古が進むにつれて、僕だけ脱がない役だということがわかって…でも、スーツをきれいにこなすためにはガタイが良い方がいいので、結果的によかったです。はじめて台本を読んだときに、これどうやって舞台になるの?と思っていたのですが、稽古場で一つ一つシーンがつけられていって、初めて通し稽古をしたときに、「なんて面白い舞台なんだ!」と感動しました。
劇場に入って、さらにセットに照明に音楽が入ってご覧になった方々が、観たときになんて言うだろう?と思いました。
〝なにもないところから何かが生まれてくる〟を体感したので、明日からの本番が楽しみです。
PARCO PRODUCE 2025ミュージカル『アメリカン・サイコ』東京公演は3月30日から4月13日まで新国立劇場中劇場にて、大阪公演は4月19日から4月21日まで森ノ宮ピロティホールにて、北九州公演は4月26日にJ:COM北九州芸術劇場 大ホールにて、広島公演は4月30日にアステールプラザ 大ホールにて上演予定!
撮影:岡千里