アイドルグループ『NEWS』加藤シゲアキが4月7日に東京・渋谷のPARCO劇場で主演のパルコ・プロデュース 2025「エドモン~『シラノ・ド・ベルジュラック』を書いた男~」(演出:マキノノゾミ)開幕前会見を俳優・村田雄浩、瀧七海、安蘭けい、演出のマキノノゾミ氏とともに開いた。
1897年に初演され、当時のパリ中を興奮させた『シラノ・ド・ベルジュラック』の誕生秘話を描いた作品。17世紀に実在した大きな鼻の剣豪詩人のドタバタ幕内コメディ仕立てに描いている。日本では2023年に新国立劇場にて、マキノノゾミ演出、加藤主演で初演。加藤は“書けない”劇作家エドモン・ロスタン役を演じる。
メディア向けに数シーンを披露したあとに会見が開催。再演となるが、加藤は、「そのときも内容さながらのドタバタであのどたばたをまたやるのかと、楽しさと 不安が 同時に押し寄せてます」と心境とともに、前日に行ったというゲネプロを振り返り加藤は、「すでにやっぱりドタバタで。このどたばたの勢いが逆に面白いんじゃないかって」と、手応え(?)を口にする。
そんなドタバタの作品なだけに、加藤は「2023年東京公演千秋楽のときに」再演の話を聞いて頭に浮かんだのは、「その時の率直な感想は、“ウソだろう!!”“そんなバカな!?”もうみんな出し尽くした日に、“何の勝算があってやるんだ”って。僕たちのモチベーションはいったいどこに行くんだと思ったんです」と、呆然としたのだとか。
そんな加藤の気持ちが出演へと固まったきっかけは、初演のカンパニーメンバーと関係があるようで、「仲が良かったんですよ。チーム自体また集まってなんかまたやれるのは楽しいかなとは感じていて。初演が終わってからも定期的に会うメンバーもいて、話したりした時もあって。安蘭さんとも1度お食事に行きましたよね。それで、“もう、やる”前提で、みんな話をしてたんで、やるのはもう当たり前みたいな気持ちに途中で自然とスライドをして」と変化していったそう。
とはいえ、本日4月7日の初日を迎えても「まあ、まだ2割ぐらいは後悔してたんですよね。昨日のゲネプロで、“こんなに大変だったんだ!”ってことを思い出して」と吐露するとともに、でも、人間ってやっぱ楽しかった記憶が残るんだなぁって」と苦笑いを浮かべつつ「“もっと良くなるんだ”というパルコさんの目論見通りなのかも」と話していた。
そんな加藤なだけに、千秋楽を“恐れている”ようで、「もしかしたら東京千秋楽にプロデューサーと会わないように帰るかもしれない(笑)。それでカンパニーメンバーと会ったら、またやるんだねっていうくらいの感じで」と、現時点の気持ちも披露していた。
一方、本公演から参加する村田はけいこに入る際、表も裏もドタバタしているという本作へ、マキノ氏や加藤から「地獄へようこそ」と“歓迎”されたという。それは、個性豊かな実力派キャスト総勢12人が本役以外にも約50もの役を演じ分けることや、とにかくセリフ量の多いためそう言わせているよう。これに、加藤は、本公演から参加するキャストを「転校生」と呼び「温かく『地獄へようこそ』」と、伝えたことも話していた。
そして、加藤から「劇作家が無茶振りされてもみくちゃにされて、ドタバタするコメディーではありますけど、きっと劇作家のみならず多くの方があのいろんな上司や先輩らから無茶振りされているのかもしれません。この舞台は見れば、そうした憂さ晴らしにもなると思いますし、こんなに苦労して人たちがいるんだと12人を見ながら、少し優越感でも感じてもらえれば嬉しいかなと思います。本当にパワーが出ている作品でチケット代の価値は僕はあると思っています」と、メッセージを寄せていた。
パルコ・プロデュース 2025「エドモン~『シラノ・ド・ベルジュラック』を書いた男~」東京公演は4月7日から4月30日までPARCO劇場にて、大阪公演は5月9日と5月10日に東大阪市文化創造館 Dream House 大ホールにて、福岡公演は5月17日と5月18日に福岡市民ホール 大ホールにて愛知公演は5月24日に豊田市民文化会館 大ホールにて上演予定!
取材・撮影:水華舞 (C)エッジライン/ニュースラウンジ