アイドルグループ『SUPER EIGHT』安田章大主演で上演予定のBunkamura Production 2025『アリババ』『愛の乞食』(脚色・演出:金守珍)。その公演が8月31日からとなったことやキービジュアルが公開となった。
2作品は唐十郎の初期作品。唐が旗揚げした劇団「状況劇場」によって1966年に『アリババ』が、1970年に『愛の乞食』が初演となっている。現実と幻想、現在と過去が溶け合うそれぞれの物語は、叙情的に紡がれる言葉の数々で、人々の中に眠る普遍的なロマンを呼び起こすような仕上がりとなっている。 主演の安田と唐作品といえば、2023年に主演した『少女都市からの呼び声』で初めて触れている。
本公演ではあえて全編“関西弁”で演じるといい、関西出身の安田が持つ言葉の感覚を通じて、唐が紡いだ叙情的な台詞の数々を新たなアプローチで見せる。共演には、壮一帆、伊東蒼、彦摩呂、福田転球、温水洋一、伊原剛志、風間杜夫。(2作品のあらすじは文末にて)
公開となったキービジュアルは、幻想的な物語に登場する、ほかには見られないキャラクターたちが色鮮やかに彩ったもの。数々の仕掛けも散りばめられているといい、それを探すのも楽しみな仕上がり。
Bunkamura Production 2025『アリババ』『愛の乞食』は東京公演は8月31日から9月21日まで世田谷パブリックシアターにて、福岡公演は9月27日と9月28日にJ:COM 北九州芸術劇場にて、大阪公演は10月5日から10月13日まで森ノ宮ピロティホールにて、愛知公演は10月18日と10月19日に東海市芸術劇場にて上演予定!なお、今年6月に新宿・花園神社境内に特設される野外テントから幕開けとなるが、こちらに安田も出演となっている。
■作品あらすじ
◯『アリババ』
雨の中、真夜中の高速道路を駆け抜けて行った黒い馬を探していた宿六。そしてその妻の貧子。二人のもとに老人が姿を現し、あの馬は赤いはずだと言う。ブランコが馬の嘶きのように音を立てて揺れだしたころ、隅田川に流した遠い記憶が甦ってくる。「朝は海の中、昼は丘、夜は川の中。それはなあに?」
◯『愛の乞食』
生命保険会社に勤める田口は、立ち寄った都内の公衆便所にいた具合の悪そうなミドリのおばさん(実は元海賊の尼蔵)を介抱していた。そこにセーラー服姿の少女・万寿シャゲが帰ってくる。今夜からこの公衆便所は、キャバレエ「豆満江ズマンコウ」になるのだ。そこに支那人のチェ・チェ・チェ・オケラと、刑事の馬田と大谷が現れる。彼らもまた、元海賊なのだった。
男達は万寿シャゲに、かつて海賊として大陸を荒らし回っていた時に出会ったある事件の生き残り、十四番目の朝鮮人の女の面影を見出す。そして突然、彼方より一本杖で床を踏む音――伝説の海賊ジョン・シルバーの歩く音が響く。