にじさんじ所属のバーチャルライバー/VTuber・樋口楓が4月19日に東京・J:COM ホール八王子でライブツアー『Higuchi Kaede 2024-2025 LIVE Tour “BREAKING” in Tokyo』千秋楽公演を開催した。
アーティストとしても2024年10月に2nd フルアルバム『GAME GIRL』をリリース。自身初のライブツアーの千秋楽となる。ゲストに月ノ美兎、文野環、周央サンゴ、エナー・アールウェットが登場し、生バンド(Gt.:芳賀義彦、Ba.:Igo、Key.:森谷優里、Dr.:中村”マーボー”真行)のもと楓組(樋口楓のファンの呼称)とともに盛り上がった。
以下、公式レポート部分。
2024 年 11 月 29 日(金)の台北公演(会場:Zepp New Taipei)に続く、今回の東京公演。オープニングムービーで飛行機から空港に降り立つと、「ただいま~!東京!」とキャリーケースを引きながら樋口がステージに登場。「アイムホーム!」(ドラマ『量産型リコ ~最後のプラモ女子の人生組み立て記~』オープニングテーマ)を披露する。台北での写真やゲスト(叶、壱百満天原サロメ、遠藤霊夢、レン ゾット)との記念撮影などをバックに、みんなで手を振りながら歌い上げていった。
続く「Feel it now」では、恋愛ゲームの画面が映し出され、途中の選択肢を樋口が選んでいく演出でも楽しませる。2nd フルアルバム「GAME GIRL」は一つのゲーム作品に見立てて制作されており、瀬戸美夜子が作詞したこの楽曲は恋愛がテーマ。「週末だし何しようかな…」の選択肢に「スマホが SNS 映えを欲している…」を選ぶと、SNS映えするアンダーリムの“メガネ姿”にチェンジする……が、どうやら選択はダメだったようで、GAME OVER になってしまい膝をついてうなだれる樋口だった。
めげずにプレイ再開し、アーティスト衣装にチェンジすると、バンドの演奏に負けじと気合全開のシャウトも決めながら「恋すな」を熱唱。さらに、バットを手にして「野球讃歌」へ。スクリーンでは“VR(バーチャル)関西圏立高校”と“GELUGUGU 高校”の試合がリアルタイムで進行していき、間奏には会場にボールを打ち込むパフォーマンスも。曲の後半はトランジスターメガホン(拡声器)を使って煽りまくり、「VR 関西圏立高校最強~!!」と絶叫。ちなみに、試合はVR関西圏立高校が34対24のすさまじい乱打戦を制して勝利した。
冒頭からの怒涛のステージを終え、「でろーんでろーん こんでろーん!」とお馴染みの挨拶をする樋口。改めて、「台北から東京へ帰ってきました~!」と笑顔を浮かべると、会場から「おかえり~!」の声があがっていた。
次のブロックでは、壮大なイントロから「MML」(オンライン RPG「マビノギ(mabinogi)」コラボ楽曲)で作品の世界観を表現。技を決めるがごとく鋭い歌声を突き上げると、「アンサーソング」ではスタイリッシュに美声を響かせていく。ギターソロも格好良く、みんなの心を震わせていた。
ここからはゲストとのコラボパート。まずは、一緒に桜を見に行ったというエナー・アールウェットと「桜の季節」(原曲:フジファブリック)を披露。桜の花びらが舞い散る中、中低音でパワフルに響かせるエナーと樋口の声の相性は抜群だ。そして、歌い終えたエナーが朗読を紡ぎ始める――。このパートでは、楽曲+朗読がセットとなった構成になっており、素敵な物語にみんなを誘っていった。
電車のドアが閉まる音から始まったのは、樋口と周央サンゴによる「東京」(原曲:くるり)。普段とは違ったお姉さん的な歌声が魅力的で、サビでの高音の重なりも美しい。続いて電車は下北沢に停車し、樋口が「下北以上原宿未満」(原曲:藤井フミヤ、上戸彩)を歌い始めると、そこに文野環が加わる。漫画の吹き出しのような演出もオシャレで、透き通るようなハーモニーや可愛いやり取りで楽しませてくれた。
樋口と月ノ美兎は、夕暮れの街で「東京」(原曲:SUPER BEAVER)を情感たっぷりに歌い上げる。にじさんじ1期生の“JK組”としてともに歩んできた2人が向き合って歌う姿は感動的な瞬間だ。カバー曲のラストは樋口がソロでスタンドマイクを使い「東京」(原曲:Saucy Dog)を披露。夜空に流れ星が輝き、ときに切なく、ときに荒々しい歌声が胸に沁み入っていくと、そのまま本人の楽曲「mimi」へ。カバー曲からオリジナル曲への流れも美しく、みんなが物語の世界に没入していた。
余韻が残る会場に流れてきたのは、「放課後 Memory」。髪を下ろした樋口が、“ファンメイドメドレー”としてファンの制作したオリジナルソングを次々と披露していった。「東京アセンション」はエモーショナルに、「夕暮れリフレイン」は明るく軽快に、「フィクションなんて言わせない」はスタイリッシュにさまざまな色を見せていき、メドレーラストはフルコーラスの「楓色の日々、染まる季節」。当時の想いものせ、いまの彼女の成長した歌声と表現力で響かせる。スクリーンに映し出された過去の映像や活動の数々も涙腺を刺激するものだった。
MCでは、披露した楽曲を振り返りつつ、今回のゲストを選んだ理由や、朗読をどうしてこのような内容にしたのか説明する樋口。東京出身ではない樋口が上京してさまざまなことを見て、考え、出会ったゲストのメンバーたち。「皆さんのおかげで、やりたかったことができた」と嬉しそうに語っていた。
そんなメンバーで今度は“にじさんじの春といえば”な、にじさんじ初の四季をコンセプトにした楽曲「Budding!」を披露。オリジナルメンバーである月ノ美兎からスタートすると、5人の歌声が春の爽やかな風を運ぶ。そして、ゲストパートラストは「Take My Chance」。全員でタオルを振り回し、「もっともっと~!」「八王子~!」などと煽りながら、会場や配信で見ているファンと一体になって盛り上がった。
ひとことずつ挨拶をしたゲストたちを見送り、ライブはいよいよラストブロックに突入する。気合の叫びから「Reset and…」をかましていく樋口。気合一閃のキックも決めると、勢いそのままに本編ラストは「キュンリアス」(TV アニメ『転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます』オープニング主題歌)。手に炎を灯し歌い上げる姿も格好良く、激アツのステージを繰り広げた。
ラストと言いつつ、アンコールの存在を示唆するように「また3分後とかかな~」と正直に去っていくのも樋口らしい。響き渡るアンコールの声に導かれ、ライブ T シャツに着替えて再登場した樋口は、サビでのダンス講座をしてから「こんな良い時間に何してんねん!」を披露。セリフ調の内容やお父さんに向けた叫びでも楽しませていた。
歌い終わり、改めて自分の言葉で、朗読を考えたきっかけや、ファンへの想い、感謝を口にする樋口。「みんなの方が輝いてんねんから、そこは自信を持って明日からも一生懸命いきましょう」とみんなを勇気づけ、「今日の出会いを大切にして、いつかその星は輝くと思うので、忘れずにいてくれたら嬉しいです」と挨拶を締めた。
そんな思いを込め、ツアーのオーラスは樋口のメジャーデビュー曲「MARBLE」。楓組のみんなも最後の1ミリまで体力を振り絞るように叫び、ツアーの幕を閉じる。終演後のスクリーンには樋口からの直筆メッセージが映し出され、そこにはファンに対する想い、彼女の人柄すべてが表れていた。
輝きを増し、新たな魅力が加わった楓色をみせてくれた今回のライブツアー。アニメ『転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます 第2期』のオープニング主題歌「CALLING†」を担当すると発表があったように、今度の活躍も楽しみにしたい。
なお、東京公演の配信チケットは、2025 年5月5日(月)23:59 まで販売。5月6日(火)23:59 までタイムシフト視聴することができる。
■SET LIST
M01 アイムホーム!
M02 Feel it now
M03 恋すな
M04 野球讃歌
M05 MML
M06 アンサーソング
M07 桜の季節 w/エナー・アールウェット(原曲:フジファブリック)
M08 東京 w/周央サンゴ(原曲:くるり)
M09 下北以上 原宿未満 w/文野環(原曲:藤井フミヤ、上戸彩)
M10 東京 w/月ノ美兎(原曲:SUPER BEAVER)
M11 東京(原曲:Saucy Dog)
M12 mimi
M13 ファンメイドメドレー
放課後 Memory
東京アセンション
夕暮れリフレイン
フィクションなんて言わせない
楓色の日々、染まる季節
M14 Budding! w/月ノ美兎、文野環、周央サンゴ、エナー・アールウェット
M15 Take My Chance w/月ノ美兎、文野環、周央サンゴ、エナー・アールウェット
M16 Reset and…
M17 キュンリアス
-アンコール-
M18 こんな良い時間に何してんねん!
M19 MARBLE
ライター:千葉 研一
■「Higuchi Kaede 2024-2025 LIVE Tour “BREAKING” in Tokyo」配信視聴チケット販売中!
券売ページ:https://dwango-ticket.jp/project/FAqflIJ9jk
視聴ページ:https://live.nicovideo.jp/watch/lv346238821
※チケット販売期間:5月5日(月) 23:59 まで
アーカイブ終了:5月6日(火) 23:59 まで
本ライブの冒頭部分は YouTube で無料で視聴が可能
https://www.youtube.com/live/WEnf5xVKC_g?si=hdVPeTRYU7D7dEDs
ライブ本番直前の会場を突撃取材した様子がニコニコ動画にて公開中!
https://live.nicovideo.jp/watch/lv346280655
MC:鏑木ろこ
レポーター:百花繚乱