“がんちゃん”の愛称で親しまれている『三代目 J Soul Brothers』『EXILE』の岩田剛典、ジュリエット・ビノシュ、俳優・永瀬正敏、夏木マリ、美波が9日、東京・新宿ピカデリーで映画『Vision』(監督:河瀬直美/配給:LDH PICTURES)公開記念舞台あいさつを河瀬監督とともに開いた。
『あん』、『光』といった人の心を鋭く打つ作品を世に送り出し続けている河瀬監督最新作で、フランスの名女優ビノシュと永瀬をW主演に迎えている。物語は謎の草“ヴィジョン”を求めるフランスの女性エッセイスト・ジャンヌ(ビノシュ)が、日本の春日大社を訪れ智(永瀬)と出会う。その後、2人は深い交流をしたが、1度別れ、再び吉野で出会うことになるのだが……。
ビノシュが来日しているということで全国120館でライブビューイングとともに、キャスト陣それぞれあいさつに「ボンジュール」とつけて和気あいあい。岩田も「みなさんボンジュール(笑)」と、軽やかに切り出し、「日本の美しさが映像に出ていると思います」と、自身の感想を。
ビノシュは、撮影を通して「本当に素晴らしい体験をさせて頂きました。吉野という奥深いとおころに招待される形で、その場では大切なものをシェアさせて頂きました」と、感慨深げ。永瀬は、完成報告会のときから試写を見て震えたと話していたが、それは続いているそうで「ずっと震えっぱなしで、きのうその思いが蘇ってきて、ビノシュさんもいらしてますし、震えの幅がでかくなっている感じです。それが全国に届けば」と、万感の思いを伝える。
本作では岩田は英語のセリフにも挑戦。「台本を読んで英語のセリフがあったときはどうしようかと思いましたね(苦笑)。でも、実際に奈良で生活しつつ撮影していくんですけど、日常会話でアドリブで返せるように自分なりに努力したんです。ですが、撮影でビノシュさんの包み込む母性のようなものに助けられましたね。目と目だけで伝わるものがあるというか。そういうものが切り取られた映像になっているので、そういう微妙なものが伝わるといいなと思いますね」と、言葉にはできない共感するものがあったのだとか。
すると河瀬監督は、ポトフを食べているシーンで岩田演じる謎の青年・鈴が涙を流していることへ、「あの涙は自然に出てきたんですよ」と褒めると、岩田は「あれも、とくに決まりごとがなくてアドリブというか。シーンまるごと、日常生活を切り取った感じで、鈴になった感じで出てきました」と、役になりきって出てきたそう。そこで、河瀬監督はここぞとばかり、「ドラマとは違う岩田くんがみれますのでぜひ!」と、作品を猛プッシュし、岩田も「同じくそう思います(笑)」と、ちゃっかり乗っかる。
さらに、ビノシュは岩田へ、「実際的なつながりはなくても、目と目でつながってるものがあるというのがあったんです。この人知ってるというような気持ちになって、あなたの涙をもっと深いところで知ってましたよ。日本に息子がいるとは知らないですけど、息子がいたなんて(笑)」と言うと、岩田も、「僕もフランスのお母さんだと思っています(笑)」と、“母と息子”ができあがって、笑いを誘っていた。
ビノシュへ和傘のプレゼントもありつつ、最後に永瀬から、「たくさんの愛がこの映画に詰まっています。観て頂いた後に愛する人を思い浮かべて、もう1回この映画を観に来てもらえれば」と、呼びかけていた。
映画『Vision』は絶賛公開中!