俳優・加山雄三(80)、瀧山久志(33)、女優・斉藤由貴(50)、ピアニスト・野田あすか氏、バイオリニスト・服部百音氏、『乃木坂46』生田絵梨花(20)が12日、都内ホテルで開かれた第8回『岩谷時子賞』授賞式に登場し俳優・市村正親(68)がプレゼンターを務めた。
同賞は故・岩谷時子さんが日本の音楽や芸術の発展・振興に寄与することを目的に創設し、2010年から行われている賞。Foundation Youthに服部氏、奨励賞に瀧山と野田氏と生田、特別賞に斉藤、岩谷時子賞に加山が輝いた。
白のワンピース姿で登壇した生田。今年日本上演30周年を迎えた『レ・ミゼラブル』のオーディションを受けコゼット役を演じたことから本賞を受賞となり、生田は「まさか自分がこんな賞を頂けると思っていなかったので光栄です。私は普段アイドルとして活動していて舞台の世界に足を踏み入れたということで、いままで観たことないという人たちが興味を持ってくださったり観たいと思ってくださったり、そういう声を聞くとやりがいを感じますので、これからも1人でも多くの方に魅力を伝えていけるよう頑張っていければ。私の力はまだまだだと思っていますので、長くコツコツとやっていけるように努力を重ねていきたい」と、スピーチし岩谷さん訳詞の『レ・ミゼラブル』より『プリュメ街』を生歌唱した。
続く野田氏はピアノでの『哀しみの向こう』、瀧山はハリと艶のある声でミュージカル『アラジン』から『理想の相棒』『フレンド・ライク・ミー』をメドレー形式で披露し、場内を圧倒した。そして特別賞の斉藤は、2012年の『シャンソン de越路吹雪/ラストダンス』で岩谷時子役を演じた縁もあり岩谷さんと会った時の思い出として「本当に優しくて柔らかなほほ笑みで、その包んでくださる感じがしました」と、思い出を披露した。
そして大賞に輝いた加山。代表的な楽曲は岩谷さんから提供されておりこれまで149曲の提供を受けていることから、「嬉しいです!最高です!」と、喜びを爆発させ、岩谷さんへは、「想像絶する良いものがどんどん出てくるというのが印象です。曲ができて、次の日に詩ができちゃったということもあったんです。普通だったら1週間かかるだろうなと思ったのがすぐレコーディングになったりして」と、エピソードを。さらに、『君といつまでも』の生歌唱を見せたが、間奏の部分では、「幸せだなぁ。岩谷さんと出会っていなかったら今の僕はありません。これからも一生懸命歌っていきます」と、岩谷さんに捧げるものとなった。
終了後には囲み会見が開かれ、加山は「若“大将”が“大賞”を獲ったので嬉しい」と、ウィットに富んだコメントを寄せつつ、「80まで生きていて良かったなぁ」としみじみ。
『レ・ミゼラブル』で30年前にコゼット役を演じた斉藤と現コゼット役の生田の新旧コゼット役が並んだということで、2人にそのことを尋ねると、生田は「自分でもどう考えたらいんだろうと思っていたので話したら、30年前も同じ悩みを持っていたりとか背中を押していただきました」とエールを送られたそう。斉藤はそんな生田の歌声を劇場で聴いたそうだが、「存在として圧倒的な鮮烈さとか、そういうものを備えていらっしゃる感じがして。コゼットはすごく難しい役で、コゼットをやる人間はぶち当たる壁があるのですが、このまんま疑わずにコゼットをやっていただきたい」と、アドバイスしていた。
ちなみに、生田へは本賞受賞でもらった100万円の使いみちも質問が挙がったが、「全部観劇に使いたいなって。たくさんみなさんから刺激を頂いて次の糧にしていきたい」と、真摯な姿勢を見せていた。