作詞・作曲家の梶浦由記が6月30日、千葉・舞浜アンフィシアターでライブツアー「Yuki Kajiura LIVE vol.#14 “25th Anniversary Special”」の初日公演を行った。
今回のツアーは、前回から約2年ぶりで、梶浦の音楽活動25周年のアニバーサリーツアーであると同時に、長年所属したマネジメント事務所から今年2月に独立してから初めてとなる。
全公演のチケットは追加公演含め即完売。ツアー初日のこの日もグッズ販売のブースに長い列が伸びており、ライブの前から参加者の期待と熱気が会場に満ちあふれる中、いよいよ開演の時を迎えた。
ステージには、梶浦由記(Piano・Chorus)のグランドピアノを囲むように、是永巧一(Guitar)/佐藤強一(Drums)/高橋“Jr.”知治(Bass)/城元絢花(Violin)/赤木りえ(Flute)/大平佳男(Manipulator)と、3人のボーカリスト:KAORI/YURIKO KAIDA/ASUKA(結城アイラ)がスタンバイ。
そこに、円形に張り出した舞台の中央から、もう1人のボーカル=Joelleがせり上がってくると、2000人を超える観客から大歓声が巻き起こる。
『fiction』『forest』をはじめ梶浦ソロ名義のアルバムからの楽曲、『everlasting song』『dream scape』などFictionJunctionの楽曲、そして『longing』(『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』)、『lancer and assassin』(劇場版『Fate/stay night [Heaven’s Feel]』)といったサウンドトラック曲群まで、梶浦の表現世界を高純度で凝縮したような、シネマティックで神秘的な音楽空間が繰り広げられていった。
ボーカルも曲によって2人、3人、4人編成とフォーメーションを変えながら、澄み切ったコーラスワークを展開していく。さらに、『lotus』ではこの日のゲストボーカル=戸丸華江が登場。色彩感豊かに鳴り渡るアンサンブルを、凛としたハイトーンでひときわ美しく彩ってみせた。なお、今回のツアーではライブごとに日替わりのゲストボーカルが出演、1ステージごとに唯一無二の響きを生み出しているのも見逃せない。
梶浦はライブ中のMCで、「今年独立し、皆さまに音楽を自分の意志で届けられるように、FictionJunction Musicという会社を立ち上げました」と、観客に伝え、秋には新たにファンクラブを設立することも発表した。25周年の「その先」へ向かう梶浦の意志と音楽探究心が、壮麗な歌と音像とともに確かに立ち昇ってくる、珠玉の名演だった。
「Yuki Kajiura LIVE vol.#14 “25th Anniversary Special”」はツアーファイナルの7月22日・中野サンプラザホール公演(追加公演)まで全5公演にわたって開催される。
●「Yuki Kajiura LIVE vol.#14 “25th Anniversary Special”」
2018年6月30日(土) 千葉・舞浜アンフィシアター
2018年7月1日(日) 千葉・舞浜アンフィシアター
2018年7月12日(木) 大阪・NHK大阪ホール
2018年7月15日(日) 千葉・舞浜アンフィシアター
2018年7月22日(日) 東京・中野サンプラザホール[※追加公演]
●出演
[Piano & Chorus] 梶浦由記
[Vocal] KAORI, YURIKO KAIDA, Joelle, ASUKA(結城アイラ:Except 7/1)
[Guest Vocal] 笠原由里(7/15, 7/22), 伊東えり(7/12, 7/22), 戸丸華江(6/30, 7/22), Remi(7/1, 7/22)
[Guitar] 是永巧一
[Drums] 佐藤強一
[Bass] 高橋“Jr.”知治
[Violin] 今野均(7/12, 7/15, 7/22)、城元絢花(6/30, 7/1)
[Flute] 赤木りえ
[Manipulator] 大平佳男