タレントでスポーツキャスター・松岡修造(50)が8日、東京・三省堂書店池袋本店内で書籍『弱さをさらけだす勇気』(講談社)出版記念トークイベントを開いた。
松岡がテニスプレーヤーからスポーツキャスターに転身し、一流選手への取材で知った弱さや失敗をチャンスに変える自分の活かし方を書籍にしたもの。すでに5万部が発売される大反響となっている。
イベント前に報道陣向けに会見を開いたが、出てきた瞬間から、天井の高さと自身の身長を比べだす“修造節”全開で、報道陣を沸かせた。
本作で弱さをクローズアップした理由へ、「弱さは強さなんだというのを気づかせてあげたいという気持ちがありました。それと人は弱さが魅力なんだなって思っていたんです。読んでくださる方も自分と一緒だなって思ってもらえれば。ポイントも書いてあるので、それを強さにしてほしい。弱い人を本気で応援したいというのが応援メッセージのような気がしますね。弱さを好きに自分を好きになってほしいなって」と、込めた気持ちを。
自身については「基本的にみなさんは松岡修造の捉え方を間違えていて。テニスでメンタルが強かったというのが1番の勘違い。国別対抗戦とか負けられない試合には100%負けてましたよ。僕を追いかけていたテニスの記者は強いなんて書けなかったと思います」と、独白を。
さらに、松岡は「息子に言われたんですけど、『詐欺!騙すんじゃない!お父さんのこと勘違いしている!』と。メンタルが強く前向きに思われているけど、実際違うんじゃないかと。それを息子に言われて『そうだよ』と言われました。僕がそうしてるだけじゃなくて、周りがそうしてくれるだけだと」と、自身の弱さを素直に認めたというエピソードも披露した。
逆に強い人へは、「一言で言うと、強い人は天然です。感性で感じたままに動くんです。弱いものという捉え方がなくてメンタルトレーニングをする必要がない」と、説明し、では、これまで取材してきたなかで強い人は誰かと振ると、「僕が知っているのは吉田沙保里さん。彼女へは弱さを引き出そうとしても、引き出せなかったけど、初めて弱さを見せたのはリオ五輪でした」と、称えていた。
続けて、今後が気になるアスリートについて質問が飛ぶ。フィギュアスケートの羽生結弦選手を挙げた松岡は、「すべてにおいて強すぎちゃうんです。国民栄誉賞まで手にして、全部手に入れたから苦しむことになるんじゃないかと思うんです。これからは、相手じゃなくて羽生結弦という人と対戦していくので、そこが1番魅力です」と、自分自身との戦いをどう乗り越えるかに注目していくようだった。
現在、テニスのウィンブルドン選手権でベスト16まで勝ち抜いている錦織圭選手(28)へは「きょうは嬉しい寝不足なんです。まさに弱さが強さになったときですね。けがで半年、もっとも弱い時間があって、その気持ちをぶつけていると思いますね」と、分析しつつ、自身が打ち立てたいまだ抜かれることのないベスト8入りへむけ「俺のベスト8を抜いて、優勝をもぎ取ってほしい!」と、大声援を送っていた。
その後、トークショーでは集まったギャラリーを前に大暴れ。開始時間前から壇上に立った松岡は、1人1人に話しかけ、それぞれの弱さを感じている事情などを尋ね、トークでは「きょうは自分の弱さをさらけだします」と、“プレッシャー”、“怖い話”、“家族”が弱点であることを笑いを交えながら伝えていた。
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