俳優・松田龍平(35)が18日、東京・HMV&BOOKS SHIBUYA内で映画『泣き虫しょったんの奇跡』(監督:豊田利晃/配給:東京テアトル)公開記念トークショーを豊田監督(49)、原作者で棋士・瀬川晶司五段(48)とともに開いた。
瀬川五段の自伝的小説が原作。幼い頃から将棋一筋で生きてきた“しょったん”こと瀬川晶司がプロ棋士になる26歳という年齢制限の壁に阻まれ1度はプロ棋士になることを諦めながらも、再チャレンジによりプロ棋士編入を成し遂げるまでを描いている。
登壇するなり豊田監督から最近、松田が冷麺にハマっていると暴露されながらゆる~くスタート。司会が豊田監督にいつ本作を撮りたいかという質問をしたその直後、松田がすかさず「いつ映画にしたいと思ったんですか?」と、聞いて豊田監督も「さっき言ったんだけどなぁ」と、言いながらわざと同じ説明を繰り返し、会場を大爆笑させることに。
そんなゆる~い雰囲気の進行だったため、司会が豊田監督に念願かなっての映画化かどうかと尋ねると、その質問を松田にパス。それに松田は困った顔をしながら、「たぶんそうでしょうね」と言いつつも、「初めて豊田さんと『青い春』という映画でご一緒したときから、将棋に縁があるということを聞いていて、奨励会に行っていたと聞いていたので、もしもその映画を撮るときには出たいなって思っていたんです」と、こちらも念願かなったそうだ。
原作は「撮影入る前に読みました」という松田。「とにかく瀬川さんの文体が人柄を表していると思います。瀬川さんにお会いしたときに距離感が近い気がして、正直な人なんだなという印象を受けました。実際も瀬川さんそのままというか。だから映画も原作を読んでから観てもらうと広がるものがあるんじゃないかなって」と、さりげなくアピール。
さらに、瀬川氏は撮影現場にもやってきたそうで、松田は「影響を受けるところがあって良かったなって思います」と、作品に好影響もあったそうだが、「瀬川さんは最初の方、居心地悪そうで低い段差でこけそうになったり、茂みに足をとられそうになってて可愛いと言うか(笑)。将棋指導以外のこともスタッフが瀬川さんに頼みだしてて」と、馴染みまくっていたと証言し、瀬川氏は気恥ずかしげだった。
共演者へ、松田は「エピソードをそんなに覚えてないんです。自分のことばっか考えていたので周りが見えていなかったのかも」と、役に集中していたことを感じさせつつ、「すごいプロ棋士の方が対戦相手として出演してくれて、みなさん個性がすごくて、対峙してすごい楽しかったです」と、対局が楽しみだったようだ。
そして松田から「本当に面白い映画になっていると思います。将棋のことはこの作品に出演するまで、対局も観たことがなかったし、遊んだこともありませんでした。そうしたら変わった世界が広がっていたというか。面白くて。アクションもないし何時間も座りながらですが、なかなか動かない試合にドラマがあって、盤解説のトークもおもしろいんです。ほかにない世界だなって。将棋を知らない方にぜひ観てほしい映画だなって思います。魅力が広がっているし、とにかく瀬川さんという魅力的な人がいるというのを知ってほしいのと、観終わった後に清々しい気持ちの映画です」と、熱い胸の内を披露し鑑賞を呼びかけていた。
映画『泣き虫しょったんの奇跡』は9月7日より全国ロードショー!