プロレスラーで俳優・棚橋弘至(41)、女優・木村佳乃(42)、仲里依紗(28)、俳優・寺田心(10)が22日、東京・TOHOシネマズ新宿で映画『パパはわるものチャンピオン』(監督:藤村享平/配給:ショウゲート)完成披露舞台あいさつを藤村監督(35)とともに開いた。
大ヒット絵本『パパのしごとはわるものです』と、『パパはわるものチャンピオン』(岩崎書店)が原作。かつてエースレスラーだったが膝を壊したことから悪役レスラーを職業としている孝志(棚橋)は、偶然9歳になる息子・祥太(寺田)にその職業を知られてしまい「嫌いだ」と否定されてしまう。そんな孝志がトップレスラーからタイトルマッチの相手に指名され名誉を取り戻すチャンスを得ることになるのだが……。孝志の職業を知りながらも応援し続ける妻・詩織(木村)やプロレス雑誌の編集・ミチコ(仲)なども巻き込んだ感動の物語となる。
会場にはリングが立てられる本格仕様。司会のユリオカ超特Qから、熱い呼び込みがあるなかキャスト陣がド派手な登壇を見せる。
棚橋は作品の撮影へ「手探りな状態でした。心くんと一緒に過ごす時間をたくさんとってもらって。自分の中ではできる限りの準備をして臨みました」と話したが、緊張しているのか、言葉につまり気味。すると寺田が、「この間のイベントでも大事なところで噛んでました」と、暴露しこれには棚橋も、「こら祥太!」と、返すほのぼのしたやりとりを見せ、観客を和ませる。
そんな棚橋の演技へ藤村監督は、「努力の方でクランクインとクランクアップのときでは、別人のようでした」と、その成長を褒め、棚橋は気恥ずかしさからか「クランクインから大丈夫でしたよ!」と、必死に訴えることも。
続けて、以前からプロレスが好きだったという木村は「クラッシュギャルズを観に行ったり、キン消しも集めていたころの世代です」と、楽しげに思い出を。作品出演が決まり実際に棚橋の試合も観に行ったという木村だが、そこで場外乱闘が起こったといい、「場外乱闘のときは近づいちゃダメだったんですね(苦笑)。そんなときは行って騒ぐものだと思っていたんです」と、乱入しそうになったといい「血が騒ぐっていうんですかね」と、関係者が木村を制止するのが大変だったとも明かし笑いを誘った。
一方、仲は「何かに熱中する役は自分でもやっていて本当に楽しくなりますし、この役を演じてみて、ただ本当に好きってだけを考えて演じたので、そこまで難しく演じてはいませんでした」と、自然と演技に入れたよう。そのおかげで棚橋も「ファンの方はこういう気持ちで観てくれているんだと思いました」と、勉強になった部分があったそうだ。
作品が逆境を描いているということで、逆境を跳ね返したエピソードがそれぞれから語られることとなったが、棚橋はタイトルを獲るもブーイングされていた時期を回想し、2009年にアウェイで相手選手のコールがされるなか始まった試合が終わってみると棚橋コールになるいい試合ができたことを振り返り「プロレス一生懸命頑張ってきてよかったなって」と、感慨深げ。
その流れで仲は「デビュー当時、女優さんということでおしとやかな清純派、透明感があると売り出されていたみたいで、シンプルなものに切り替え得させられていた時期もあったんです。けれど、ご覧の通り派手でカラフルでポップなものが好きなんです。その好きを貫き通していたら派手なものでも、お仕事につながってきて」と、跳ね返した結果を呼んだそうだ。
最後に仲から「家族で観たほうが良かったなと思うくらい家族愛がある映画です」といえば、木村は「私がこの作品の出演を決めたのは監督の脚本です。私より10歳若いですけど、楽しみな監督の1人です」と、監督の良さをアピール。
そして棚橋は「この撮影をしたときは40歳でプロレスでベテランというキャリアを積んできた中でこんなにも一生懸命になれることがあるのかという驚きがあって、毎日必死で、全身全霊で全力でやりました。みなさん楽しんでください!」と、観客に励まされるなか1言1言噛みしめるように伝え、最後に「劇場のみなさん!愛してます!!」と、全員で拳を振り上げ一体感の高い舞台あいさつを終えていた。
映画『パパはわるものチャンピオン』は9月21日より全国ロードショー!