9月4日から7日まで東京ビッグサイトで開催中の国際見本市『第86回東京インターナショナル・ギフト・ショー秋 2018』。パーソナルギフトや生活雑貨が一同に集まる展示会だが、その中に本格的な“小さなおうち”を展示しているブースがあった。
近づいてよく見ると、ダンボールハウスのようだ。高さは1.5メートルぐらい、広さ的には1畳ないくらいだろうか。子供が“秘密基地”として入って遊ぶにはピッタリくらいの大きさで、程よく狭い空間は入るだけでワクワクしてしまう。
『カカポ-cacapo-』というこの製品、柱は紙管と呼ばれる硬いボール紙でできており、大人の記者が全力で折り曲げようとしても一向に曲がる気配を見せないほど高い強度。そこに立体パズルのように「1本足ジョイント」「5本足ジョイント」「蝶番型ジョイント」の3種類のうちから延ばしたい方向のパーツをチョイスして組み合わせ、好きな大きさにしていくようだ。
ブースにいた、販売元となるアートハウス株式会社の開発責任者・渡辺和俊氏に話を聞いてみた。今回展示していた『カカポ-cacapo-』の『こども部屋シリーズ』第1弾組み立てキット小学校中学年向けの『type2拡張キット』(2万5000円、税別)だそうで、この日が公式には初お披露目なのだとか。
1年半前から企画が走り出したという本製品。日本のリビングは空間が固定されてしまっていることが多く、そこでお手軽に新たな空間を作れないかという発想からスタート。道具を使わず組み立てができることも特徴だが、「お母さんと子供だけでも作れるような建築に根ざした雑貨の分野を確立したいという思いから始まりました。まず子供部屋というのをとっかかりに子供用に作りました」と、渡辺氏。
試作段階で数度子供向けのワークショップを開いたそう。その反響へ、渡辺氏は「盛り上がっちゃって、もうすごかったですね。ハンパじゃなかったです!」と、目を輝かせながら楽しむ子供が続出したのを見て手応えを感じたそうだ。
しかし、この製品に目をつけたのは子供だけではないらしく、渡辺氏は「実は小説家の方やイラストレーターの方とかにとっても評判がいいんですよ。たぶん狭いところがお好きなのかもしれませんね(笑)」と、“書斎”として検討する声も上がっているそうだ。
この壁紙部分となるダンボールはキットを買えばついてきたり、後日専用のダンボールの売出しも考えているそうだが、別に布を張っても、家庭で出るダンボールを代用しても良いそう。とはいえ、ダンボールなので少々殺風景さは否めない感じもする……。そこで、年明けくらいを目処にイラストが入ったダンボールや、これに合わせた小物類なども一緒に発売を考えているそうで、今後は目でも楽しめるものになりそうだった。
ほかにも耐久面のことを聞いてみる。紙管と呼ばれる柱の部分も立てたときの縦方向には200キロ、横に置いて上から力を加えると約40~50キロまで耐えられるそうで、渡辺氏は「普通のダンボールハウスは1週間くらいで壊れます。そこで長持ちも開発のポイントにしていて、濡れたりとか火が当たらなければ何年も使えるようにしました」とのこと。しかも、今後、紙管に特殊塗料を塗り、雨にも火にも強い作りを目指していくことも検討しているそうで、外でキャンプなどに使える日が訪れるのも遠くはなさそうだった。
また、同ブースでは、災害時における避難所の仮設小屋をも目的にした、タタミ2.6畳分高さは2メートル近くある『お泊まりハウスキット』もブースでお披露目。被災地でのプライベート確保の需要を見込んでいるそうで、こちらはすでに自治体向けに売り込みも始まっているそう。今後一般向けにも発売予定という。
■『カカポ-cacapo-』商品概要
◯商品名:カカポ-cacapo
◯発売日:2018年9月4日(火)
◯組み立てキット『子供部屋シリーズ』
・type 1 基本キット 大きさ 980mmX887mmX 高さ 1470mm 18,000 円(税別)
・type 2 拡張キット 大きさ 980mmX1277mmX 高さ 1470mm 25,000 円(税別)
・type 3 本格キット 大きさ 1370mmX1277mmX 高さ 1470mm 35,000 円(税別)
◯組み立てパーツ
・紙管 縦 42mm×横 42mm×高さ 900mm 500 円(税別)
・1本足ジョイント 420 円(税別)<予定価格>
・5本足ジョイント 420 円(税別)<予定価格>
・蝶番型ジョイント 420 円(税別)<予定価格>
◯販売チャンネル:ネット通販、大手ホームセンター、家具店、など
◯ホームページ:http://www.cacapo.shop/
◯問合せ先:0120-388-880