ミュージカル『TOP HAT』製作発表会見が2日、都内ホテルで開かれ『V6』の坂本昌行(47)、多部未華子(29)、屋良朝幸(35)、朝海ひかる(46)、益岡徹(62)、浅野和之(64)、演出を務めるマシュー・ホワイト氏、振付のビル・ディーマー氏が登壇した。
フレッド・アステアとジンジャー・ロジャースが主演した1935年の映画『トップ・ハット』が原作の舞台。2011年に英国で上演され、『英国ローレンス・オリヴィエ賞』で7部門にノミネート、3部門を受賞し大旋風を巻き起こし、日本でも、宝塚歌劇団宙組公演や、英国キャストが初来日したロンドン版の上演で大好評となった。物語はブロードウェイで活躍する大人気のミュージカル・スターのジェリー・トラヴァースと、美しいモデル、デイル・トレモントが出会ったことから始まるロマンティック・ラブコメディー作品だ。今回、英国オリジナルクリエイター陣による日本人キャスト版を上演することとなり、キャスト陣がお披露目となった。
役の雰囲気を感じさせる衣装で登場したキャスト陣。日本での公演を観劇したという坂本は、主演することへ「コミカルだけどオシャレな作品だと思っていました。こういう作品に出れたらいいなと思っていた矢先に、お話を頂いたので、100%の嬉しさと怖さを感じました。とりあえずタップをまた1から練習してみようと思いました」と、意気込みとともに。
そのタップについて突っ込んで質問があがると、「一言でいうと大変です。アステアの映像を観た方は何をどう踏んでいるかわからないと思うんです。高速ステップの中に激しいステップが踏み込まれていて」と、相当にハードルが高そうな様子を見せ、では練習が大変で筋肉痛になっているのではと質問が上がったが、「その段階は過ぎました」と、相当に練習を積んでいるよう。
ダンスについても、「アンサンブルのみなさんもダンス経験者ですけど、みなさん口をそろえて難しい!速い!と」と、相当な難度になりそうだが、「でも、それを超えていかないといけない作品なんです。ただ、それを乗り越えられればみんなで結束できるので結束していきたいと思います」と、挑戦する姿勢を見せていた。
続けて、多部。本作出演が決まってから「怖いのとネガティブな感情しか生まれていません……いまもそうです」と、尻込みしているようだが、「踊りとか歌の中にもでいるの感情の流れに沿ってフリがついていたりとか、歌詞がついていたりするので、すべてトータルで、感情の流れが出るようにうまく表現していけたらいいなと思っています」と、演技プランはしっかり組み立てているよう。
そんなうつむきがちな多部への印象について、坂本は「映像で観る多部ちゃんの印象が強かったんですけど、実際お会いして僕の想像を簡単に超えてきた、びっくりするほどのミュージカルスターがここにもいたんだなって。僕よりタップも音出てますし、みなさんの印象を180度変える多部ちゃんがそこにはいました」と、舞台上の多部は違うと熱弁。
逆に多部は、「ミュージカルの大先輩で、これから本番まで頼りまくって、たまに坂本さんのせいにしたりして(苦笑)。全部お任せするような気持ちです」と、乗っかかっていくようで、坂本も「何かあったら僕の責任になりますから」と、座長らしい男気を見せ、会場を沸かせた。
一方、屋良は自身の演じる衣装デザイナーのアルベルト役へ、「情熱的でとてもナルシストで自分を一番愛しているキャラクターです。僕もナルシストな部分は多少あるんです(苦笑)。それは役者さんなら多少あることだと思うので、僕は今回小さなナルシストな部分を存分に大きくして、役を作っていけたらと思います」と、意気込み。
「珍しく踊らない役なので、ダンスを封印した自分を見せたいと思います」という役にもなるという屋良だが、このことに「僕も以前、この作品で作詞・作曲を担当しているアーヴィング・バーリンさんの曲の作品で、僕もアステアみたいに踊ってくれと言われて、全然無理だったんです。今回それを坂本くんがやってくださるというのでガッツポーズだったんです。日本のフレッド・アステアだと思っているんで、楽しみにしたいです」と、坂本へ“プレッシャー”をかけるようなコメントが!しかし、坂本は「いや、褒めて頂いてありがとうございます」と、余裕の対応を見せていた。
坂本から「軽快でロマンティックで、クスッと笑えるコメディです。フレッド・アステアのステップを生で見せられるように僕らも頑張りますので観に来て頂ければ」と、アピールしていたミュージカル『TOP HAT』東京公演は11月5日から同25日まで東急シアターオーブにて、大阪公演は12月1日から同5日まで梅田芸術劇場 メインホールにて上演!
■公演情報
公演名:ミュージカル「TOP HAT」
作詞・作曲:アーヴィング・バーリン
原作脚本:ドワイト・デイラー、アラン・スコット
脚色:マシュー・ホワイト、ハワード・ジャック
演出:マシュー・ホワイト
振付:ビル・ディーマー
出演:坂本昌行、多部未華子、屋良朝幸、朝海ひかる、浅野和之、三井聡、加賀谷一肇、加賀谷真聡、工藤広夢、斎藤准一郎、高瀬育海、堀江慎也、萬谷法英、武藤寛、吉井一肇、岡本華奈、小島亜莉沙、彩月つくし、笘篠ひとみ、花岡未莉亜、吉田理恵、脇坂美帆